不幸
不幸とは、幸福でないこと。
じゃあ、幸福は?
優輝「簡単な問題なはずなのに・・・。何で答えがでてこないんだ??」
蓮「そんなの、お前が今幸せじゃないからだろ。」
優輝「え」
蓮「俺は、蓮。お前は?」
優輝「ぼ、僕のことが何で見えるの!?君は死者じゃ・・。ないよね?」
尚輝「僕は死者だよ!」
優輝「君は一体何者なんだ!?」
蓮「んー。俺にもわかんねえ」
尚輝「ついさっき、気づいたんだ」
優輝「何に?」
蓮「俺が死者の姿100%見えるってことにな」
優輝「そうなんだ・・。」
てことは、きっとコイツにも俺の心がよまれてるってことか・・・
尚輝「蓮、君の心がよめるのは僕だけなんだよ」
蓮「っはあ!?なんでだよ?」
尚輝「理由はあとで。さっさと名前を聞いたらどう?」
蓮「それもそうだな・・。おい、名前教えてくれよ」
優輝「僕は優輝。」
尚輝「僕は尚輝!君は今何をやってたんだい?」
優輝「問題を解いてたんだ」
蓮「問題?死者にも宿題があるのか」
尚輝「そんなのないはずだけどなぁ・・」
優輝「これは、僕が作ったんだよ」
蓮「へぇー。すごいな!!」
優輝「そんな・・。普通だよ」
尚輝「それで、今『幸福』がわかんなくて困ってたの?」
優輝「うん。でも、辞書で調べてみるよ」
蓮「だめだ。実際に幸せになってもらわねえと!」
尚輝「でもどうやって?」
蓮「お前、死んでるんだろ?だったら家族とかに・・・」
優輝「だめっ!!それだけは絶対にいやだ!」
蓮「お、おう。なら、お前は何がしたいんだ?」
優輝「こうやって、何かを疑問に思ってそれを解くことが好きなんだ」
蓮「命令だ。俺についてこい」
優輝「命令って・・。いいよ、乱暴されるよりはましだから。」
尚輝「蓮の言うことを素直に聞いた・・・!」
蓮「何がおかしい!!」
優輝「で、行くところって?」
蓮「それは秘密。さあ、行こう」
おい、尚輝。聞こえるか?
尚輝「・・・!」コク
やっぱ聞こえるんだな。ちょっとお前、あそこのトイレに行っててくれないか?
尚輝(なんで?)
いいから。合図をするから、その時に戻ってきてくれ。
尚輝(しょうがないなー。いいよ)
ありがとう!!じゃあ、もう行っていいぜ
尚輝「優輝!蓮!僕、あそこのトイレに行ってくるね。」
蓮「お、おう!待ってるからな」
優輝「・・・。二人だけって何だか緊張しますね」
蓮「そうか?」
優輝「でも、それももう終わりですよ」
蓮「は?終わり?何言って・・・。」
優輝「皆!出てきてくれ!」
ガサガサ・・・ ガサガサ・・・
な、なんだ!?どうしたんだよ、優輝!!
そして俺は尚輝を後にし、誰かに車の中にのせられ・・・
そこからはもう何も覚えていない。
俺は優輝の嫌がることをした。きっとそうだ。
そして天罰がくだったのだろう。
こんなこと・・・しなきゃよかった。