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アントホーム・奥です2

 17層に降りた。見た感じだけでいえば16層と何も変わりなかった。

 16層同様、見えているのは1本道で他に分かれ道のようなものは見えない。天井は高く、またキングアントとかビッグアントたちがでてくるんだろうなと容易に想像できた。

 1本道を進み、最初の角を曲がるとやっぱり先のほうにキングアントたちが見えてきた。


「さっきまでと一緒でいいよな?」


「うん。じゃあメイ、前衛お願いね」


「まかされた!」


 俺はステュラを握りしめて走り出す。小規模ワープは今回は使わない。すでに向こうもこちらに気づいている様子だったのだ。慌てて距離を詰める必要もない。

 現在視界にとらえてるのはビッグルークアントが2体とビッグアントが4体。耐性持ちもキングアントもいなかった。それだけで少しだけテンションが下がっているが手を抜きはしない。だって痛いのは嫌だもの。


「ファイア! アクア! アースボール! エアロ!」


 俺の周りに大量の魔法が展開される。最近気づいたことだが、ダークランス1発よりこれら4つを数発まとめてて展開していくほうが足を止めるという点でいえば便利だ。これのほうが一度に多くのモンスターの視界を覆うことができる。それにこのほうが操作が楽でいいのだ。発射するタイミングさえ決めちゃえばあとは放置でいい。ダークランスのようにを操らなくてもいい。あれ操らないとすごい方向行くんだよ…。

 そんなことを考えながらもすべてを同時に発射させる。俺自身もスピードを落とさずにアントたちに突っ込んだ。

 ビッグアントたちは大量の魔法をくらって瀕死寸前になっていた。ビッグナイトアントは普通に防いでいたけど、足は完全に止まっている。これでマナたちに近づくことはないだろう。あと数メートルで俺の射程圏内にも入る。こっから集中しないと。


「メイ! 後ろ!」


 その時、視界がぶれた。

 正確には視界が一段低くなった。足に力が入らない。目線を足にまで下げるとちょうどひざのあたりの高さから血が噴き出している。そして視界の隅のほうに2本の剣が見える。あ、攻撃されたのか。

 足を後ろから攻撃されて力が抜けた。すぐさま再生が始まってなんとか踏ん張って後ろを見る。俺の足元には1体のモンスターがいた。両手に片刃の四角い包丁のようなものを持っており、攻撃したあとだからかわからないけど両腕をぴんと張っている。外に振りぬくようにして切ったようだ。

 再び攻撃をしようとそれを振り上げるモンスター。させるわけねえだろ。


「死ねよ。鬼の一撃」


 小規模ワープでそいつのすぐ後ろに回り込んで思い切り叩きつける。

 ぐちゃっと潰れる感触がして地面を殴る。腕からアントの体液がぽたぽたと落ちるがまあしょうがない。あとで洗っておかないと。


『アサシンアント(アント種)』


 なんとなく鑑定してみたけどはじめて見たやつだった。下半身は地面の中にあるから潜っていたのだろう。待ち伏せして狙うとかこんなやつもいるんだな。全然気配がわからなかった。罠がないから油断してた…。

 そう思っている間にすぐそこまでビッグルークアントたちの拳が近づいてきていた。あ、そういうことか。

 アサシンアント(こいつ)が地面の下で待ち構えていて向かってきたやつの足を狙う。その奇襲がうまくいけば敵は機動力を失いただの的になる。うまくいかなくてもそっちに注意を向かせることでビッグルークアントたちの攻撃が通りやすくなる。どっちに転んでもいいのだ。


「統率されてるってことか…」


 迫りくる拳の片方を一刀両断で斬り飛ばす。そしてもう片方は不動明王を使って受け止めた。そしてすぐに上からマジックソードがそいつの首を刈り取る。俺が腕を切り落としたもう一体の顔面は、棺桶がめり込んでいた。あれ痛そうだな…。

 顔が若干潰れていてもなお俺を狙ってきたビッグルークアントにダークランスを放つ。すぐ近くだったこともありすべての槍が体を貫いた。その勢いもあって後ろ向きに倒れる。倒れた衝撃で俺に風があたる。ちょいちょい飛んでくる小石が痛い。


「メイ、大丈夫なの!?」


「今治すから! ヒール4!」


 慌てて駆け寄ってくるヒツギとマナ。そしてそこから飛んでくる光が俺の足に当たるともうふさがりかけていた足の傷が完全に治る。やっぱ回復魔法すごい。


「ありがとな。でもまいったな。罠がないからって完全に油断してた」


「でもあれはつらいね。アサシンアントだっけ? 地面にも注意しないといけないんだね」


「今回は俺が狙われたけど2人が狙われる可能性もあったんだよな。ヒツギ、マナの護衛頼んだよ」


「任せといて! マナは安心して魔法使ってね」


 その後の戦闘において、俺の動き方は少し変えることにした。ワープを多用するのだ。さすがに移動しまくる相手の足元を狙って襲うことはできないだろう。

 実際にそのあとすぐの戦闘でやってみたが結構有効だった。アサシンアントがたまたまなのか俺の目の前で頭を出したのだ。きょろきょろとあたりを見渡して、後ろを見た瞬間に俺の剣の餌食になる。他にもまったく見当違いの場所から出てきたりもする。それでも中には出てきてすぐに俺を捕捉して再び潜り狙ってこようとするやつもいる。

 何度か戦ってわかったことが1つあった。

 それはこいつら(アサシンアント)は全員動くのにまったく音がしないことだ。出てくるときも攻撃をする時もすべて無音。気配もしない。把握できるのは肉眼でとらえた時だけだ。なんとか早めに対抗策ほしいな。これ結構消費魔力高いんだよ…。

 ただでさえワープのスキルは消費魔力が高い。それを連続で使用し続けながら攻撃のために魔法も使う。それだけ魔力を使うのだ。疲れる。とても疲れる。MP自動回復と再生が同時に発動されているので回復していく量はかなり高い。それでも消費のほうが多いのだ。前に初めてバーストショットを使った時に倒れたことがあるが、今あれに近い状態だ。


「あーすまんが少し休ませてくれないか? ワープでの消費が結構激しくて…」


「いいよ。膝枕する?」


「しない」


「しないの?」


「私でもいいよ?」


「いや、ここダンジョンの中だぞ? 冗談はほどほどにな」


 「冗談じゃないのに―」というような声が聞こえてきた気がしなくもないけどきっと気のせいだ。そう信じよう…。



 結局10分くらい休憩して進むことにした。精神的には休憩前より疲れている気がする…。でもまあ襲われることもなかったしよしとしよう。


 それからしばらくいくと次につながる階段を見つけた。

 一見なんの変哲もない、これまで通り次へつながる階段だ。

 だが、そのすぐ目の前まで行ったとき、俺たちは言いようのない寒気に襲われた。

 別に奥から風が吹いてきているわけでもないし、水をかけられたとかそういうわけでもない。でも感じたのだ。


 この先になにかがいる


 と。

 俺たちは全神経を集中させながら階段を下っていった。



どうもコクトーです


『刈谷鳴』

職業

『ビギナーLvMAX

 格闘家 LvMAX

 狙撃手 LvMAX

 冒険者 Lv63/99

 盗賊  Lv44/50

 剣士  Lv46/50

 武闘家 Lv41/60

 戦士  Lv43/50

 魔法使いLv49/50

 薬剤師 Lv35/60

 鬼人  Lv10/20

 ????の勇者Lv9/??

 狙撃主 Lv20/70

 獣人  Lv1/20

 狂人  Lv1/50

 魔術師 Lv1/60

 ローグ Lv1/70

 重戦士 Lv1/70

 剣闘士 Lv1/60 』

17層もサクッと行きました

ちなみにアサシンアントはハンターアントの上位種です


ではまた次回

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