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ANZA-アンザ- 次元放浪者  作者: 有裏 杉
< 第一章 超大陸グラード編 > 

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14/24

待機所

「こちらから入会試験の参加を受け付けております!!参加申込者は、お集まり下さい!!」


協会入会試験の数時間前。

コロシアムの裏側には、正に強者とも見える人々が列を成して並んでいる。


「真っ正面から見ると、やっぱり大きいな。」


コロシアムを見上げる。

外観は、イタリア、ローマにあるコロシアムと似ている。

デザインは、多少違うが。


「おっと、並ばないと。」


列の最後尾に並ぶ。

剣士、魔法使い、獣人、等々。

短剣を装備して、動きやすい服装をした軽装備な人間は、俺だけだった。

周りからは、ジロジロと見られている。

列に並ぶ人間にも。

正に、場違いとはこの事だろう。


「次の方、どうぞ。」


気づけば、俺の番だ。

係員に、参加証を渡す。

アリアさんから渡されたレリーフ。

これが、参加証となっているそうだ。


「会員推薦付き参加証ですね。お名前を、伺ってもよろしいですか?」

「ルパート・ジングウです。」

「・・・確認しました。扉の奥へ、お進みください。」


大きな鉄扉の奥へ、俺は歩いて行く。

真っ直ぐ進んでいくと、ロウソクの炎で照らされた広い空間に出た。

待機所だろうか。

更に奥にある扉の前には、係員が多く集まっている。

壁には、兜や剣、楔など、如何にも戦闘に使用される様な道具がつるされていた。


(物騒な待機所だな。)


既にいた参加者からは、ピリピリとした雰囲気を感じ取れる者がいる。

ベンチや椅子も多くあり、そこに座って休む参加者もチラホラ見える。

硬い地べたで座禅を組む老人。

つるされているサンドバック?の様な物を打ち込んでいる屈強な男。

ブツブツと独り言を囁く、杖を持った女性。


「皆、集中しているな。俺も、どこかで待機する・・・前に。」


周りをジックリ観察しながら、ウロウロと歩いていく。

俺の探求心が疼くのだ。

実際に歴史があるコロシアムの中を、探検するのだ!と。

考古学者の血が騒ぐのなんの。


「おい!そこのヒョロヒョロ!!」


後ろから叫ばれた。

後ろを振り向くと、髪を結んだ筋骨隆々の男が立っていた。

明らかに、俺を見ている。


「協会で見た覚えがあるぞ!お前、異世界人と呼ばれていたな!!」

「なんだよ、異世界人だと悪いのかよ。」

「異世界人は、この王国には要らない人間だ!さっさと失せろ!!」

「お前こそ、さっさと失せろ。大声で五月蠅い。」


躊躇いもなく俺は言い返す。

差別には敏感だぞ。


「は!お前みたいな異世界人を招き入れたアリアは、いかれている!」


ピキピキ。

俺の頭に、血が上り始める。


「グレン会長もだ!どこの馬の骨かも分からない異世界人を受け入れるなんて!」

「てめえ、いいように言わせておけば・・・!」


怒りに任せて動くまで、三秒前。


「お~い?喧嘩?やめたほうがいいよ。」


優しい声が響き渡る。


「ラパン、君が五月蠅い男なのは前から知っているが周りには迷惑がかかっている。」

「ミズキか・・・。」


俺とラパンと呼ばれる男の間に割り込む様に、青年が現れた。

俺と同じくらいの身長。

金髪で爽やかな顔立ちをした青年だ。

柔らかく活力がある喋り方、汚れる事を知らない様な真っ白な服装をしている。


・・・暴れるなら、外でやれ!!・・・

・・・誰か係員、呼んで!・・・

・・・あの金髪の子、タイプかも。・・・


人だかりが、出来始める。


「お前も分かっているはずだ。」

「何を?」

「その男は、異世界人だ。」

「知っている。」


(あ、ご存知でしたか・・・。)


「なら、分かっているはずだ。俺の先祖は、異世界人に殺されている事も。」


(!)


ほんの少し、彼の気持ちが分かってしまった。

以前聞いた、昔話。

異世界人によって、多くの人々が被害を受けた事。

その子孫が、彼なのだろう。


「耳に胼胝(タコ)ができる位、聞いているよ。君が、君の家族が、異世界人に憎しみを持っている事も。」

「知っているなら、どけ!今、ここで、その男を動けない身体にしてやる!!」

「彼に罪はない。もし、これ以上暴れるというなら僕が相手をしようか?ラパン。」

「な・・・!異世界人に肩を持つか!ミズキ!!」

「当然。不平等に八つ当たりする行動は嫌いだ。」


ラパンとミズキが、睨み合う。


「何をしている!!」


係員が来た。


「ちっ。ミズキ、お前とやり合う気はない。」


ズカズカと足音をたてながら、こちらから離れていく。

最後に、俺を睨んで舌打ちしたの解せない。


「大丈夫ですか~?」


(急に、雰囲気が柔らかくなった。)


「・・・あ!助けてもらって、ありがとうございます。」

「同期のラパンが迷惑かけたね。」

「いえいえ。同期ですか?」

「そう。会員見習い。フレア協会直属養成所の同期なんだ。」

「そんなのあるんだ。」


どうせだったら、そこに入れさせて欲しかった。


「うん!協会でも噂になっている、ルパート君だね?」

「え!噂になっている!?」

「なってるよ~。誘拐されたアリア様を救い出した、色男な次元放浪者、ってね。」

「誰だ、そんな事を言い流したやつ。」

「えっと、ビトおじちゃんだったかな。若者の未来は明るい!うむ!って言ってたし。」

「師匠、何を・・・って、ビトおじちゃん?」


何か言い方が引っかかる。


「あ!僕、ミズキ!協会五強のビトは、僕のおじいちゃんなんだ!」

「え、ええええ!!師匠の、お孫さん!!」


待機所に、俺の驚きに満ちあふれた大声が広がる。

ラパンとミズキは、ルパートと同じ22歳です。

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