人生終了からの異世界スタート
俺の名前は式谷ソータ。今日からそこら辺にうじゃうじゃいる普通の高校生の仲間入りだ。今日から楽しい学校生活を始めるぞ!と、意気込んでいたのに。登校中、自転車にはねられ、ヨロヨロと歩いた先にあった階段で頭を強打して死んでしまった。なんとも無様な死に方だろうと、心底自分にあきれる。
目が覚めるとそこは言葉にしがたい空間で、俺は空中に浮かんでいた。そして目の前で女性らしき人物が浮かんでいた。
「お主が転生者かの?」
「は?転生者?」
聞きなれない単語に俺は少し戸惑いを見せ、つい聞き返してしまった。
「まぁ戸惑うのも無理はないじゃろう。」
どういうことだ?転生者?もう訳がわからない。
「と、とりあえず、ここはどこなのかとお前の名前を教えてくれ。」
俺は気になっていたことを聞いてみた。すると彼女は胸を張り、
「私の名は、天照大御神である!!」
「へぇー」
まぁ、大体神様なんだから一番偉いやつが出てくるのが常識だろうし、予想はしていた。すると天照大御神は、
「え?驚かないの?」
と、目を点にして尋ねてきた。なので俺は、
「え?驚かないといけないの?」
とちょっとだけ煽ってみた。
すると天照大御神は
「……」
「……」
だんまりを決め込みやがった。そこで俺は空気を読んで一緒に黙ってあげることにした。
沈黙が続き5分後。天照大御神 は大きい溜め息をして、
「もういい。お前なんて…お前なんて……」
とか言いながら、俺の周りに魔方陣らしきものを展開し始めた。
え、ちょっとなんか怖いんですけど。
そしてすぅーっと深呼吸をしたあと、
「せいぜい異世界で野垂れ死んでしまえ!!ばーか!」
と捨て台詞を吐き、性悪女は俺を異世界に転生させた。