1話『知らない天井だ』
不定期連載?になると思いますのでご容赦を。
リアル大事に!
初執筆作品の為、生暖かく見て頂けたら幸いです。
「知らない天井だ」・・・・・・
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スマン、ただ言ってみたかっただけなんだ。
ここは、『学術都市ルータム』の宿屋。目が覚めると、この部屋のベッドに寝かされてたんだから、あながちさっきの言葉は間違ってはいない。
知らない天井なんて旅行にでも行かない限り遭遇しない事なんだが、私の今の状況は所謂『異世界転生』と言う事になる。
ある意味壮大なスケールの旅行とも言える。
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真っ暗な視界に白い光点が幾筋も流れる幻想的な風景。
日本では見ること出来ない景色だなぁと暫しぼぉ~っとしていると、唐突に声をかけられた。
かけられたと言うか、直接頭の中に響いた。
『聞こえていますか?橘真一』柔和であるが威厳を感じさせる女性の声が聞こえる。
『貴方をこれからも私達の世界、アルスゲニアに招待致します。』この台詞が出てくると言うシチュエーションは・・・
「私は死んで異世界へ転生すると言う事ですか?」
『聡いですね、その通りです。』
「定番のストーリーですからね。それで、記憶を持ったまま赤子からですか?」
『貴方の世界の想像力には驚かされますね。記憶を保持したままと言うのは合っていますが、赤子ではありません。未成熟な赤子の脳に貴方の記憶を移しても赤子の脳が耐えきれず壊れてしまいます。何より記憶も自我もある状態で赤子は辛いでしょう?』
衝撃の事実だな、今までの転生物ラノベには無い納得の説明ではあるが・・・
『ですので、貴方には此方で用意した体に宿って頂きます。所謂ホムンクルスと言うやつですよ。私達神が貴方達に用意した特別な体ではありますが、身体能力や組成は現地人と同じです。子供をつくる事も可能ですよ。』
貴方達?と言うことは他にもいる?
『ええ、他の方達は既に旅立っています。続きを説明しますよ。用意された体は生前の貴方の性別がベースとなります。年齢は10歳、これは貴方の転生地となる国の都合です。未成年の体への転生となりますので脳に多少のプロテクトは掛けさせてもらいます。容姿についてはどうしますか?』
「普通より多少上ぐらい100点満点で50を平均値として、70点ぐらいでいいです。美男子過ぎると苦労しそうですし。」
『謙虚ですね。(好感が持てるので少しサービスしときますね)転生先の世界におけるシステムですが・・・』
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と、こんな感じで無事に転生出来たようで、現時刻は朝の6時過ぎ、『朝1の鐘』が鳴ってすぐこの世界での時計は貴重品で庶民には広まっていない。
この辺りも定番で朝6時から2時間毎に1回鐘がなるが、地球で言う12時と18時だけ2回鳴らされる。
今の状況は女神曰く、『職業聖別の儀』を受ける為に、昨日この都市に到着、宿に泊まり翌朝の朝食後部屋に戻った状態らしい。非常に設定が細やかだ。誰にも邪魔されずに自身のスペックを確認する時間を用意してくれたようだ。
残念ながら安宿のようなので鏡は無いから容姿は確認出来ない。
まずは自身のスペック確認からだ『解析』眼前にスクリーンが展開される。ゲームによくあるステータス画面。この仕様は個人によって多少違いがあるようで本人が解りやすい形式に自動的に調整される。因みに『解析』は職業『錬成士』の『錬成術』スキルに含まれる魔術である。
名 前:シン(真一だからか)
年 齢:10歳
職 業:錬成士(D)(非表示)
スキル:P品質限界突破(S).P超速回復(A).P並列処理(B).P胆力(C).A錬成術(D)
職業が非表示なのは『職業聖別の儀』を受けてないからとして、聴いてた通りレベルは無いんだな。Pはパッシブ、Aはアクティブ( )内はスキルの等級だな
この世界では、人類の身体能力は、種族による特徴による差異は多少あるが、成長しても大きく変わらない。身体レベルが無いからだ。
だが何故かスキルにはレベルが存在するようで、スキルレベルが高くなったり他のスキルと関連したりで職業も派生して行くようで奥が深い。目の前にいる女神でさえ全ての職業を知ることは出来ないと言う。
この可能性と言う名の『ゆらぎ』がなければ進化や発展が望めないらしい。
話を戻そう、身体能力に大きな差が無いのなら何で優劣を付けるのか?答えは職業による乗算補正。なのでより強い職業や役立つ職業が優遇される。
職業名の後ろに付く等級が重要視されるのはこの為、後は装備品による補正だな。
カ〇コンのモンス〇ーハ〇ターみたいにアバター性能は変化せず、職業や装備品の補正で強化される。一部スキルの中にも補正に影響を及ぼすものもあるが・・・
「自分で選んだとは言え『錬成士』D等級って虐めの標的だよなぁ~」自分で時間をかけて悩んで選んだ構成が底辺と言うのは泣けてくる。
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回想『女神の部屋』にて
『スキルについてはS~D等級の中から5つ選んでくださいね。S~Bについては1つまでC、Dについては上限数まで取得可能です。S~Bを1つCを2つで最強を目指すのも、汎用性の高いC、D等級から5つでも良いです。但し青色で表記されているスキルについては必ず1つ以上選んでくださいね。それが職業選出に関わって来ますので。』
「下位等級の方が汎用性が高いのですか?」
『高位な等級は効果が高い分限定的です。効果を高める為に特化して濃縮している感じですかね』
「なるほど・・・質問ですが、転生先で何か使命みたいなものが有るのでしょうか?」
『なにもありませんよ、強いて言えば寿命を全うして下さいぐらいでしょうか?』
「なるほど、じゃあ強さより汎用性や応用力優先かな?ならベースとなる職業スキルに合わせて考えるか・・・」
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「まぁ、割りきって『職業聖別の儀』に向かうか。」
『職業聖別の儀』この世界では10歳になると神々よりスキルを授けられ、その組合せにより職業が決定される。
強力なスキルを持っていても組合せによっては職業が『国民』となる事がある。『国民』は一次産業なら自由に選択ができるメリットがあり一次産業は国の根幹でもある為、待遇は保証されている。
望んだ職業が得られなかっても、その職種の仕事が出来ない訳ではない。
職種が料理人で無くても料理は誰でも出来る、只スキルが関与しない為、旨さに劇的な差が出る。専門職が優遇されるのはこの為だ。
専門職(国民以外)が授けられた場合は、『職能訓練学校』通称『学園』に5年間入学する。
この学園には戦闘職、生産職、商業職の者、全てが全寮制で生活する。自らのスキルを磨きつつ、有用な繋がりを獲得しろって事らしい。
この入学は国民の義務の為、国策となっているので基本項目の全ては無料だ。提携の宿1泊分の料金さえも。至れり尽くせりの環境の為、国中から生徒が集まる。大多数は地域にある都市で既に職業を授かっており、専門職の者のみが集まっている。
で、あるからして学術都市で『職業聖別の儀』を受ける者は少数だ。
厳かで幻想的な雰囲気の協会の一室で司祭に進行に従い水晶に手を乗せる。水晶が光を発し眼前の空間にスクリーンを投影する。
表示されている職業は1つ『錬成士』のみ、複数の適合職がある場合は、この時点で選択し宣誓することで決定されるとの事。1つしか無いので選択の余地は無い。
「職業神授は相成った。」司祭の宣誓と共に氏名と職業の記載されたステータスプレートが手渡される。哀れみの目と励ましの言葉を受けながら。