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従魔の部です

 コロシアムの受付に行くと、列があることにはあったが、結構短い列だったのですぐに中に入ることができた。

 コロシアムの中では、一般の部ほどではないがそれなりに多くの人が自分のモンスターと戯れていた。

 モンスターの種類は様々で、ずっと鑑定していると、ゴブリンやオークのような割とこの世界のどこにでもいるようなモンスターを連れている人や、レッサーワイバーンやキングスライム、キングウルフなどの上位種の珍しいモンスターを連れている人もいる。つかキングスライムでかいな。


「ちょっとよろしくて」


 ヒメを腕に抱きながら、そんな風に周りを見渡していると、後ろにプラチナタイガーというモンスターを連れた女性がやってきた。


「なんだ?」


「なんて口の利き方ですの!?この私、ヴァルミネ・カクに話しかけられてるんですのよ!?」


 うん。関わりたくないタイプの人だ。


「まぁいいですわ。見ての通り私のみぃちゃんはモンスターの中でも上位種であるシルバータイガーの変異種なのですわ」


「はぁ、そうですか」


 なにが見ての通りなのかわからない。たしかにプラチナタイガーと鑑定でも出てるけど、プラチナコングの方が強そうだったな。


「ふん、すごすぎて言葉も出ないようですわね。当たり前ですわ。このみぃちゃんの素晴らしさは語り尽くすことなんかできないですもの!」


 だからなんなんだ。


「この大会でも相当な数のモンスターがわ・た・く・し・のみぃちゃんに屈することが容易に想像できますわ」


 強いのと屈するのは違う気がするんだけどな…。屈するっていうのはそいつが自分の主たるにふさわしく、今の主では物足りないと感じてはじめて成り立つものだ。それまでの主と紡いできた絆を完全に捨ててしまうことでもある。

 ヒメに屈したアンセスタークイーンアントは過去に白虎に仕えていた魔物らしいし、ヒメが俺らを本気で殺す気で頑張りまくってダンジョン側についていたことを知って改めて仕えたいとのことだった。それ以外に屈するっていうのを見てないからなんとも言えないが、ただ単に相手が強いからとか、上位種だからとか、そんな簡単に屈するようならゴブリンやオークで出る人はいなくなる。それを考えないのか?


「そこで、この優しい私はあなたがたに1つサービスをあげますの」


 そう言って俺の前に手をつきだしてくる女。お手でもすればいいのか?


「今ここで銀貨二枚払えばもしあなたのその()()()()モンスターが屈したとしても、いえ、屈しますわねそんなモンスターじゃ。ですから、もし払えば大会後に返して差し上げますわ。なんと優しいのでしょう私!」


 今こいつヒメのことを弱そうって言ったか? 言ったよな?


「ヒメは弱くなんかないぞ。逆にお前が払っといた方がいいんじゃないか?」


 このムカつく女のモンスター、プラチナタイガーのみぃちゃんに当たったときはボコボコにしろよヒメ。後でお肉たくさんあげるから。

 そんな思いが通じたのかヒメが腕で頭をポンポンしてくる。肉球が柔らかい。

 対する女は顔を真っ赤にしてぷるぷると震えている。スライムの真似だとしてもそれおもしろくないぞ。


「もういいですわ!! それが屈したときには徹底的に痛め付けてあげますわ!! いきますわよみぃちゃん!」


 女は怒りの形相のまま他のやつのところに向かった。周りで見ていたギャラリーの視線も俺から外れる。


 そんなとき、プラチナタイガーが振り返ってその場で頭を下げていた。ごめんなさいと言ってるようだ。……ヒメ、やっぱボコボコなしね。


「大変だったねメイ。ほんとに払わないでよかったの?」


「ん? よ、ポール。今はシャドウって呼んでくれ。あんなもの払う必要ないと思うがな。たとえあのモンスターに屈することがあってもあの女の言うことは聞かないだろうし」


 やってきたのはポールだった。頭の上に火鼠のバルを乗っけている。モンスターって主の頭の上が好きなの?


「ポールのとこにも来たのか?」


「まぁね。僕は払ったけど、もしものことを考えたら銀貨二枚なら安いものだよ。バルの命の方がよっぽど大切だ」


「きゅう!」


「そうか。ま、無事大会が終わったら飯でもおごるよ。色々と世話になったからな」


「やったね。バルの分ももちろんいいよね?」


「きゅきゅっきゅきゅーきゅきゅ?」


「かう?」


 なぜヒメまで頭を傾けてるんだよ。


「もちろんいいぜ。まずは無事終わることが大事だけどな」


「決勝進出者におごってもらえるなんて光栄だね」


「なんだ、見てたのか?」


「当たり前だよ。さっきの人は気づいてなかったみたいだけどね」


「あんまり目立ってないけどな」


「あの闇属性魔法やったのメイでしょ? ごまかされないって。ワグーサのことはよく知ってるからね」


「そうなのか?」


「僕も彼も部門は違うけど何度も出てるから。食事に行ったりもしたよ。彼は仲間がいるときはつい見栄を張りたがるんだよ。やめなさいって何度も言ったんだけどね」


「あれは治りそうにないぞ」


「やっぱり?」


「ああ」


「また今度話すときにも一応言っておこう…」


「お、始まるらしいぞ」


 八時の鐘がなり、アナウンスが始まった。


『お待たせいたしました! 従魔の部予選を開催します! まずは先日同様領主様のお話から』


『みんな、昨日に続いて大変盛り上がる試合が多いと思うが騒ぎすぎてケガなんかするなよ? 昨日は場外で乱闘騒ぎがあり3人ほど牢屋にぶちこんだ。ほんとはそんなことしたくねぇんだ。今日こそはそういうのは0でいくぞ!』


「「「「おぉおおおおおお!!」」」」


 今日もすごい盛り上がりだ。やっぱり耳が痛くなるな。


『ありがとうございました。今回の従魔の部は多少ルールの変更がございます。しっかりとお聞きのうえ、お間違えのないようにお願いします。本日行われるのは全4試合です。その4試合のそれぞれから勝ち残った2体ずつが明日の決勝へと駒を進めることになります。2体ですよ!』


『突然のルール変更で戸惑ってるのもわかる。だが、毎年のことだが予選にもかかわらず決勝みたいな戦いがとてつもなく多い。前年の例でいえば1回戦初戦でいきなり空と陸の上位ランクであるワイバーンとランドドラゴンが潰しあっていたな。それはそれで迫力満点の素晴らしい試合だった。でもな』


 領主さんはそこで一呼吸分ため、大きく息を吸った。


『俺は決勝でその試合が見たかったんだよぉおおおおおおおおお!! どうせなら、決勝のトーナメントで戦ってほしかったんだよ! 完全ランダムに決めるとはいえなんで初戦でいきなり当たっちまったんだよ! こちとら仕事で少ししか見えなかったんだぞ!』


 完全に私情をはさんでるな。というか私情しかはさんでない。コロシアムの全体でどっと笑いが起こるが、声の感じからして笑いをとるためとかじゃなくて心の底からの叫びだったみたいなのにな。


『つーわけだ。今日行う4試合、すべてここで出場者を発表する。全員頭に叩き込めよ。時間に遅れて参加できないなんてこと絶対にないように! 俺からは以上だ』


『えー、領主様が全ておっしゃってしまったのですが、ただいまからそれぞれの試合に出場する選手を読み上げます。後々同時にモニターにも映しますので聞きそびれた方はそちらでご確認ください』


 それから試合ごとに出場するモンスターの主の名前が呼ばれていった。

 1試合目の中には俺の名前はなかったが、ポールとあの女の名前があった。ポール、思いっきり火だるまにしてやれ!

 そして俺の名前は3試合目のところで呼ばれた。ヒメのご飯の後に試合って感じかな。


 完全に説明が終わった後、試合ごとに列に並ぶように言われ、1人1人きっちりと契約魔法を施されていた。例の、町から出るまでは力によって従魔を取り返せなくなる契約魔法だ。


『スキル:小規模ワープLv4を習得しました』


 魔法なので喰らってしまうんじゃないかなと不安だったが、案の定喰らってしまった。ただ、効果自体はうまくいっているみたいなのでよしとしよう。ワープが成長しているのも疑問が残るが気にしないでおこう。

 今日こそは全試合を見るために俺は観客席に急いだ。




どうもコクトーです


『刈谷鳴』

職業

『ビギナーLvMAX(10)

 格闘家 LvMAX(50)

 狙撃手 LvMAX(50)

 盗賊  LvMAX(50)

 剣士  LvMAX(50)

 戦士  LvMAX(50)

 魔法使いLvMAX(50)

 冒険者 Lv69/99

 武闘家 Lv47/60

 薬剤師 Lv35/60

 鬼人  Lv18/20

 ????の勇者Lv10/??

 狙撃主 Lv32/70

 獣人  Lv8/20

 狂人  Lv1/50

 魔術師 Lv1/60

 ローグ Lv1/70

 重戦士 Lv1/70

 剣闘士 Lv1/60 』


遅れてすいません

詳しくは活動報告で


従魔の部がスタートしました

ヒメは3試合目ですね


次の話ですが、まだ悩んでいますが視点がメイじゃないかもです

ではまた次回

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