――物語を紡ぐ者――
第一部がここで終わります。
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「ふむ? ふむふむ~」
真っ暗な部屋に、ぽわっと、暖かなそうなランタンの光が灯った部屋の中。
暗く、不安の中に暖かな温もりがあるような、そんな光の中で、ぱたんっと。優しく音が鳴る。
それは、一人の女性が、本を閉じた音。
その女性を照らす淡いランタンの光は、その彼女を表情を隠す仮面を照らす。
その照らされた仮面は、狐面だ。
「……は~……なんだかなぁもう……こういうの好きじゃないんだよ私は。だから《《あの時》》だって助けてあげてるんだからも~……」
小さな丸机に本をぽすんっと置くと、ぎしっと音を鳴らして座っていた椅子の背もたれを大きく反らせ、一人だけのその部屋で狐面の女性はぼそりと呟いた。
「前々から何度も助けてあげてたのに。ど~してあの子は頑なにこの結果を求めちゃうのかなぁ?……ん? おや。おやおや? 違う?……もしかして、誰かに助けを求めろって言ってるのに助けを求めないから同じ結果に行き着いちゃってる、のかな? いやいや、だとしても、何度も拷問みたいじゃない。何のプレイよそれ。そう言う嗜好持ちなの? あの子は」
背もたれを戻しながら、正しく綺麗な姿勢で座り直した彼女は、先に置いた本を再度とると、その本の角でこんこんっと自分の肩を叩きだす。
「でも、ま~……そうだとしたら。今度は協力を得られそうだし。また始めるみたいだから。もうちょっとだけ。永遠名冬君さまさま〜ってところかな?」
肩を叩いてた本を丸机に置くと、彼女は立ち上がり、大きく背伸びをする。
「この『始天』様が、あんた達を助けてあげましょっかね~? でもね~。あの子怒っちゃうし……あ、でも。あの子も何か聞きにそろそろここに来そうだからいいのかな? 全部の絶機コンプリートした報告かしら? 知り合いみたいだし、状況理解してるみたいだし」
「さ。早くここにおいで。
永遠名冬君と千古樹君。
おもてなし。してあげるから」
狐面をことりと丸机に置くと、ふっと、息を吹きかけるように吐いてランタンの火を消した女性。
ランタンの火が消えると共に、そこには何も残っていなかった。
そして、序章は終わり。
本章が、始まる。
第一部お疲れさまでした!
本作品は第二部もありますが、ほんの少しの時間をおいてまたこちらでも連載予定です。
もうすぐカクヨムコンテストが始まるのでそちらに力をいれるためになります。
カクヨムコンテストのために書いた作品であるからして、他のサイトで応募というのも違うかなと思っている次第です。
2022/11/22時点で、カクヨムコンテストにおいて3年連続中間突破しておりますので、ある程度人に読んでもらえる作品として自信をもってもいいのかなとは思いながら、なろう様においての更新はカクヨムで第二部が完結してから更新になるんではないかと。(多分かなり未来のお話)
なお、カクヨム側では第二部も更新されていますので、第二部を読むついでに、カクヨムコンが始まったときについでに。お星様を入れに来て頂けると嬉しい限りです(≧∀≦)




