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世壊とはこういうものです。(実録)

最後らへんで飽きが来るという。

教会から出た後、ツヴェルフ達は椿が泊まっていた宿についた。その時色々なちゃちゃを入れられたりしたがそこは大した事もないので割愛させていただく。

夜。ツヴェルフが寝た頃、女2人は何かを企んでいた。

「ママ、今回の依頼なんだけどパパには内緒で終わらせちゃわない?」

「なんで?」

「そりゃあパパにいいとこ見せたいじゃん」

そういう椿はまるでこれからいたずらを仕掛ける様な子供の顔をしている。

「確かに良いかもだけど、なら何故椿一人の時に言わなかったのかしら?」

1人惑星に降り立った椿はこのような依頼を数多く達成してきた。なのに何故、今というタイミングなのかバラキエルには理解出来なかった。

「大丈夫だって!レベルは行って1000そこそこ、苦戦する相手じゃないわ!」

「でも、1000ですまないかもしれないし…」

「ママは心配性だなー、私だってレベルでいうなら4000行ったのよ?少なくとも即死は無いし、いざとなったら是が非でも逃げるから」

力説する椿にバラキエルは押され

「…そんなに言うんなら、やりましょうか」

「YEAH!ママ分かってるぅ!」

ついに折れた。

「じゃあ行くわよ、場所は?」

「さっき調べた、こっち」

宿から2人、空を飛んで行った。この惑星で飛ぶというのはとても高度な技であるが、そこは廃人プレイヤーのツヴェルフの仲間達、当然の技だ。

山の中腹より少し登ったところに着く、良く現れると言われたポイントだ、夜ということもあり視界は悪い。そのため白い服を着ているバラキエルが非常に良く見える気がした。

「寝てる姿も見あたらない?そんな事って有る?」

「少なくとも無いわね、椿はともかく私はエネルギー体、感じ取れない事はまず無い。となるとやばいかも」

「なんで?」

「最悪は私達がばれて奇襲しようと…!」

言い切る前に椿とバラキエルの間に何かを地面に叩きつけられた。

「きゃっ!」

「している!確定ね!」

それでも焦らず反応出来たのは経験かレベルか、はたまた種族からか。どちらにしても相手の姿が見えないこの状況で下手に動くのは得策とは言えなかった。

「椿!朝まで耐えるわよ!幸い後4時間程で日出、そこまで行けば視認出来るはず!」

「感じた取れないの!?」

「感じた、全方向!」

「なら全方向対処すりゃあいい!」

椿は双刀を構え、先程から来る攻撃を弾いていた。バラキエルも眩い光を放ちながら光線を出しかき消していた。どれほど続いただろうか、二人がどれほど規格外とは言え体力が無尽蔵というわけではない。2時間ほど続いたころ疲れの色が見え始めていた。

「ま、まだ!?」

「もうちょい!」

突然にそれは姿を表した。

「見事、という他ないだろう。神龍とまでいわれた私の攻撃をここまで捌いたのだから」

日本や中国などで語られる龍のイメージがそのままの姿で絵から飛び出してきたかのようだった。

「しかし疲労が見られる。ここで終わるのは惜しい、待っていてやる10分。打開策を見つけよ、逃げるのは無理だろうがな」

龍はそのまま空に姿を霧散させた。二人は息を整える。

「ちょっと!話が違うわよ!私の攻撃は周りの被害か大きくなるし、椿はまだレベルが足りない。7000はぎりぎりよ」

「こんな奴いなかったわよ!」

「じゃあなんで・・・?」

ツヴェルフがここに来る前椿は依頼をこなしていたのは言うまでもない、その中にはかなり移動するものも存在すれば国ひとつ、海ひとつまたぐものもあった。それなのにこの龍を感知できなかったのは見落としかあるいは隠密だったか。しかし今は関係ない。

「急いでパパを呼びましょう。見え張ってる場合じゃないわ」

「でもどうやって?」

「こうするの」

バラキエルは3対の翼を広げ上空に向かって六角錐ができるように光線を撃った。光線は交わったところで発散し青い光を広げた。

「これで来てくれる「あれ?バッちゃんに椿、こんなところで何してんの?」

「あなた(パパ)!」

「え!?どうしたんだあああああ」

ツヴェルフは二人に押しつぶされ腰から倒れた。地面と接触するとき明らかにボキという音が聞こえたがツヴェルフは我慢した。

「いっ…!!2人ともどーしたの?」

「龍がいたのよ、私達じゃ対処出来ない」

「え?君たちで?レベル8000のヤツとか?」

「7000ね」

「あーうん」

ツヴェルフは考えた素振りを見せる。そんなの出来れば戦いたくない、死ぬのはやだしと。

そんななか、龍は姿を出した。

「…鬼の子か。久しく見なかったが、何かあったのか?」

会話が出来ると理解したツヴェルフはもちろん会話を始めた。

「突然申し訳ない、麓の街で龍が危害を加えていると聞いて参った次第なのですが何か存じ上げませんか?」

「…いや、鬼がそんな謙るのは初めてでな。少し戸惑った、許せ。で、そのような話は聞いていないな。ここにいたものの代理として我はいるがその間それを行った記憶も無い…そうなるとそこの2人には申し訳無いことをしたな」

龍は頭を下げて謝罪した。

「済まなかった」

「いえ…わかっていただけたら。というよりやっぱり夫は粗暴なイメージを持たれるのですね」

「ん?夫婦であったか、そうなると丸くなるのかもしれないな」

龍は笑う。ツヴェルフにとっては笑い事ではない、いい加減聞き飽きた話題であった。

「それはそうと、もしかしたらうちの龍の不手際でここまで足を運んだのだ。ねぎらうくらいはさせていただきたいな」

「しかしそこまで迷惑をかけるわけには」

「ではこういうのはどうだろう、私はある種の戦闘狂でな。戦うことがすきなのだよ。そこでだ、鬼の君も戦うのは好きだろう?これはいい条件じゃないだろうか」

ツヴェルフは思う、鬼はここまでもひどい印象なのかと。すこしこの世界にいた鬼に対して殺意が沸いた。

「・・・お誘いいただいて悪いんですけど僕、争い事好きじゃないんですよ」

「なんと・・・では、こうしよう」

ツヴェルフら3人と龍は山から消え、一向はただただ広い白い空間にやってきた。

「ひとつ、何も無い世界を作った。あっいや光はあるがな」

「まさか倒さなければこの世界から逃げられないって奴ですか?」

「そうだな」

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。めんどいよ、バッちゃん」

「え?私に振ります?椿何とかしなさいな」

「少なくとも私じゃ無理だよぱぱ」

その返答を聞いてさらに落胆する様子を隠そうともしないツヴェルフは腰についてる円盤を手に取る。そこから一本の刀らしきものを取り出す。

「二人は離れとって危ないから」

龍に向かって袈裟切りを行う。もちろん龍に肩と呼ばれる部分は無い様に見えるし、横腹はどこからどこまであるかわからない。唯その動作をしただけ。

「僕、これでも世壊種なんだけど・・・知っている?」

白い世界は壊れた。

「なんと・・・私の世界を壊すとは・・・面白い」

龍はその動作で一段とやる気を出し五行の攻撃を開始した。

「やり始めたんだから最後まで本気でやらないと失礼に当たるよね・・・じゃあ」

左手を刀身の腹、具体的にはつばのすこし上に掛ける。それを体前面に平行になるように構えると地面から六本ほどの寸法たがわぬ刀が出てきた。

「・・・ほい」

左手をすこしつばから遠ざけるとあたり一面が花吹雪に見舞われ視界が無くなる。それらがなくなると多くの傷を受けた龍と無傷のツヴェルフが立っていた。

「少なくとも破壊と再生の五行を受けたはずだが・・・まあ理由は教えてくれんだろうな」

「単純に世界を壊したんだよ、そこから上書きって感じで・・・多分」

「多分?」

「いやぁ、僕もわかってなくて・・・」

「なんという」

ツヴェルフは申し訳なさそうに言う、龍はいまだ戦意を失っておらず向かって行った。

「実体がなければどうだ」

「…」

ツヴェルフは刀を頭上に上げ、下ろす。幻影となった龍は二つに切られエネルギーを吹き出した。

「むぐぅ!!」

「確か鏡花水月だっけ?池に写った月は切れないとか。物理ばっかの僕には対処が難しくてね、頑張ったんだ」

刀を腰にタメ、息を大きく吐くと

「じゃあ、そろそろ終いにしよか」

途端ツヴェルフを感じられなくなる、殺気、正気、それらがどこにも感じられない。龍が次にツヴェルフを見たのは

「滅懐っ…てね」

目の前であった。

龍の体に刀で切ったと思われる軌跡を描き龍を壊した。

「む、再生しない」

「壊れたものは再生しないよ、地面に落とした花瓶は割るが如く、買い直すか継ぎ接ぎだらけになるしかない」

刀をしまうと龍に向かって拳を突き出す。すると龍の傷はなかったとしか見えないまでに消えた。

「君を壊した世界を壊した…って感じ?…うん、じゃあ帰るよ、バッちゃん、椿」

「…え、あっ待ってパパ!ママも!」

「ああ、あの感じ。久しくみてなかったから興奮するわぁ」

「ママ!!」

少なくとも、依頼は完了したので良いとしよう。


この文字数は辛いし、ほのぼのしてない()

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