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15話『迷宮(ダンジョン)とは』

少し更新が遅れました。

申し訳ありません。

迷宮(ダンジョン)』とは何か?


迷宮には2種類ある。

自然発生迷宮と人工迷宮だ。


自然発生とは、どう言うものか?

この世界には魔素が巡っている。

地球で言う地脈や龍脈、レイライン等と呼ばれているものだ。

この世界では星脈と呼ばれる。

星脈は合流と分岐を繰り返し、この星の到るところに張り巡らされている。

星脈が複数通ったり、地表近くを巡っていればその土地は実り豊かな地となる。


では合流点ではどうか?

合流点を瘤と言う。

瘤の深度が深ければ地表への影響は大地への実りとなる。

地表近くにあれば、そこに実りは無く、高濃度の魔素に犯され生物は魔物となる。

各地にある都市は、最適な魔素量の場所にある。

魔素を利用する術は失われたとしても、実り多きゆえに。


さて、高濃度な魔素に溢れる瘤では、ある物が形成される。

それは、魔核と呼ばれる。

魔素が固まり鉱石化したものだ。

魔物の体内にある魔石と同じ物ではあるが、内包される魔素量に天地の差がある。

魔核が在るだけであれば問題は無い。

地下に形成された魔核は、周囲の鉱物資源を魔素で満たす。

銀鉱脈が魔素に満たされれば『魔銀(ミスリル)』鉱脈となる。

*『ミスリル』を『魔銀』と訳すのは森人族(エルフ)以外である。ミスリルとは森人(エルフ)語であり、彼らの文化では、『ミスリル』は『灰銀』と言う意味だ。


地上に形成された魔核が問題である。

魔核の内包する魔素量にもよるが、魔物が吸収した場合、その魔物は変異もしくは位階上昇する。

ある魔物を除き、この反応が起こる。


唯一の例外たる『ある魔物』が取り憑くと迷宮が産まれる。


その魔物の名は『ミミック』と言う。

頭から胸まではオケラに酷似し、腹にあたる場所はヤドカリの様な形状をしている。体長は10cm。

この『ミミック』は、腹の先端に尾針と呼ばれる物を持ち、この針を対象物に突き刺し、内部へ潜り込み同化する。

生物、非生物問わずだ。

世間一般的に『ミミック』と呼ばれる魔物は、宝箱に同化したものと認知されている。


お解りだろう、その『ミミック』が魔核に取り憑いたものが『迷宮核(ダンジョンコア)』である。


迷宮核は自身を守るため地下に潜り迷宮を形成する。自身に到達出来ぬよう様々な罠を仕掛け、魔物を産み出す。

そこに有るのは生存欲求だ。


星脈が変わらず在り続けるなら、その魔素を吸収し続け、迷宮は深度を増し、魔物は強く攻略が難しくなる。


迷宮が順調に深度を増し、星脈の瘤に辿り着く。

瘤の規模にもよるが膨大な魔素を使い自身を守護する

では、星脈が位置を変え周囲に魔素が不足すればどうなるか?


答えは周囲の生物を取り込み、迷宮内で殺害し魔素に分解して吸収する。

餌を用意し、迷宮内に足を運ぶ者を増やす。

迷宮内に宝箱があるのはこのためだ。

餌が豊富ならば迷宮は成長を続け、不足すれば何れは枯れる。


これが、自然発生迷宮だ。


次に人工迷宮だが、約3000年前に栄華を極めていた魔導帝国時代の遺産である。


魔核に何らかの魔導技術で干渉し意のままに操る。

この技術は現在では再現できない。


操作はパソコンと同じような感じではあるが、機能拡張しようとすると、専用言語でプログラムを組まなければならない。

地球でプログラマーであった者なら理解出来るかも知れないが、私は其方方面のスキルは持ち合わせていない。未来の研究者に期待したい。


人工迷宮で解っていることは、次の通りだ。

1)魔物の召還

2)罠の配置設定

3)アイテム作製と宝箱の設置

4)階層の環境設定

他にも有ると思うが、現状判明しているのはこれぐらいだ。


古文書等の解読結果より、人工迷宮は2箇所あることは分かっている。

大まかな場所しか判明していないが、ゴンムルグ山脈と古代樹海にある。


この書を読んでいる君へ、人工迷宮を発見し、謎を解き明かして欲しい。


クロウ・フォン・タムラ著


**************


「著者は転移者か転生者だったんだね。」


この書物は、学術都市ルータムが所属するソーンディル王国建国に関与した偉人であり、本来なら王城の書庫に所蔵される品であるが、日本語で書かれているため誰も読むことが出来ず、学園設立時に寄贈された物らしい。


ソーンディル王国は、建国されて約500年が経つ。

なので人工迷宮は約3500年前の技術だ。


「自然発生迷宮については、面白かったけど一番の収穫はミスリルの製法が書いてあったことだね。早速ミスリルを作ってみるか!」


魔力回復薬を飲みつつ、膨大な魔力を銀のインゴットに込め続ける。


「これは・・・魔力量を増やすッ、訓練にも丁度良い・・・ね。」


忘れて久しい魔力欠乏による不快感を感じながら、意識を手放した。






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