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ANZA-アンザ- 次元放浪者  作者: 有裏 杉
第一章 超大陸グラード編

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門出

 一面の快晴。

 雲一つない素晴らしい朝。

 青空が永遠と広がる上空は、例え長い旅路になろうとも今後残り続ける情景であろう。

 真下には広大な大地が広がり、その広大な大地の一部分には超大陸グラードを統治するフレイヤ王国がある。

 王国の最南端には、大地と隔たりを別つ巨大な門扉がある。

 冒険者、旅人、商人など多くの者が門扉を交差しながら出入りを頻繫に繰り返している。

 早朝とは言えど人の行き来はチラホラと見える。

 門番の検閲を済まし元気な挨拶が聞こえてくる。

 その交流の邪魔にならないように門扉の手前でルパート達は集まっていた。


「皆、準備はいいな。」


 ルパートは、クロノス・クロスのメンバーが揃っている事を確認する。

 俺を除いて少数二人とは言え、点呼をする事はチームであるからには大事である。


「もちろん、準備万端です!」

「僕も平気だけど、ちょっと朝からは早すぎない?ふぁああ。」


 素晴らしいくらい目が覚め切っているアリアとは対称に、ティームは子供・・の様に眠そうにいる。

 三人は門扉の前に広がる大地へと歩いていく。


「変にゆっくりしていると、時間が勿体ないだろ?旅の身支度も出来ているなら早々に出発するのが一番だと俺は思う。」

「時間なんて、ゆっくり掛けてなんぼだと思うけどね。」

「仕事ではあるんだ、私情を入れすぎるのは良くないと思うぞ。」

「ぐむむ、それは、確かに・・。」


 ルパートに指摘されてティームの頭も覚めてきた様だ。

 そうして喋り歩いている間に、門扉は王国の外である事を告げる。

 広大な大地が一直線に続いている。

 草木が伸び伸びと立ち、小動物が動いている自然の世界。

 自分のいた世界で当たり前の様に見るビルの大群など一切ない。

 この広大な世界に旅立てる喜びを身体からひしひしと感じる。

 考古学者であり冒険者となったルパートは、この光景を一生忘れる事などないであろう。


「・・ルパートさん、とても良い笑顔ですね。」

「えっ!」


 自分でも分からないくらいに笑顔をこぼしていた事にルパートは驚く。

 そんな笑顔を見たアリアも満点の笑みで返してくる。


「冒険が楽しみでしょうがないですね!」

「そ、そうですね!た、楽しみでしょうがないなあ!ハハハ!」


 恥ずかしさを顔に出さない様に必死になる。

 その笑みはズルい。


「気に食わん、ここでイチャイチャしないでもらいたい。」


 ティームが少し不機嫌になっている。


「あ、すまんすまん!」「ご、ごめんなさい!」


 必死に弁解をする二人組。

 やれやれと呆れ気味のティームである。


「話は外出てからでもできるんだ。とりあえず、早く出発しようぜ。ルパート。」

「そうですね、行きましょう!ルパートさん!」


 二人の言葉を聞き王国からの旅立ちを決意する。

 まだ見ぬ世界へ期待を込めて。


「じゃあ、出発しようか!クロノス・クロス、初出だ!」


 門出の言葉を口にする。

 クロノス・クロス一行は、三人横になってフレイア王国の外へと第一歩を踏み出した。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ・・・そうして歩いて数分経った頃であった。

 ティームが口を開いた。


「で、どこに向かうんだ?」

「どこって・・どこだろう?」

「何も考えてなかったんかい!」


 今言われて気づいたが明確に向かう目的地を決めていなかった。

「決めていなかった」と言うよりは、「決めもしなかった」が正しかった。


「歩いていたら町とか村があるだろうと思って。」

「僕らは箱の中身を探しに旅に出たんだろ?目的地を決めて探さないとダメだろ!」

「ぐう・・正論です。」


 ティームに説教をされるルパート。

 旅の開始早々に怒られるとは。

 そもそも、グラードの地理とか全く知らない。


「異世界転移しているのですから、ルパートさんが分からないのは無理もないですよ。」

「うう、アリアさんの優しさが沁みます。」


 アリアに励まされるルパートは涙を浮かべる。


「アリアさんは、ルパートに優しくしすぎです!しっかり、僕が言わないとダメで・・痛っ!!」


 突然の事であった。

 突如、空中からティームの頭に何かが落ちてきたのだ。


「な、なんだ!?」


 落ちてきた物体に目を見張るルパートとアリア。

 痛みに悶えているティームの傍には、渦まき模様をした楕円形の物体があった。


「これは・・龍の卵・・でしょうか?」

「アリアさん、分かるんですか?」

「ええ・・でも、こんな異様な模様をした卵は見たことないです・・。」

「ということは希少性が高い、ということか!」


 ルパートとアリアがまじまじと観察している。

 すると、痛みが冷えたのかティームが起き上がる。


「この卵め!僕の頭にコブをつけるとは良い度胸だ!」

「おいおい・・落ち着けって。」


 少々怒り気味に卵を両手で拾い上げる。

 さっきから感情豊かだな、と思うルパートであった。


「早速カチ割って食ってやる!」

「ん!?ちょ、ちょっと待て!!」


 卵を拳で割ろうとするティームを抑えようとルパートが走り出す。

 その瞬間であった。

 ”ぱきっ!”

 卵に亀裂が入る。


「待てと言っただろ!」

「まだ割ってないし!」


 ”ぱきぱきっ!!”


「ん?」


 二人の声が重なる。

 卵の全面に亀裂が広がる。

 これは、もしかして。


「ピエエ!!」


 卵の中から鎧を被った様な頭の小さなドラゴンが生まれた。


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