大会前です
二人のところに戻ると、二人の周りを数人の男たちが囲っていた。服装を見る限りおそらく冒険者だと思われる。少なくとも騎士とかじゃないな。
1人だけ他の奴に比べて豪華な服装の奴がいる。たぶんそいつがリーダーだろう。
「あ、メイ」
「遅かったね。受付そんなに時間かかったの?」
二人が囲んでいる男たちをまるでいないもののように無視してこちらに歩いてきた。男たちは唖然として…いや、怒りの形相で俺を見てるな。
「なんというか…この世界はどこに行ってもこんななのか?」
「そういうわけじゃないと思うけど、そこはほら、私たちがかわいいから?」
「おいてめぇ、その子たちは今俺らと話し合いしてんだ。あとからきたやつはどっか行きな」
男たちの一人が俺を軽く見下ろしながら凄んでくる。感覚的にはおそらく2mくらいか。こいつなんでリーダーじゃないんだろう? 頭が悪いのか?
「俺はこの二人のパーティのリーダーだ。うちのメンバーに何か用か?」
「今日からその子たちは俺のパーティに入ることになった。なに、悪いようには使わねえさ」
へっへっへ、と気持ち悪く笑う男たち。ほんとなんかこんなやつら見たことある気がする。
「うちのメンバーを渡す気はない。用がすんだなら帰れ」
「なら大会で決めようじゃねえか。俺が勝ったらその子たちは貰ってくぜ」
「勝手にきめんなよ。俺らにメリットが何もない」
「そんなこと言って逃げる気か?」
「なんでそうなる…」
「こう見えて兄貴は予選大会で残り5人にまで残ったこともある実力者なんだぜ! お前なんかじゃ話にならねえよ!」
「それだけじゃないぜ、兄貴は、オーク5体も同時に相手どることもできるんだぞ!」
「しかも兄貴自身は冒険者ランクC-だ!それももうじきCに上がるって言われてるんだぜ!」
「おいおい、やめろよお前ら。ま、ほんとのことだけどな!」
予選大会で残り5人ってことは決勝には行ってないんだろ?そんなに自慢することじゃねえだろ。それにオークも俺もマナも300近い数を一度に相手にしてるし、ランクでいえば俺たちは全員C+でこいつらより上だ。
俺はあきれて言葉も出なかった。
「へんっ、兄貴、こいつ兄貴の強さを知って恐怖で声も出せなくなってますぜ」
ただあきれてるだけなんだがな…。
「俺の名前はワグーサだ。よーく覚えておくんだな!」
ワグーサと名乗った男は周りの連中を従えて去っていった。
「なんだったんだろうねあいつ」
「さあ…まあ負けないから大丈夫だ」
「そこは心配してないよ。なんでこんな時間かかったの?」
「初めてだったからな。いろいろ説明してもらってたんだ。結構いろいろとあってな。聞いといてよかった」
「それならカーマスさんに聞いておけばよかったじゃない」
「まあ受付でしっかりとした説明が聞けたんだからこっちのほうがよかったじゃないか。一応念のために偽名で登録しておいたんだ。そういうのがOKかどうかさすがにカーマスさんに聞くわけにはいかないだろ?」
「あー貴族とかにからまれたくないってこと?」
「そういうことだ。あと、ローブとゴーグルも買っておくつもりなんだが、2人が服買ってる間に買ってくるか」
「みんなで行くよ」
「いや、服選んでる間に」
「みんなでいくよ」
「服なら俺がいる必要」
「ある」
「一緒に行きます…」
「よろしい。大会は2日後だからね。十分時間はあるはずでしょ?今日はローブとゴーグルを買って、明日は服を買いに行こうよ」
「明日は調整がてら町の外でヒメと遊ぼうと思ってたんだが…」
「なら今日中に両方やっとこうか。さ、急ぐよ!」
「おい、先に宿に、引っ張るな!」
結局その日はなんとか宿をとった後、半日服の買い物に付き合うことになり、ローブは買うことができなかった。想像できたことなのだが…また明日買おう。
次の日、ゴーグルがなかなか見当たらなくて結局午前いっぱいは買い物で使ってしまった。結局買えなかったものの、喰らったはずの????のゴーグルがいつのまにかアイテムボックスに入っていた。なぜかヒメのどや顔が浮かんだものの、何もなかったように頭にはめておいた。
その後、午後からになってしまったヒメとの調整は、最初の30分くらいはヒメのご機嫌とりになってしまった。午前中に肉をたくさん買っといてよかった…。
ついでにハウステントの中の大きさも再確認しておいた。
ハウステントの中は2階建ての木造一軒家と、その周囲が約100mくらい庭として存在している。出入り口は、家の入口のすぐとなりに出現し、空中に布が垂れているという、若干ホラーチックな状態だ。
アイテムボックスには、誰かが中にいる時はしまうことができなかった。ただ、ヒメだけの時はしまえたので、普段はヒメにはテント内で遊んでもらってるのもいいかもしれないな。
こうして時間は過ぎていき、遊び疲れた俺たちは宿に戻って大会に備えた。
「じゃあ頑張ってくるよ」
「私たちはコロシアムの観客席で応援してるから、今日は別行動だね」
「メイは第何試合なの?」
「今日聞かされるみたいなんだ。まぁコロシアムのあちこちにある掲示板でその試合と、次とその次までは発表してるみたいだからそれで見つけてくれ」
掲示板もすべて魔道具なんだとか。ここのコロシアムだけでいったいいくつの魔道具を使っているんだろうか。つか魔力どうしてるんだろう…。
「名前はシャドウで登録してるから。ダークランスとか使うつもりだしちょうどよくないか?」
「何がちょうどいいのかはわからないけど、楽しみにしてるね」
「おう」
マナとヒツギに笑って答えて俺はコロシアムに向かった。
一人先にコロシアムにつくと、そこには既に多くの人が集まっていた。
入口のところに列ができており、その先には昨日の受付のお兄さんがいた。どうやら選手の確認をしているらしい。
確認のすんだ選手からコロシアムのなかに入っていっている。どこか一ヶ所に集めて説明を行うようなのでおそらく広場だろう。
俺もその列の最後尾に並んだ。
並んでる最中にわかったことだが、ここに並んでるのは全員が選手だ。途中で貴族らしき男性が来たが、運営側と思わしき人に別のところに案内されていた。観客入り口と選手入り口をわけてスムーズにいくようにしているようだ。これなら受付でいちいち別々の案内をしなくてよさそうだ。
並び始めてから五分もすると、俺の番になった。
「お名前をどうぞ」
「シャドウだ。一昨日登録している」
「シャドウ様ですね。……はい。確認がとれました。シャドウ様は第三試合となります。ここから入っていただいて、指示にしたがってください」
「わかった」
俺はどうやら第三試合に出ることになるらしい。今日は第一から第八試合まであるようなので早めに終わりそうだ。
「出場者のかたはこちらからフィールドに出るようお願いします!」
「出場者でないかたはここから先は立ち入り禁止となってます!」
「危険ですので走らないようにお願いします!」
あちこちから運営側と思わしき人々の声が聞こえてくる。やけに大きいから拡声器のような魔道具も使っているのだろう。さらに魔道具が増えたな…。
俺は声の指示に従ってコロシアムの廊下を進んでいった。
どうもコクトーです
『刈谷鳴』
職業
『ビギナーLvMAX(10)
格闘家 LvMAX(50)
狙撃手 LvMAX(50)
盗賊 LvMAX(50)
剣士 LvMAX(50)
戦士 LvMAX(50)
魔法使いLvMAX(50)
冒険者 Lv69/99
武闘家 Lv47/60
薬剤師 Lv35/60
鬼人 Lv18/20
????の勇者Lv10/??
狙撃主 Lv32/70
獣人 Lv8/20
狂人 Lv1/50
魔術師 Lv1/60
ローグ Lv1/70
重戦士 Lv1/70
剣闘士 Lv1/60 』
長期休暇が終わってしまう…
でも頑張って書きますので
いよいよ次回から大会が始まる予定です!
ではまた次回