抱きしめた掌は別の顔
情婦の煙を 吹かせる煙管が
肩越しに揺れる 胡蝶のタトゥーを辿る
涙の痕に残された軌跡は
私の心の靄に消えゆく
誰かに愛された肌の温もりよ どうか そのままでいて
胸の傷痕は あなたを見つめてる
だけど 抱きしめた掌は 別の顔
燃えて 溶けて 消えゆく その柔肌
私の琴線に触れるのは 秘密の鍵言葉
言の葉 私が投げた その切れ端は
あなたに届かず 落ちていく
誰かに愛撫された肌の熱よ どうか このままでいて
瞳の涙模様は あなたを見つめてる
だけど 切なく握り締めた両手は 別の顔なの
信じる愛は宝の箱の中
あなたに秘めたまま 蝶々は頂きに舞う
狂おしいほどに あなたを想う
悩ましいほどに あなたを見つめる
切なくなるほど あなたを感じる
あなたの寂しさよ そのままでいて
私を抱いて 一夜限りでもいいから
バタフライの小さな涙が 褥に零れ落ち
あなたを切に見つめる 瞳は快楽に墜ちていく
それでも想うのは 全てはあなたの横顔
信じているのは あなたの一瞬の優しさ
この満たされぬ孤独よ どうか このままでいて
私を連れ出して あなたのもとへ
許されるならば どうか 夢痕へ
だけど 抱擁された 私の首筋は 別の顔
愛されていたい ずっと あなただけに
愛されていたい いつまでも あなただけに
愛されていたい 本当は あなただけに
愛されていたい 黄金は あなたの前では 溶けゆくだけ