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青年、劇団の三者視点をしる

ドラミドロとキュウコンは

「こちらが劇団教会となります」

一行の目に入ったのはこちらの世界で大聖堂といってもよいくらいの大きく綺麗な教会であった。

「おおっ」

「ふわーすごいねー」

「ええほんと、意外と立派ね」

三者三様の表現をする。ツヴェルフ自身、青年のときですら日本果ては海外に旅行したことが無くこのような建造物を見ることすらはじめてであった。それゆえ感動も一入でありずっと子供のように目を光らせながら眺めていた。

「そんなに珍しいですか?」

修道女がツヴェルフに声をかける。

「あ、すみません。見た事が無くて」

「そちらには宗教建築物は無かったのですか?」

「いえ、あったと思うのですが私の行動範囲になかっただけかも知れませんね」

せいぜいツヴェルフが青年だった時、いったのはコンビニとか近場が殆どであった。

「では、是非案内させて下さい。いい思い出になると思います」

教会には十二劇団全員の礼拝堂が統合されており、それぞれに数人の信者が今祈りを捧げていた。ツヴェルフとしては非常にむず痒い様な感じがした。

「唯一つだけ抜けていまして…」

申し訳なさそうに修道女が続けた。

「十二番様が不明なのです。他の方はそれよりも前に公表されたので完成しているのですが…」

人物像がわからないそうだ。それもそうかとツヴェルフは思う、何せ世懐十二劇団に入ったのは一週間程前という最近なのだ。

それよりも、疑問に思ったことがある。

「つかぬ事をお聞きしますが、何故劇団を拝めようと思ったのですか?」

そこなのだ。本来教会は神さまやその使者を拝める場所、世懐十二劇団は国を作ったわけでもなく、何処かを救った理由でもない。

「神さまは何か私達にしたのでしょうか?」

「え?」

「今の私達に神さまが何が残してくれたのでしょうか?命の危機に瀕した時、祈れば神さまは助けてくれるのでしょうか?」

その真剣な顔にツヴェルフはたじろぐ。

「夢も希望も無いね」

「夢と希望は有る物に対して望むものです。まだ劇団の方の方が助けてくれる確率が高いでしょう?」

自分の考えがある正しいと信じて疑わないその目はとても力強くあった。

「確かに神さま弱いからね」

それをおかしく感じたツヴェルフはクスと笑ってしまった。プレイヤー時代、まだ劇団員でない頃。ツヴェルフは神と戦った、正直準備をしていれば容易く撃破可能であった。それでもレベルは5000あったため一般人では到底足下に行くことすら敵わない。そう、一般人なら。それをツヴェルフは失念していた。

「…神さまと戦った事があると言うような口ぶりですね?我々では到底勝てそうになさそうですが?」

「……?……あ」

「もしや十二番様?」

ツヴェルフはバラキエルと椿に助け船を求めたが。

「あれ?いない?」

「先程別の場所に行くと言っていましたよ?」

「・・・」

八方塞がりである。もはやツヴェルフの周りに助けはいない。

「別段隠してるわけでもないからいいですけど、お察しのとおりかと思います」

「ああ!そうなのですねツヴェルフ様!私はあなたを拝めているのです!」

「うわあ!ちょっと!!」

今度は修道女が目を輝かせながらツヴェルフの腕を握り上下に振る。

「お父さん?なにやってるのかな?」

「いつの間に居たんだ!椿!」

「それよりもさ、向こうに面白そうなのが合ったよ!行こう!」

椿が修道女を無視してツヴェルフを引っ張る。

「ああ!そんなお待ちを!」

「ねえ?ひとの夫に何してるの?」

「ほえ?」

女の後ろにいたのは、言葉で表現できないほど美麗な天使であった。

「私~。そういうの、我慢できなくてさぁ。ごめんね♪」

「い、いやああああああ!!」

その女の声は教会内にこだましていたが誰一人聞こえることは無かった。

僕の嫁ポケモン

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