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神器遣いと竜姫の闘舞(ダンス)!!  作者: いぬぶくろ
豪結
36/42

 竜人外骨格服(アークスマイトスーツ)を着用しての飛行は初めてだったが、昔、父さんに教えてもらった方法を試してみると、驚くほど安定して飛ぶことが出来た。

 初めは、堰神の剣仙(じんぎ)とリンクさせて飛ぼうかとも思ったけど、昔取った杵柄というか、飛行に関しては全く問題ないようで良かった。


 あとは戦闘だけだが、今現在、俺が顕現できる武器は爪型の粒子刃(フォトンブレード)だけだ。

 他は、巨爪の化け物(ロノ・ペルロ)にセットされていないので、何か問題が起きた場合は、俺も堰神と同じように近接戦で戦わなければいけない。

 俺に合わせて飛んでいるからか、堰神の飛行速度は竜人外骨格服(アークスマイトスーツ)にしては、やや遅い。お陰でついていけているが、荷物になっているようで情けない。


「――はい」


 飛行注意、通信が入った。前を飛ぶ堰神からではなく、外部からの通信だ。

 その通信回線を開くと、俺の携帯経由で届いた電話のようで、呼び出しには『クラエス』という表示があった。


「どうしたの?」


 集中を欠いたため、飛行速度が著しく低下した俺の異変に気付き、堰神が近くまで戻って来た。


「クラエスからの電話だ」

「出なさい」


 今は緊急事態なので後でかけ直せばいいか、と思い、通話の『切断』を押そうとすると、堰神から待ったがかかった。


「でも、今は急ぎだろ?」

「そちらが急ぎではない、という理由はないわ」


 確かに、クラエスが連絡を寄越すとしたらメッセージが主だ。学校が終わったから、というのも考えられるが、長いことコール状態にあるにも関わらず、クラエス側から切ることは無かった。

 何か、問題が起きたのかもしれない。


「もしもし」


 通話状態にすると、クラエスの声は聞こえなかった。代わりに、『ドッ』『ガッ』という、何かを殴る音と一緒に、携帯が地面に落ちる音が聞こえた。


「クラエスッ!? おい、どうしたッ! クラエスッ!!」


 その後、すぐに電話は切られたようで、聞こえてくるのは『ツー、ツー』という無機質な音だけだった。


「何かあったの?」

「クラエスに何かあったらしい」


 問う堰神に、何とか平静を保ち答える。しかし、鼓動は早くなり内心は不安でいっぱいだ。


「連絡はつかないの?」

「さっきからリダイヤルしているけど、つながらない。そもそも、切れる直前に嫌な音がした」


 嫌な音がしたが、ランドリーで斎藤たちを殴り、軽々、放り投げていた。そんなことが出来るクラエスに、対抗できる人間が居るだろうか?

 そこまで考え、(かぶり)を振る。

 できるかどうかではなく、今、クラエスの身に何かが起きているんだ。ならば、今やるべきことは、クラエスの安否を確認すること。


「確か、逆探が……」


 逆探なんて大仰な物ではなく、ただの迷子アプリだ。ただし、これは竜人外骨格服(アークスマイトスーツ)を経由して表示できないので、携帯を取り出しての操作となった。

 携帯に表示されているのは、今から30分前の物。そこで途切れていた。


「どこか分かった?」

「近くのホテルだ。そこで、アプリが切れてる」

「なら、行くわよ」


 俺の携帯を覗き見て、表示されているホテルがどこの建物かすぐに理解した堰神は、俺が言うよりも早く飛び出した。


「おい、待てっ!」


 俺も堰神を急いで追う。操作に慣れたおかげで、堰神が飛ぶ速度にもついて行くことができるが、たぶん、本気の速度はもっと早いんだろう。


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