アントホームです12
第10層の扉の前もやはり広場みたいになっていた。第5層と違うのは待っているパーティがいないこと。扉自体は閉まっているので挑んでいるパーティがいることはわかるがすぐに俺たちの順番になる。待ってる間に他のパーティ来るかな?
「10層のボスはどんな相手だろうね」
マナが唐突に聞いてきた。いや、俺が話を聞いてなかっただけで話していたのかもしれない。
でもたしかに気になる。
5層では大量のアントとポーンアント、それから真キメラアントだった。15層のボスはキングアントだったはずだ。まあ1層で戦ったのとは格が違うと思うけどね。
6層から10層の間で新しく出てきたのは主にキラーアント系のアントだ。ポーンアントとアントはいなかった。
それを思えばここでは真キラーキメラアントか? 名前長いな。
「どんなやつなのか知らんけど苦戦はしそうだな。数にもよるけどまた俺とヒツギが前衛、マナが後衛でいいかな?」
「私は全然いいよ。さっきもそれで問題なかったし」
「しばらくずっと守りだけだったし私も少し動きたいから問題なし。というかなにか問題が見つかるまではこの布陣でいいと思うよ」
二人からも納得を得たところで扉が開いた。結局他のパーティが来ることはなかった。情報収集したかったのに…。
俺たちは開いた扉のなかに入っていった。
扉がしまり、部屋の中央に3つの魔力の塊が生まれる。さっきみたいに部屋中魔力の塊だらけになることはなく、その3つだけでおしまいらしい。よかった。
魔力の塊はだんだん大きくなっていき、一定の大きさになったところで止まった。
そしてそれぞれがアントの形を形成していった。
『ビッグキラービショップアント(アント種)』
『ビッグキラーナイトアント(アント種)』
『ビッグキラールークアント(アント種)』
確かに結構大きい。少なくとも5層で少しだけ見たビッグアント系より少し大きい。しかし、真キメラアントほどではない。
ただこれまで戦ってきた相手が大きさが変わっただけだ。
「油断はしないでね。なにか能力を持ってるかもしれないから」
「ああ。さすがに中間のボス部屋のモンスターがただでかいだけってことはねえだろ。まずは様子見だ。ダークランス6連!」
俺はそれぞれに2こずつダークランスを放つ。そしてまっすぐ走り出した。
俺が狙うのはビショップだ。ここまで進んできた中でこいつらに関しては何となくわかってきている。
ルークアントは物理攻撃に強い。真キメラアントのルークアントの腕ほど強いわけではないが、けっこう耐える。上の方で戦った時は鬼の一撃・付与を使っていなかったが棍棒を無傷で耐えてくるやつもちょいちょいいた。ただ魔法には極端に弱い。耐性とか一切ないんだと思う。
武器は持っておらず、防具などもない。というか防具をしてるアントはいない。こいつが一番倒したときに得られるものが少ない感じがする。
それとは逆にビショップアントは物理攻撃に極端に弱い。普通に殴っても簡単にやっつけてしまえる。ただ、魔法が効きづらい。現にマナは6~10層でキラービショップアントを倒すのにほぼ2発分の魔法を必要としていた。1発で十分だったことも多かったけどね。
武器は杖。個体によって長さは様々だが、だいたいが身の丈の半分より少し長いくらいの大きさだ。どんな攻撃も防ぐときはだいたい杖で防ごうとするのでこいつも得るものは少ない。だってマジックソード・ノーブルとかファイアとか受けたら普通に折れたり燃え尽きたりするんだもの。杖だから細くて投擲用にも使えないしファイアで燃えたのだともうなんにも使えそうにない。薪にもならないだろう。だってすでに燃えた後だし。松明ならいけるのか?
ナイトアントはどちらにも極端に強いということはない。逆にどちらに弱いということもない。しいて言えばどちらにも少し強い。ただ、それが元々の身体能力なのか、ナイトアント自体の能力なのかはわからない。
こいつが現状一番儲かりそうだ。ナイトアントは個体にもよるが剣を持っている個体がいる。まあ10体に1,2体いるかいないかってレベルだがそれでもその死体、正確には甲皮と剣で売れるものが2つあるからその分金額は増える。ん?これまでは武器使い捨てにしてたから売れないと思ってたけど魔剣ステュラがあるし全部売れるじゃん!まあ一部はとっとくけど。
今回現れた3体のうち2体は武器を持っている。ナイトの剣はその巨体に見合ったサイズ。ビショップの杖はビッグキラービショップアントの巨体より大きく、頭半個分大きい感じだ。
ルークとナイトの方は一旦無視でいい。特にルークの方は強化されていても魔法攻撃だ。ダメージはでかいと思う。かわされることも十分考えられるがダークランスは割と広範囲に広がるように発射した。たぶん大丈夫だ。
ヒツギもビショップのほうに駆け出していた。残りはダークランスを耐えていたら…まあ耐えるだろうな。でも先に1体倒しきれれば後が楽になる。
ルークとナイトは迫りくるダークランスに対して防御姿勢をとっていた。耐え切る気だろう。しかしビショップはそのままだった。俺たちを迎え撃とうとしてこちらを見ている。ダークランスを一切見ていなかった。
ダークランスが次々ビショップにあたっていく。ダークランスは何本かが体に刺さったが、あとははじかれてしまった。耐性すごいな。
ビショップは杖で薙ぎ払ってきた。たまたま当たるのが早いヒツギが棺桶を盾にして受け止めた。ヒツギがその場から動くことなく受け止めれているからそんなに重い攻撃ではないんだろうが範囲が広いのが怖いな。
俺はヒツギがとめている間にステュラで切りかかった。止めようと伸ばしてくる腕をいともたやすく切りおとす。そのまま胴体を深く切りつけて、ビショップをけりつけて距離をとった。
ビショップアントの胴からおびただしい量の真っ黒い血が噴き出る。さらに落とされた腕からも決して少なくない量の血がでていた。このままほっとけば死ぬんじゃないか?
そんなことを思った時、ビショップが上を向いてなにやら液体を広場全体にわたって吐き散らした。
一瞬血を吐いたのかと思ったがその色が黒くないのがわかり考えを改める。水…なわけないよな?
「蟻酸だよ! みんなよけて! 溶かされる!」
マナが叫んだのを聞いて俺もそれを思い出した。
地球にいたころに聞いたことがある。つか酸って名前だけでまずいのが容易に想像できる。
慌てて結界を張る。距離が離れていて全員に張るのは無理!
しかし2人ともそれぞれで対応していた。
ヒツギは棺桶の中に入ってふたを閉め、マナはクエイクで壁を創り出して自分にかからないようにしていた。
ビショップの吐いた蟻酸は結界に棺桶に土の壁にあたって地面に落ち、その部分を少し溶かして消えた。結構強力なやつだった。結界が効かない魔法の攻撃だったら危なかった。
「っ! 他の2体が」
結界が解けるのと同時に俺は放置していた他2体のアントのほうに慌てて首を向けた。大きな隙ができてしまった。
が、それは杞憂だった。
「………」
ルーク、ナイト、それからビショップまでもが蟻酸の餌食になっていた。なんで自分の技で死んでんのこいつ?
もしかしたらビショップ以外の2体はその前に死んでいたのかもしれないが、それでも味方ごとって…。
アントたちは同時に消えていった。
『職業:冒険者がLv56になりました
狙撃手がLv44になりました
剣士がLv39になりました
武闘家がLv36になりました
戦士がLv37になりました
魔法使いがLv43になりました
狙撃主がLv15になりました
スキル:分裂弾Lv4を習得しました』
いろいろと上がったのを確認したあと、アントたちのいたほうを見た。
3体のアントが消え、あとに残されたのは宝箱だ。俺たちはそこに集まって蓋を開けた。
その中に入っていたのは首輪だった。
『獣の首輪:獣の首にはめることでその獣の能力を気休め程度に上昇させる道具』
「気休め程度にしか上がらないのか…」
「まあそれでも上がるだけましってことじゃない?」
「ヒメにつけてあげたら? 一応獣だし」
「また俺がもらっていいのか?」
「まあメイじゃなくてヒメがもらうってことで」
「首輪をつけたヒメを撫でまわさせてくれればいいよ」
「ありがと。じゃあヒメ!」
「かあああううう!」
眷属召喚で呼び出したヒメは、現れると同時に俺の後ろに回り込み、背中を駆け上がると頭の上についた。そこ気に入ってんの?
でも今回は首輪をつけるのが目的なためいったん頭の上からどかす。そしてマナから手渡された首輪をはめてあげると嬉しそうに「かう!」と一言吠えて俺の頭の上に戻ろうとする。
だがそれをヒツギとマナにつかまり撫でまわされていた。
あーなんかかわいいな…。
どうもコクトーです
『刈谷鳴』
職業
『ビギナーLvMAX
格闘家 LvMAX
冒険者 Lv56/99
狙撃手 Lv44/50
盗賊 Lv39/50
剣士 Lv39/50
武闘家 Lv36/60
戦士 Lv37/50
魔法使いLv43/50
薬剤師 Lv34/60
鬼人 Lv8/20
????の勇者Lv8/??
狙撃主 Lv15/70
獣人 Lv1/20
狂人 Lv1/50
魔術師 Lv1/60 』
更新済みです
今年の更新はこれで最後になります
来年は1月3日以降←ここ重要!!
に更新します。正月は休みです
グダグダ感漂いまくるこの作品を読んでいただき誠にありがとうございます
来年もよろしくお願いします
少し早いですがよいお年を
ではまた次回




