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BLOOD STAIN CHILD Ⅱ  作者: maria
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八章

 「……つまり、ミリアちゃんは駅前でモデルのスカウトに会ったってことです、よ、ね。」再び自宅に戻り、ミリアの断片的な言葉をユウヤがそうまとめた。

 「しかも、ミリアちゃんのことが噂になってて、社長自ら中学周辺まで行って探してたって、相当じゃないっすか。」

 リョウはソファに上半身をもたげたまま、「怪しい野郎だ。泣いているミリアをごまかして、誑し込んで、そんで、つまり、あれだろ?」ユウヤの耳元にこっそりと囁く。「AV。」

 ミリアは神妙そうに俯いている。

 「あのなあ、世の中には何もわからねえ女子供誑かして金稼ごうっつう、とんでもねえ悪い奴がわんさかいんの。お前そんな野郎に引っかかったらなあ、一家離散の破産の首つりだ。」

 ミリアは顔を蒼褪めさせてリョウを見上げる。

 ユウヤは名刺を持ちながら、手持ちのスマートフォンで検索をかける。「でも、……有名雑誌に出ているモデルも多数在籍しているようですけどね……。ほら、」と言って画面を見せたがリョウは見向きもしない。

 「俺は、反対だ。」リョウはミリアに向き合ってそうはっきりと、断言した。何でこうミリアには次から次へとまっとうでない選択肢ばかりが舞い込むのか。その一つであるギターというのは、他ならぬ自分が与えた道であるけれど。とかく腹立たしくてならない。

 「だいたいお前、人前で笑えんのか、服脱げんのか。」

 ミリアはにっこりと微笑んで、セーラー服を腕まくりして見せる。

 「俺の前でじゃねえよ! しかもそんな所じゃねえ!」

 ミリアは慌てて笑顔と腕を引っ込める。

 「こいつ、絶対騙されてやがる。野郎、巧いこと言いやがったに違いねえ。可愛いだの美人だの、ちやほやちやほや、したんだろう。そういうのはバカ女が出来上がるから、俺は大嫌いなのに! ああ、俺がもう少し早くミリアを探し当ててりゃ、怪しい野郎にしこたま説教してやったのに。」

 「今度、ライブ来るって。」

 「マジか。」リョウがミリアの両肩を掴んだ。

 「うん。来月、聖地。」

 「お前、詳細伝えたのか。」

 「うん。ミリアはギターが大好きだから、来てねって。そんでね、リョウもいるよって。リョウはフロントマンでかっこいいしミリアと結婚……」

 リョウは最後まで聞かずにミリアを抱き上げる。「よくやった! 来てみやがれ、ミリアを誑かしたことを、死ぬほど後悔させてやる!」

 ミリアはリョウに抱き上げられ、歓声を上げた。

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