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人生

気づくと目の前は真っ暗。

声も出せない状態。これって・・・。

誘拐、だよな?


優輝「そうだよ。君は誘拐されたんだ」

蓮「んー!!んーんー!!」

優輝「はいはい。取ってあげるから、人間らしくハキハキ喋ってよね」

蓮「・・・ここはどこだ?」

優輝「あー、よくいるよねこういう人。誘拐されたらすぐに

   『ここどこ?』って聞くヤツ」

蓮「悪いのかよ」

優輝「だから、誘拐犯がわざわざ場所を教えると思う?ホント馬鹿だよね」

蓮「それは・・。念のために」

優輝「あっそ。あとさ、他に聞くことないの?」

蓮「あ!なんでここに連れてきたんだ?」

優輝「正解。それはね・・・君という存在が邪魔だから」

蓮「え?」

優輝「聞こえない?君という存在が邪魔だから、消し去ろうと思ったんだよ」

蓮「嘘だろ・・・。じゃあ、何が邪魔なんだ?」

優輝「存在自体が。あと、その能力もこっちからしたら迷惑なんだよね」

蓮「能力って・・。死者が見えるってことか?」

優輝「そう。人間にその能力身に付くと・・。とてもやっかいでね!」

蓮「お前のことは秘密にしておくから!お願いだ!」

優輝「そんな言葉で人の心が変わるとでも?」

蓮「他に何でもする!だから・・」

優輝「そういう問題じゃないんだ!君の存在を消すことが僕達の使命だから」

蓮「でも、こっちだって殺られるわけにはいかないんだ」

優輝「ねえ、君って友達いないんだろう?」

蓮「いるさ、親友が。」

優輝「でもそれって『死者』なんだよね?だったら死んだっていいじゃん」

蓮「あ・・・。」


 俺はふと思った。友達が死者だけなら、死んだっていいのではないかと。

 俺はしょせんホームレスのような存在。それなら・・・


蓮「おれ、楽に死ねるなら協力しても・・・」

尚輝「だめだよ!!」

優輝「なっ・・・!?お前たち、邪魔者を押さえろ!!」

蛇鬼「ははあ!」

尚輝「蓮!君に両親がいないのなら、死を選ぶのは君の自由だ。

   でも、君を愛する母がいる。それでも死んでいいって言えるのか!?」

蓮「言えない。でも俺を愛する人なんて、一人や二人だ。

  俺が死ぬことで助かるのは何人だ!?ざっと数十人いる。」

尚輝「でも、お母さんはその倍悲しむよね」

蓮「俺の自由にさせてくれ。・・・お願いだ」

優輝「というわけでだ。蓮は頭がいい!君は僕達死者の仲間入りだよ!」

蛇鬼「死者の世界へようこそ!」

蓮「嬉しくねぇよ。」

優輝「さあさ、こちらへ。死のコースを選んでくれたまえ」

蓮「死のコース・・。」


 そして俺は死への道を選んだ。これから新しい人生が始まる。

 お母さんのことを思うと心が痛むが、きっと大丈夫。

 死へのコースか・・・。一体どんなものだろう

 ワクワクするし、ドキドキもする。とても複雑な気持ちだ。

 新しい人生、上手くいくだろうか。

 

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