【1回表裏】
プレイボール♪
読んでってや♪
私はジャーナリストの端くれ。
『好きこそ物の上手なれ』という諺を根拠に、大好きという自分の思いを信頼して、スポーツ歴ほぼゼロのアラサー女は、スポーツジャーナリストのトの字に両手両足を巻きつけ、抱きつき、落下しないように必死にしがみついている。
それが今の私。
そんなスポーツジャーナリストとしてギリギリの私は、野球ファンなら誰もが一度は考えたことがあるだろう二刀流について…二刀流に挑戦している彼について…頭を巡らせていた。正確には今現在も巡らせている。
『まぐれでしょうね~』
『以前よりアメリカのピッチャーのレベルが下がってきてるからでしょう』
『10勝&10本塁打程度じゃあ大したことないよ』
『投手か野手。どちらかに専念すれば、アメリカでも超一流になれる潜在能力を秘めているのに…中途半端だよ…勿体ない』
『投げて打って走って…どれをとっても彼には非凡さを感じる』
『アスリートとして有能。逆に何ができないのか調査したいくらい』
『彼はベーブ・ルースの生まれ変わりだ』
『アンビリーバブル。彼は他の惑星から来た異星人じゃないかしら?』
二刀流に挑戦している彼に対して、球界OBの評論家やコアな野球ファン等から様々な声が挙がっている。これらはバラエティーに富んでいて実に個性的。
選手個々の成績が、数字としてはっきり表れる野球というスポーツ。
そんな競技において、様々な角度から、このように多様な意見が出るのは異例なことである。
私は考えていた。
彼らが語った言葉の裏側にある真意は何なのか?
実際に同じフィールドに立ち、彼の能力を間近で体感した者の心の声…『プロ野球選手になれる人間はほんの一握り。エリート中のエリート。その選ばれし者の全てが、投手か野手のどちらかに絞り、一刀流で一流になる為に懸命に努力している。彼も人一倍、いやそれ以上努力しているのだろうが、こういとも簡単に二刀流選手として投打でプレーし、まだシーズンが開幕したばかりとはいえ、好成績を残されてしまうと正直言って困る。プロ野球選手の端くれとして…立つ瀬がない。やってられない。頑張って欲しいのは山々だけど…』か?…
またはプロ野球関係者の嘆き…『数多のプロ野球選手によって築き上げられた我々の歴史が…栄光が…汚されているようで不快だ』か?…
あるいは好意的な野球ファンの声…『彼のようなニュースターの出現を私たちは待ちわびていた』か?…
彼らの独白は私の推測に過ぎないが・・・
実際に語られた彼らの言葉は、心の底から溢れ出た本心なのか?
ただのジェラシーか?
それともリップサービスか?
好意的あるいは否定的、もしくは懐疑的…考えは様々あるが、私はしっくりくる100%同意できる意見にまだ出会えていなかった。
なぜだろう?
そんなモヤモヤとした感情を抱えた私は、買い物の為にスーパーマーケットを訪れていた。
スポーツに興味薄な方々もガンバって読んでいただければなと♪