青年、裏の事情を解決したいと思ったり思わなかったり・・・
あの後、ツヴェルフ一行は宿に帰る前に教会に向かった。バラキエルや椿は興味が無かったそうだがこのようなやり方をする人物を見ておきたかったのだ。
「ねえパパ、ここにいるの?」
「うん?調べたからね、あたっていればここのはずだよ」
「・・・レーダーにも反応があるわ、10人?」
「おや、結構な大所帯だね」
堂々と正面から入る。すると祭壇付近に集まっている人間を目撃した。性別の区別はこの時点ではつかないような服装をしている。
「あなた達ですか?先ほどのやり方は」
「・・・鬼だと・・・?」
「鬼を見るのは珍しいですか?」
相手は明らかに動揺していた。それは会話をしていたもの意外も同じ。
「どういうことだ、鬼は殲滅したはずだろ」
「しかし目の前にいる以上うちもらしがあったのではないかと」
「・・・鬼。貴様はどこに隠れていた」
「え?違う星から観光に来ましたけど」
「冗談を聞いているつもりは無い。どこから来た」
「同じ返答をさせてもらいますね」
「・・・癪に障る。こちらには鬼が嫌いなものを持つ奴がたくさんいる、それでも口を割らないか」
ツヴェルフは考えた。鬼が嫌いなもの、正直に言っても地球にいたころの知識であっても嘘とか豆と菓子か出てこない。しかしツヴェルフは別に苦手でも増してや嫌いでもない。一体何が出てくるのか、そう考えていると。
「この植物だ!」
「・・・えっと確かーヒイラギかな?」
「そうだ、ほかの鬼どもは一目散に逃げて行ったぞ」
まったく怖くもなんとも無い。こらは何かしらのアクションをとるべきか・・・そう考えていたところバラキエルが前に出た。
「散々言われて頭にきました。全員死刑です」
「・・・天使とは、不思議なカップリングだな。だがこちらにも味方の天使がいる」
「天使ですって?」
「・・・誰かと思えば、バラキエルじゃないお久しぶりねぇ~」
「ラファエルですか」
「そうそう、とりあえずそんなプラズマなんかしまってすこしお話しましょ」
バラキエルは現在数個のプラズマの集合体を周囲に浮かせている。ラファエルの言葉とともにそれを消すと
「あぁ~ん!いとしのツヴェルフ様ぁああああ!!」
「だまれええええええええ!」
喧嘩が始まった。なんともくだらない理由で在ろうか、そう考えていると椿が
「ねえラファエルってだれ?」
「バッちゃんと同じ天使のの一人だねえ、癒しの天使なんて呼ばれてるよ」
「ふうん、なんでパパが知ってるの?」
「それは神を倒しに行ったときに報酬的な感じで・・・」
「ママって報酬だったんだ・・・」
「正確には違うんだけど説明しやすいんだよね」
目の前では天使の抗争が行われており、向こう数十人は大パニックを起こしているようだが・・・
「ツヴェルフさん!あたしこんなにできるようになりました!子持ちでもいいですから私に振り向いて!!」
「プラズマァァァァァァ!!!!」
「・・・ん?ということはパパは天使からプロポーズ受けたの?」
「なんだろ、正確にはつれてきたのがバラキエルってことなんだけどそれが天使の皆さんに好評だったらしくてね」
「ということは実質のハーレム状態と、パパも隅に置けないね」
「そんなつもりは無いんだけどなーバッちゃんはただ庇護欲がそそられただけだし」
「ふーん、まぁ詳しい話は後にしましょ。それでこれどうするの?」
今だ目の前でラファエルとバラキエルの争いは続いている。時折バラキエルのプラズマが向こうの集団に当たっているがラファエルが治しながらに動いているらしく、損傷は見受けられない。
「止める?」
「それがいいけどとめられる?」
「簡単簡単」
ツヴェルフは椿の数歩前に出ると両腕をバラキエルとラファエルに向けた。
「「!?」」
時間差なしに二人は冷や汗を流しながらツヴェルフに向い臨戦態勢をとった。
「え?…え?」
「二人とも、飯だ飯。食い行こうぜ、鯖が食べたいな。あ!!ナスもいいな!」
「ちょっとパパ!おいてかないでよ」
「お前らも早く来いよ、何だ鯖は嫌いか?」
「「いやいや!!」」
そのまま天使二人はツヴェルフの後ろについていった。ぼろぼろになった教会を残して。
「・・・・・・・は!!何だ!?・・・うわぁ教会が!!」
解決はしてないね、仕方ないね