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君への愛を謳ってみたけど

作者: 土屋 海月

 君を愛していたよ。

 いや、愛しているよ。

 僕の気持ちは、君には届いていなかったみたいだね。

 いつからだろう、届かなくなってしまったのは。

 いつからだろう、伝わっていないことに気づけなくなってしまったのは。

 いくつの「好き」を謳っただろうか。

 そのうちの、いくつが君に届いていたのだろうか。

 あぁ、君への愛を謳ってみたけど、僕の気持ちは届かない。伝わらない。

 君への愛を謳ってみたけど、謳えていないね。もう謳うことはできないね。

 今日は、君のために空が曇った。


 君が告げた別れの言葉は、僕の頬を濡らしそうだ。

 そんな言葉は、君から聞きたくなかったよ。

 だけど仕方がないね。認めるしかないんだね。

 君に僕への気持ちが無いのなら、僕に謳う権利は無い。

 仕方がないさ。君を止めることは僕にはできない。

 そんな顔はしないでくれよ。

 いつもみたいに笑ってくれよ。

 そんな顔をさせるために、僕がいるわけじゃない。

 君が幸せならそれでいい。

 あぁ、君への愛を謳ってみたけど、僕の気持ちは届かない。伝わらない。

 君への愛を謳ってみたけど、もう謳うことはできないね。


 最後にもう一度だけ、僕に謳わせてくれないか。

 君を愛していたよ。いや、愛しているよ。

 君の幸せを願っているよ。

 さようなら。

 あぁ、君への愛を謳ってみたけど、僕の気持ちは届かなかった。伝わらなかった。

 君への愛を謳ってみたけど、謳えていないね。もう、謳うことはできないね。

 今日は、僕のために雨が降る。

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