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ANZA-アンザ- 次元放浪者  作者: 有裏 杉
< 第一章 超大陸グラード編 > 
8/20

狂人

そこは、真っ暗だった。


暗くて、湿気があり、空気がどんよりとした、気持ち悪い感じ。


少しずつであるが、意識が戻ってきた。


「うう・・・、ここは・・・?」


気づいたら、私は牢獄の中にいた。


「どこ、ここ・・・?・・・私は確か、ルパートさんと・・・。」


(そうだ。確か、待ち合わせしていて、ルパートさんは来たんだけど・・・。)


「・・・何でだろう?その後の記憶がない・・・。あ!、じゃあ、ルパートさんは?」


牢獄の中には自分以外は誰もいない。

隣にも正面にも、牢獄はあるが、そこにも誰もいない。


「とにかく、脱出しないと!」


魔法を使おうとした。だが、


「使えない・・・。」


「ようやくお目覚めですか、お嬢さん。」


誰かが来た。男の声だ。


「あなた・・・、誰?」


警戒する。

男は、黒いスーツ姿で、眼鏡をしていた。右目に傷がある。


「初めまして、ミス・アリア。私は、あなたを殺しに来たものです。」


(は!?・・・いきなり、何、この人!?)


「あー、そう驚かなくてもよろしい。後少ししたら、あなたは、この世にはいないのだから。」


「は、話しにならないです!!何で、知りもしない()()に殺される事になるんですか!?」


「いや、いや。話し初めて、私を狂人呼ばわりとは・・・。こう見えても、私、()()()()()()()なのですがね。」


狂人ジェントルマンは、頭を下げて、やれやれとガッカリする。


すると、狂人は魔法で、木の細長い針を作った。

そして、いきなり針を檻の隙間から飛ばしてきた。


「ぐ・・・!!」


早かった。

急いで避けたが、腕がかすってしまった。

傷から、血が流れる。


「あー、申し訳ない。つい、つい癖でね。不愉快になると攻撃したくなるんですよ。」


「あなた・・・、暗殺者ですね?手際がよすぎる。いったい、誰の差し金で・・・」


「はい!せいかーい!・・・ただ、誰にも雇われてなどいませんよ。」


「なら、いったい何が目的で・・・」


「だから、言ったでしょ。あ、な、た、を、」


「殺す!」


私は思わず、ひるんでしまった。

殺気が、桁違いであった。


「怖がらせてしまいましたね。なに、大丈夫です。優しく、楽しく、素晴らしく殺してあげます。」


「狂ってる・・・!」


思わず声に出る。


「あ・・・?」


その瞬間、無数に木の針が飛んできた。


すぐに反応して、避けたが1つが肩に刺さった。


「ぐああ・・・!!」


辛うじて、傷口は浅かったので、すぐに抜くことができたが、痛い。


「貴様・・・!」


怒りに駆られた。

傷を受けたのは、久しぶりであった。


「まぁ、後少ししたら、また来ます。その時があなたの最後です。いずれ、()()()()()も来るでしょうし。」


狂人は立ち去ろうとする。


「ちょっと、待って!!ルパートさんはどこ?あたしと一緒にいた男の人は??」


次元放浪者という言葉を聞き、我にかえり、急いで聞く。


「あー、それ私です。」


「え?」


振り向いた狂人は、ルパートさんの顔になっていた。


「へ、変身魔法・・・。」


驚いた。

まさか、そんな()()()()を使える人間がいたなんて。


「あなた、まんまと騙されてしまいましたね。まぁ、途中で幻覚魔法もかけさせてもらいましたけど。アハハ!」


狂人が不敵に笑い去っていく。


「く・・・。魔法も使えない、身動きができない、いずれ殺される。どうすれば・・・」


何もする事ができないこの状況でとにかく、必死に考えた。






・・・何時間、経っただろうか?

眠ってしまっていたようだ。

誰かが近づいてくる音が聞こえる。


「やっと、見つけた!!」


(!!)


「え? え!? ルパートさん!?」


檻の外に、ルパートが立っていた。


「助けに来た!」

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