アントホーム・奥です1
ギルドを出た俺たちは、久しぶりの宿で一夜を越すことにした。
初日に泊まったいぬいぬ亭に行くと、その時もいた受付の男性から金だけはらって泊まってなかったことを笑われた。そういや何日分かまとめて払ってたっけ。結局その日はただで泊まらせてくれた。5日分とってたからこれで5日になる…はずだ。
次の日、ダンジョンに行く前にギルドに寄ることになった。理由は1つ。金を受け取ってなかったのだ。
「いらっしゃいメイさん。依頼ですか?」
昨日ガラハムさんの治療をしていた受付嬢だった。なら話は少しは早く済むかな。
「俺らが持ってきたモンスターの死体の金を受け取ってなかったと思い出したんだ。あの訓練所においてあったやつ」
「あー、あの死体ですね。少々お待ちください」
やっぱわかってくれた。予定通りだ。奥に下がっていくときに『足りない分はとりあえずギルドマスターの給料から出しましょう』とか聞こえた気がしなくもないけどまあ気にしないでおこう。さすがにあれをただでギルドに進呈なんかしたくないし、金にうるさいとか言われてもその辺は妥協しよう。逆に言ってきたやつに『お前は素材を持ってきたときに金を受け取らないんだな?』とでも言えばいい。素材を渡して金を受けとる。全然おかしくないはずだ。
「お待たせしました」
しばらくすると、受付嬢さんが戻ってきた。その手に持つお盆には何枚もの硬貨が乗っており、金貨も数枚見えた。
「あのアントたち5体と、その他数種のアントで合わせて金貨3枚と銀貨8枚、それから銅貨が370枚です。銀貨が少なくて銅貨が増えてしまいましたがご了承を。詳しい内訳を聞きたいですか?」
「いややめとくよ。二人とも3分の一な」
「じゃあ金貨1と銀貨3と銅貨90貰うね。はい、マナも」
「ありがと。じゃあ行こっか」
「またのお越しをお待ちしてます」
俺の手元に残ったのは金貨1銀貨2銅貨190。アイテムボックスに突っ込むと一礼してギルドをでた。さーて、探索再開だな。
食料とかいろいろ買い込んでいたら昼前になった。なので昼を宿で食べてからダンジョンの入り口に行くと、これから潜る人は少ないのか転移陣のところには数人がいるだけでそんなに込んではいなかった。
自然とできていた列の後ろに並んで少し経つと俺たちの番になった。
後ろから見てた感じだと、誰がどの階層に転移したのかはわからない仕様になっていた。おかげで俺たちが16層に行くこともわからないようだ。正確には15層の奥だけどね。
15層の奥にはやはりというか当たり前というか誰もいなかった。
アイテムボックスからステュラを取り出して階段を降りる。いつ襲われても大丈夫だ。
16層に入ってしばらく道なりに歩いていくと、結構な頻度でモンスターに襲われた。キングアントは当たり前のように出てくるし、耐性持ちのキングアントも数体出てきた。前に入った時にみた風と火だけでなく闇と雷も出てきた。それを片っ端から喰らっていくことでどんどん耐性が伸びる。襲われること自体は面倒なんだがこれはうれしいことだ。
16層を突破するのにかかった時間は5時間。ヒツギに確認してもらったから間違いない。戦闘は全部で20回以上あったと思う。なんせ曲がり角のたびどころかその途中でさえ急に現れたりするんだもの。
俺が喰らうのとヒツギの棺桶に吸収させるのを交互に行っているため、棺桶の強化もどんどん進んでいった。
「あ、また闇耐性持ちだ。マジックソード・ノーブル!」
そして目の前でまたキングアントの首が落ちる。さっきからこんな感じばっかりだ。
俺がまず一気に近づいてステュラで攻撃を仕掛ける。それで仕留めきれることはめったにないけど時折数を減らすことはできた。まあ1,2回くらいだけど。大半は俺が近距離でキングアントたちと攻防を行い、遠距離からマナが隙を狙い撃つ。ヒツギも棺桶を使って近距離戦闘に参加したり、棺桶の能力を使って遠距離から牽制を行ったりしてくれていた。
戦闘は5時間も16層を越えるのにかかった理由の一つでもある。
もちろん1番の要因は戦闘そのものの数が多いことなのだが、これまでと比べて圧倒的に1戦1戦の時間がかなり長いのだ。
1撃で倒せることなんかまずない。俺の剣をはじいたり避けてくることはもはや当たり前だし、マナのマジックソードでさえはじき、へし折ってくる。ほんと俺この魔剣拾えてよかった。武器がいくらあっても足りなくなるところだった。ビッグソードアントやビッグナイトアントが持っていることもあるのだが、とにかく大きい。おれじゃ扱えないくらいの大きさだ。よく振り回せるなと感心する。まあここでは弱い部類に入るモンスターだけど。
「ようやく階段か。マップにも横道とか小部屋とか出てないんだけど安息所ないんじゃねえかここ?」
「私にも見せて……………………………たしかにないね。でも階段の近くって敵来てないよね?」
「ただ倒したからじゃないの? 完全に安全だとは言えないと思うよ」
「だよな…まあ休憩だけして襲ってきたら返り討ちでいいよな?」
「それしかないでしょ。そういえばヒメは出さないの? あの首輪あげたとき以外呼んでないし」
「そういえばそうだよね。ヒメも遠距離から牽制するくらいなら大丈夫だと思うけど…」
「初めはやってもらおうと思ったんだが…『眷属召喚:白虎』」
俺はスキルを使った。目の前に魔法陣が出来上がる。だが、いつまで経ってもヒメはでてこない。ただ魔法陣が怪しく光るだけだ。
「な、出てきてくれないんだよ。このダンジョンに入ってからなんか変な感じはしてたんだけど1回呼べたろ? あれからその感じが途絶えたかと思ったらなんか呼べなくなった」
「うーん、契約が切れたとか?」
「わかんない。ただ呼べないだけでヒメが無事ってことはわかるんだよ。不思議なことにな」
「無事ならいい…のかな?」
「今は休もう。1層進むのに結構かかってんだ。疲労もたまってるだろ?」
「たしかに疲れたね。唯一の救いは罠がないところかな」
「それはありがたいけど武器の補充がな…」
「あきらめなさい」
結局30分もしないくらいで次の層に進むことにした。その間にステータスを確認してみたけどレベルアップしている職業はなかった。スキルはかなり上がってるのに…。
実際この層に入ってからだけで火吸収、闇耐性、風耐性はそれぞれ火吸収Lv3、闇吸収Lv1、風吸収Lv2へと変わっている。魔法が効かない俺にいるものなのかとかそういうことはとりあえずおいておくとしてもスキルが成長いていくのはうれしいことだ。けっこう喰ってもあがらないこともあるがそれだけ使えるスキルなのだろう。あと吸収まで育っていないが雷耐性もLv9まであがっている。何層まであるかわからないがたぶんあるだろう20層まで行く頃には吸収にまであがっていてもおかしくない。キングアント・雷がいたら譲ってもらおう。とりあえず吸収にまであがればそれでよしだ。
「じゃあ行くか」
罠がないということで少しだけペースを上げながら俺たちは17層を進んだ。
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ああ、『彼』もまた負けてしまった。
今度は正面から倒された。
しかし後悔はなさそうだ。
もし今度彼が現れたとしてもそれは彼であって『彼』ではない。
『彼』はよくやってくれた。
彼らには勝てなかったがそれでも『彼』はしっかり戦ってくれた。
守護者ということを考えればそれはだめだろう。
しかし現在『彼』以上に強い存在を召喚できない。
たとえ他の存在を召喚しても同じ結果だったはず。
次のことを考えなければいけない。
彼らは強い。
それは十分わかっている。
無事に私も耐性は習得した。
しかしそれが意味がないというのは一目瞭然。
多くの耐性持ちがすでにやられている。
どうすればいい?
力がいる。
私がやられればここはなくなってしまう。
正確にはなくなるわけではない。
でもここのダンジョンは死んだも同然となる。
それだけは避けなければならない。
でも彼らはもうすぐそこまで来ている。
新しく強い存在を召喚? 無理だ。
新しい能力を習得する? 無理だ。
ではどうする?
私はまだ死ぬわけにはいかない。
でもどうする?
力力力力力力力力力力力力力力力力力力力力力力力力力力力力
ああ、なんだ、すぐ近くにチカラがアルジャナイカ。
簡単ナこと。
力ガイルナラ力ノあるモノヲ取り込めばいい。
『コレ』ニハ力がたくサンある。
多くの力ヲ生みダス『コレ』ならば…
サア、私の『チカラ』トナレ。
ダンジョンコアヨ
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どうもコクトーです
『刈谷鳴』
職業
『ビギナーLvMAX
格闘家 LvMAX
狙撃手 LvMAX
冒険者 Lv63/99
盗賊 Lv44/50
剣士 Lv46/50
武闘家 Lv41/60
戦士 Lv43/50
魔法使いLv49/50
薬剤師 Lv35/60
鬼人 Lv10/20
????の勇者Lv9/??
狙撃主 Lv20/70
獣人 Lv1/20
狂人 Lv1/50
魔術師 Lv1/60
ローグ Lv1/70
重戦士 Lv1/70
剣闘士 Lv1/60 』
最後の方はカタカナのカじゃなくて漢字の力だからね?
みなさん、300万pv超えてました!!!
ブックマークは相変わらず6000ですがpvは300万です!!
数字にすると3000000ですよ!
本当にありがとうございます!!!
ではまた次回




