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アントホームです9

 俺たちは真キメラアントに向かって駆け出した。

 俺とヒツギで左右から襲って注意を引き、マナが正面から魔法でダメージを与えようという作戦だ。できることならマナには常に真キメラアントの背後に回り込んでほしいが、それができるような空間はなかった。真キメラアントは現在この部屋の奥のほうにいる。俺たちのことを迎撃するつもりなのかその場から動いていない。

 俺は先制攻撃としてファイアを飛ばす。とりあえずパッと出せる5発だ。ダークランスより同時に操れる数はかなり多いけどそれでもそれなりに時間はかかる。やったことないから何も言えないけど100くらいいける気がする。まあダークランスのほうが手数は多くなるんだけどね。

 ファイアはすべて真キメラアントめがけて飛んでいく。腕1本くらいなら落とせるかな?

 飛ばしたファイアの後を追うようにして俺は真キメラアントに迫る。しかし、ファイアはあっさりと撃ち落とされてしまった。真キメラアントが腕を振るった瞬間に消えてしまった。あれはビショップアントの腕かな?

 真キメラアントの6本の腕は上からルークアント、ナイトアント、ビショップアントだ。

 一番上のルークアントの左腕にメイスを持っている。真キメラアントがでかいからそんなに大きく感じないが実際にはかなり大きいだろう。

 真ん中のナイトアントの右腕には巨大な剣。これは真キメラアントの大きさを考えたら真オーガキングが使っていた剣より大きいかもしれない。少なくとも人では操ることはできそうにない。というか俺には無理だな。

 一番下のビショップアントの左腕には小さな杖。マナが持っている杖とそんなに変わらない大きさだ。持つというより完全に手の中に包んでいるというほうがいいと思う。だって指の間にかろうじて見えているくらいだもの。そのせいで腕が一本グーで固定されている。あれじゃただ殴るしかできねえじゃん。まあ殴れれば十分かもしれないけど。

 ファイアは防がれたが、もともとそこまで期待してなかったのもあったから気にせず両手の棍棒で殴り掛かる。鬼の一撃・付与を使っての攻撃だ。ダメージはけっこうあるだろう。

 地面を強く蹴って高く跳び、体をそらして思いっきり上から叩きつけた。真キメラアントはルークアントの腕で防ごうとした。内心1本もらったとほくそえんでいたがそれはあっさりと防がれた。両腕にはしっかりととらえた感触がある。それでも真キメラアントはびくともせずに堪えていた。いや、ミシミシという音はするから無事ではないんだろうがそれでもやばいな。

 突然真キメラアントは腕を跳ね上げた。俺はなんとか棍棒をつかんだまま体勢を立て直して着地した。見ると反対からヒツギも攻撃を仕掛けていた。俺とは違って上下で挟むようにして棺桶を叩きつける。腕の関節が逆方向に曲がるようにやった攻撃だ。

 それはあっさりとナイトアントの右腕をへし折った。なんかもろくないか?

 腕を折ったヒツギは落ちてくるナイトアントの剣をよけるためにいったん距離をとった。真キメラアントは痛みに叫びをあげながら他の腕でヒツギに攻撃を仕掛ける。上からルークアントの腕が、下からビショップアントの腕がそれぞれ同時に繰り出された。

 ヒツギは鎖を引き直してそれを左右にはじく。

 ビショップアントの腕はあっさりとはじかれて攻撃が止まった。しかしルークアントの腕ははじけなかった。

 鎖で軌道が多少ずれているがヒツギはまともにくらっていた。なんとか鎖を間に挟んでダメージを減らしていたが数mは吹っ飛んでいた。途中で1度地面でバウンドしたがそれでも体勢を立て直してなんとか着地していたが、骨がどこかひびがはいっているらしくつらそうに顔をゆがませていた。


「ヒール5!」


 マナの声がしてヒツギに光の弾が当たる。

 それはヒツギの体を包みこんで消えた。痛みが消えたのか安どの表情を浮かべていた。よかった。

 安心している暇はなかった。今度は俺のほうに攻撃が来る。メイスでの叩きつけと握られていた拳から発射された土の塊だ。ビショップアントの腕のおかげで魔法まで使えるのか。

 全方位結界を張ってメイスをはじく。土の塊はとりあえず殴りつけてみた。

 火の玉や風の弾ならおそらく当たった瞬間に瞳が喰らう。でも土の塊は喰えるかわからなかったから殴っておいた。手の先に何か当たった感触があったのと同時にアナウンスが響く。


『スキル:アースボールLv1を習得しました』


 土属性の魔法ってところか。今俺が使えるのは火と風と闇の3種類。増えるのはいいことだ。

 でも俺の視界から真キメラアントは消えていた。結界に土が張り付いているのだ。

 魔法によって固められていてももともと土であったものは防げないということか。これは気をつけないといけないな。

 それより今の状態はまずかった。それに気づくまでに1,2秒かかってしまったのが痛かった。俺は慌てて結界を解き視界を覆っている土をなくす。その瞬間、ナイトアントの腕が伸びてきた。

 まともに受け止めてしまい、少し地面を滑べる。幸い飛ばされなかったので距離が開かずに済んだ。でも腕痛いな!


「二人ともいくよ!『マジックソード・ノーブル』!」


 マナの掛け声とともに剣の形をした魔力の塊が飛んできた。それは俺の攻撃を防ぎ、ヒツギの鎖をものともしなかったルークアントの腕をあっさりと切り落とした。俺らの苦労は?


「グゥゥゥゥガァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」


 とてつもない叫び声が上がった。

 両腕を1組一度に切り落とされた痛みって考えたら普通なんだろうがなんだか様子がおかしかった。

 切られた瞬間から切り口からは黒い血が噴き出す。それはいいが、なぜか真キメラアントの体が震えている。恐怖でも感じているのか?

 しかしそれは全くの勘違いだった。


「「グルゥゥアアア!」」


 頭が生えた。

 真キメラアントの頭のすぐ右にルークアントのものらしい頭が生えたのだ。

 それと同時に血も止まり切り口もふさがった。どうなってんだ?


 そんなことを考えていると真キメラアントが折れていなかったナイトアントの左腕で大剣を拾った。少し確かめるようにふるっているが、それによって起きた風が俺らに襲い掛かる。試してるだけなのにかなり強い風が来てるんだが…。

 一度大きく深呼吸をして気持ちを切り替えて真キメラアントを見据える。

 残る腕は後3本。もう1本はヒツギが折ったから考えなくていいだろう。武器は俺のほうに両方ある。なんとかヒツギがさっさとビショップアントの腕を対処してマナと一緒に攻勢に出てくれればそれでいい。そのためにもまずは武器替えよ。

 棍棒はさっきルークアントの腕にたたきつけたことでひびが入っていた。危な。このままやってたら途中で折れて大きな隙になってるところだった。でも意外と棍棒って頑丈なんだな、うん。

 棍棒をわきに挟んでアイテムボックスから違う棍棒を取り出す。

 さっきヒツギがへし折った時には何も起きなかったし、たぶんだけど切り落としたときに変化が起こるんじゃないかなと思う。それを確かめるためにも鈍器である棍棒の出番だ。

 二刀流ではなく1本だけだ。


「まずは折れかけのを再利用だな」


 ひびの入った棍棒を半分に折り4つにする。これで隙を作れたらいいな。

 俺は2つの頭で俺たちをにらみつける真キメラアントをにらみつけた。

どうもコクトーです


『刈谷鳴』

職業

『ビギナーLvMAX

 格闘家 LvMAX

 冒険者 Lv49/99

 狙撃手 Lv38/50

 盗賊  Lv34/50

 剣士  Lv35/50

 武闘家 Lv31/60

 戦士  Lv33/50

 魔法使いLv40/50

 薬剤師 Lv34/60

 鬼人  Lv7/20

 ????の勇者Lv8/??

 狙撃主 Lv2/70

 獣人  Lv1/20

 狂人  Lv1/50

 魔術師 Lv1/60 』

今日はバイトなんで少し早め(?)に更新です

というか多数体一の戦闘って難しい。


ではまた次回

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