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アントホームです16

「今度はキラーポーンか」


「まかせて。マジックソード・ノーブル」


 そこそこ遠くに見えたアントにマナのマジックソードが突き刺さる。それにより胴を斬られたアントが崩れ落ちる。またしても俺の出番がない…。

 2つに分かれたアントの死体のところまでつくと、マナが『解体』で素材のみにして残りを消す。それを俺が回収してすぐ次へ。そんな感じだ。


「あのー…みなさんってランクいくつなんですか? さっきから遠距離でモンスター真っ二つにしてますけど…」


 俺に怒鳴ってたコンドーはどこへいったのかと、ついつい確認したくなるほど低姿勢で尋ねてくる。単独とはいえ、自分たちが苦戦していたものと同格かまたはそれ以上のモンスターを軽々しとめていく俺たちを見て自分たちの基準に…とでも思ったのだろうか? あんまり意味ないと思うんだけどな…。


「俺とヒツギはFでマナはC-だ」


「へ? F…?」


「ああ。もし基準にしようとでも思ってるならやめといたほうがいいぞ。無駄だから」


「本当ですか? 俺たちでさえ全員Cー以上なんですが…」


 全員マナより上なのか。カーランとルクスとマリーはCー、ヒューイとコンドーはC、サイオフはC+らしい。この中で最高ランクはサイオフのC+か。で最低が俺のF…別に悔しくなんかないぞ?


「そうなのか。あーこういっちゃなんだがランク=強さ、とは考えないほうがいいぞ? ランクを上げるにはたしかに戦闘力も関わってくるらしいがあくまでギルドへの貢献度だ。依頼をある程度数こなさないといけない。でも俺たち依頼ほとんどやってないんだわ。冒険者になったのも最近だし」


「依頼をやらずに生活できるんですか? 俺たちは生活のためにダンジョンに潜っても週に3日は依頼を行う日にしてますよ」


「今はマナがこれまで稼いだ分をつかわせてもらってる。俺のアイテムボックスの中にそれなりに素材は入れてあるからこれ売れば一財産できるだろうしな。つか敬語じゃなくていいぞ?」


 違和感があるんだ。とは言わない。


「わかった。一財産できるくらいっていったい何を狩ったんだ? ドラゴンとか?」


「いやコンドー、メイさんたちとはいえドラゴンは無理だろ」


「あたしには不可能に思えないんだが…」


「僕もそう思う」


 いつのまにか俺たちはドラゴンを狩れるパーティという認識になってる。さすがにまだドラゴンは無理だろ。まあ喰らうことができたら相当なパワーアップになりそうだけどな。


「そんなに強くないって、俺たちは」


「そうそう。罠の見分け方もわかんないしね。でも少なくともここら辺にいる普通のアントたちなら近づけないから安心してていいよ」


 マナの声に安堵なのかあきれなのかわからないため息がもれる。


 殲滅、殲滅、殲滅、たまに罠回避、そしてまた殲滅。

 出遭ったモンスターは全て殲滅しているがけっこうペースは早い。理由はヒューイくんがいるからで間違いないだろう。現在の布陣は、先頭に俺とヒューイくん、続いてマナ、それからコンドーたちのパーティの5人そして最後がヒツギだ。ヒツギには念のために後方についてもらっている。罠で飛んでくる矢なら防げるからな。

 でもここまで1度も罠にはかかっていない。真っ先にヒューイくんが見つけてしまうのだ。

 解除は時間がかかるそうなのでしてないが、よけることはしっかりとできている。本来回避不能の罠に関しても、少し離れたところから石を使って発動させてそれをよけるとか、その道にアントを放り込んで罠始末とかして確実に進めている。罠を見つけられる人が1人いるだけでかなり違うんだな…。

 現在彼らと行動をともにしてから3時間しか経ってないが、もう少しで14層の階段というところまで来ている。そのためか、先ほどから合わせて3回ほど他の冒険者たちと会う機会があった。よくて互いに会釈する程度だがけっこうここまで来てるパーティ多いんだな。


「お、この先みたいだな。もう少しで15層だ。その前に小部屋が1つあるが休憩いるか?」


 一応聞いてみた。ところどころで休んだとはいえけっこう疲れてるだろう。俺は別にそこまででもないけど。


「いや、ここまで来たらそのままでいい。どうせ15層には敵はいない。15層に入ってしまえばあとは転移するだけだ」


 サイオフの言う通り、15層はモンスターはいない。2つの広場から構成されており手前が中くらいの広場で、奥がでかい広場だ。ここのボス階はどこもそうなってるっぽいな。


「じゃあ行くか。モンスターは…いないな」


 通路に顔を出してモンスターの有無を確認する。いたら殲滅だったんだがそうはならなかったらしい。


 そして俺たちは15層へと到達した。







 15層の広場には10人もいなかった。扉の前に座ってるのが6人だけだ。

 彼らの後ろに並ぶのはまたあとでということで先に転移陣のほうへ向かった。


「メイさんマナさんヒツギさん、ありがとうございました。おかげでここまで無事に来ることができました」


「これで二人を早く休ませてあげれます」


 三者三様に喜んでいる。これでよかったんだよな。


「それで、報酬のことなんですが」


「ん? あそこにいたアントたちはもう貰ったろ?」


「いや、それだけだと俺たちの気が済まないんだ。街に戻ったらもらってほしいものがある。ただ…」


「あたしたちは2人の療養もかねてヒューイの実家に世話になる予定なんだ。そうでなくとも今日のうちにここを離れてしまう予定だったし。これからここのボスに挑むんだろう?」


「当然だ。ここまで来たからには1回挑んでおきたい」


「ここのボス部屋は自分たちの意思で出てこられるとはいえ危険すぎる。それに俺たちはたぶんメイさんたちが出てくるころにはこの街にはいないんだ」


「ならギルドに預けといてくれ。どうせ街に戻ったらギルドに行く。そこで受け取れないか?」


「たぶん頼めばやってくれると思う。そうしておくよ。あんたたちのパーティ名ってなんなんだ? 個人名よりパーティ名で伝えたほうがたぶんギルドでもわかりやすいと思うし」


「パーティ名か…」


 少し考えるそぶりをして、ちらっと2人を見る。2人も俺のほうを見て軽くうなずいた。


「パーティ名はマツノキ」「メイズ」「Mチーム」


 全員見事にばらばらになった。つか自分でいうのもなんだが全員ネーミングひどいな。


「……決まってないんだな…」


「…ああ。すまん」


「いえ…」


「コンドーたちはどんなチーム名なんだ?」


「『金華猫の歌』だ。特に深い意味はないが」


「俺たちも考えないといかんな…」


「そうしたほうがいい。さて、そろそろ行こうと思う。本当に助かった。ありがとう」


「もし機会があれば酒でも」


「あたしたちももっと強くなります!」


「なにか力になれることがあればそのときは力になりますので!」


 それぞれが一言ずつ残して転移していく。カーランとルクスは気絶したままのでコンドーとサイオフで運んでいった。

 残された俺たちは、いったんパーティ名のことは忘れてボス部屋の前に並んだ。すでに先ほどまでいた6人はいなかったのでここで待つことになった。

どうもコクトーです


『刈谷鳴』

職業

『ビギナーLvMAX

 格闘家 LvMAX

 冒険者 Lv57/99

 狙撃手 Lv44/50

 盗賊  Lv39/50

 剣士  Lv39/50

 武闘家 Lv36/60

 戦士  Lv37/50

 魔法使いLv43/50

 薬剤師 Lv34/60

 鬼人  Lv8/20

 ????の勇者Lv8/??

 狙撃主 Lv15/70

 獣人  Lv1/20

 狂人  Lv1/50

 魔術師 Lv1/60 』

今回は3日以内でした!


彼らとは一旦お別れです。再登場はいつになるのか…

次回はいよいよボス戦!


ではまた次回

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