ふと思い出すのは、赤くなった君の横顔 ( ※完結しました! )
完結しました!
あの夕日を見ていると君の事を思い出す。
君の匂いを、君の姿を、君の愛を。
智夢子、僕の永遠の恋人。
今朝はあまり元気じゃなかったね。
背筋をピッと伸ばした君の姿が、僕の元気の証。
智夢子、智夢子、ああ智夢子。
若い頃の僕は一人きりになると君と朝まで語り合ったのさ
覚えているかい?
あのシコシコと輝く日々を僕は忘れやしない。
君はいつも怒ってばかりで、ちっとも僕の言う事を聞きやしない。
どんな時もワガママばかりですぐに行ってしまう。
くしゃみをしてばかりのキミの為に僕は白いティッシュペーパーを用意するけど、君は「そんなものいらない」って言ってから先に行ってしまう。
おかげで僕は後始末ばっかりで嫌になっちゃうのさ。
お湯で拭くと黄ばんだ後が残るから、水で拭くといいよ。どんな時でも僕は智夢子に首ったけ。
智夢子、智夢子、僕の愛しい人よ。
一度でいいから君の本音を聞かせて欲しい。
君は本当に僕と一緒で幸せだったかい?
僕は君の最高のパートナーだったのかい?
むくむくむく…、しおしおー。
「第二話 復活の智夢子」
新しい朝が来た。
けど昨日とはどこかが違う朝だ。
朝には色々な顔があるけれど今日の朝は最高の朝だった。
おはよう、しのぶ。
おはよう智夢子。今日は上機嫌だね。
昨日まではしょぼくれていた智夢子だったが、今日の智夢子はいつもより上向きでビクンビクンしながら元気爆発だった。
僕は緊張して顔を赤くしている智夢子を指でタッチする。
智夢子、君はいつだって僕を夢中にさせてくれる。
しのぶ、私だっていつも貴男の事しか考えていないわ。
見つめ合う、僕と智夢子。
何だか僕が僕じゃないみたいな気持ちになってきた。
ねえ。私の頭に芥子を塗って、しのぶ。
たくさんマスタードを塗ってくれたら私きっと立派なフランクフルトになれる!
フランクフルト、それはいいや。
僕はスーパーに行ってたくさんのマスタードを買ってきた。
そして智夢子の望みどおりに、真っ黄っきにしてやった。
すごい。
これは…革命だ‼
俺の智夢子が痺れて震える…。
智夢子が痛いと轟き叫ぶ…。
行くぞ、必殺‼
バタリ。
僕たちの恋は止まらない…。
「 第三話 KAYUI 」
群れるくらいなら孤独を選ぶ、それが一人前の男たる者の定め。
俺はそうやって生きて来た。ずっとずっとずっと。
恋人も、友人も絶対に作らない。今さら何を信じろというのか?
愛の暖かさを?友情の心強さを?信じろっていうのか?
腐った世の中に正しい心が育つのかよ?全部全部嘘だって決まっているさ。
嘘からは真実は決して生まれない。曲がった智夢子からは曲がった聖水しか出て来ない。
そんなんで俺に取り入ろうってのか?しみったれた小役人どもめ。俺も俺の智夢子もお前らの思い通りになるもんか!
運命の奴隷なんてもうこりごりさ。俺は智夢子と一緒に自由に生きるんだ、自由こそ正解。
たった一つの真実の道。俺が今立っている場所が俺のトイレだ。
ここだけは誰にも否定させない。いつだってどこでもマイ・トイレ。
俺は智夢子をさらけ出し虹色のアーチを描くだけ。他の何を譲ってもこれだけは誰にも譲らない。ここは俺のトイレ(小)だ。否定できるなら否定してみろ。
今俺と智夢子は目映いばかりの未来を感じている。やっぱりトイレで用を足せば良かった。
智夢子。智夢子。ああ智夢子。お前は何て罪作りなんだ。ここはトイレじゃない。
スーパーのお肉売り場だ。だけど俺とお前のデュエットが始まってプールになっちまった。
これから俺はどうすればいいんだ。こんな場所で買い物なんかしたくない。
現実が俺に追いつく頃、俺は何食わぬ顔でスーパーを出る。
もうこんなションベン臭い場所になんかいられない。
きっとあるはず俺だけのTOILET…。
「 第四話 GOOD BYE 智夢子 HELLO 満千代 」
僕たち結婚しました。
突然ふじわらしのぶの前から消えた婚約者、智夢子。
しのぶは以来誰も信用することができないまま無為の日々をすごしていた。
今日も一人、暖炉の前でオンザロックのグラスを傾ける。
季節はいつの間にか秋になろうとしていた…。
「智夢子、一体どこに行ってしまったんだ…」
しのぶはグラスに口をつけながら昼に届いた絵ハガキに目を通す。
ひまわり畑の前に立つ笑顔が素敵な妙齢の女性。
かつてしのぶと将来を誓い合った智夢子だった。
しかし、今智夢子の隣にいるのはしのぶではない。
小麦色の肌をした逞しい体つきの男性、寒川斎という人物だった。
そしてメッセージには”私たち剃毛しました”が書かれていた。
(いちいち送って来なくていいよ)
しのぶはハガキにセロテープで貼ってあった智夢子と寒川斎の陰毛を暖炉に放り込んだ。
パチパチパチと音を立て、一瞬で燃え尽きる智夢子と寒川某の陰毛。
今、彼らは遠い南国で幸福に暮らしていたのだがしのぶのせいで謎の発火現象に見舞われ死に瀕していた。
「ああああああああー‼」
「燃えてる!燃えてる!」
智夢子と寒川は住んでいた家ごと燃えてしまった。
しのぶはオンザロックを飲んだ後、消灯して眠ってしまう。
「明日は良い事あるかな?」
それは誰にも分らない。




