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私は帰ってきた!

今回はマナ視点となります。ご注意ください。

 私が『ベスティア獣神国』に飛ばされてから数カ月。無理矢理座標をいじった結果、たまたま転移先となった部屋で会談中だった国王様とSランク冒険者のトーチさん。その二人とその組織の力を借りて、私は帰ってきた。

 出された無理難題とかちょっとした問題とかをなんとか解決し、『魔法学園』に潜り込んでいた魔王信奉者たちを倒し、禁書庫の封印を解こうと暗躍していた貴族を倒し、解かれた禁書に封印されていた悪霊とそれに囚われた軍勢を倒した。いやこの短期間に『ベスティア獣神国』問題起きすぎでは?


 この数カ月、言われるがままにただただ問題を解決していただけではない。

 『魔法学園』に保存されていたおびただしい量の書物を読み、トーチさんと限られた幹部の方々との上位属性の研究。そして『ベスティア獣神国』の秘蔵の魔導書までも読ませていただけた。知識を蓄え、魔法特化で育ってきた方々の技術を己の物としてきた。新しい戦法も掴んだしね。



 『魔法学園』の本拠地からいくつかの支部を経由して転移を続け、今日トーチさんと部下の人数名と共にここグリムの町まで帰ってきた。


「マナちゃんはここでいいんだっけ? せっかくだしお昼ごはんでも食べに行く?」


「私はそのまま館に帰るよ。今の時間だとダンジョンに行っているかもしれないけど、アンナの配下の子たちはいるだろうから」


「そっか。私は今日はこの町の支部にいるから、明日か明後日にはそっちのお屋敷に伺うよ。領主様のところにもいかないとだし」


「うちの面々は何日も泊まり込みでダンジョンとかは行かないと思うから、先に約束とかなければみんないるはず」


「せっかくマナちゃんが戻ってきたんだし、明日明後日とお祝いパーティでも開いてくれるんじゃない?」


「かもしれないね。メイももう戻ってきているみたいだし、あとはヒツギだけ。話をしに行くにはちょっと遠出しないと」


「『アーディア』に行くんだよね。まあこっちは任せてよ。新しい力で魔族に目にもの見せてあげるから」


「頑張ってね! お世話になりました!」


 『魔法学園』の面々と挨拶をかわし、私は一人町をあとにした。




 森の中、館に続く道を進む。町を出てからは影の中からコルクも出てきていた。

 もともと私を守るためにメイがよこしてくれたコルクだけど、基本的には影の中から出ることはない。私が頼みこんで、彼自身も己のためになると判断した時か、私が危険だと判断した時だけだ。特に禁書庫での戦い以降はどれだけ呼びかけても出てきてくれることはなかった。今こうして出てきているのは少しでも早くメイたちに帰還を知らせるためかな?


 途中ですれ違った冒険者はコルクの姿にとても驚いた様子を見せていたけど、特に問題はなく館を囲う風の結界までやってきた。


「カルアの結界……こうやってしっかり見てみるとほんとすごいよね。私そこまで詳しくないんだけど、これ地脈まで利用してる?」


「おそらくな。我と同じようにカルアとアンナ、みぃちゃんもつながりが切れていたはず。主の『再生』の力を頼りに魔力をもらい続けることはできない以上、カルアのみで維持するには少々骨が折れる」


「ああ、それで地脈から魔力をもらってたってことか」


「やったのはアンナだろうがな。別れる以前からそういうことをしていた」


「ふーん……。これなら私たちが通る分だけ解除してもいいけど……あ、アントが来たね。おーい、ここだよー!」


 館からアンナとカルアがやってくる気配はなく、館に入るためにどうしようかと悩んでいたところ、森の中から看板を持ったアントが一体やってきた。


「『おかえりなさいませ』か。うん、ただいま! アンナを呼んでくれる?」


「もう連絡済みだそうだ。すぐにこちらにやってくるだろう」


「了解。楽しみだなぁ」


 コルクの言う通り、それから間もなくカルアが空を飛んでやってきた。風の結界をするりと抜けて私の胸にダイブしてくる。


「くわーーー!」


「うわっ! ただいまカルア。メイたちはダンジョンかな?」


 カルアは久しぶりの再会を喜ぶように万歳を繰り返し、私の質問には「くわー」とうなずいた。


「そっか。じゃあ館で待ってようかな。帰ってきたメイたちを驚かせてあげちゃうんだから!」


 私の言葉を受けてカルアが風の結界に穴を開ける。その穴をくぐり、私たちは館の方へと歩を進めた。




 結界の端までのお迎えをカルアに任せていたアンナとは、館の玄関で合流した。ヒメを通じてメイたちに私が帰ってきたことを伝えてくれていたらしい。ヒメちゃんそんなことできるようになったの?


 コルクはアンナたちと少し話があるとのことだったので玄関に残し、私は先に館の中に入る。今どのダンジョンに挑んでいるのかはわからないけど、帰ってくるまでにはまだ時間があるだろう。今のうちに軽食をとって荷物の整理を済ますのだ。


 その後、荷物の整理も終わり、時間つぶしにと本を読んでいるとアンナからメイたちがダンジョンから帰ってきたと連絡を受けた。私も玄関で出迎えよう。

 それから待つこと1分ほど。早足でこちらに向かってくるメイたちの姿が見えた。


「メイ! キャラビー! ユウカ! ただいま!」


「マナ! 本当に無事でよかった。おかえりなさい」


「わしらは少し前に通信の魔道具で見てはいたが、改めて見ても元気そうじゃの。おかえりなのじゃ」


「おかえりなさいませマナ様!」


 三人とも元気そうで、再会を喜びあう。『悪の洞穴』でアンデッド軍団とやりあった後だからと再会のハグこそできなかったけど、今晩は寝かせないんだからね!

 再会を喜び合うのも束の間、コルクがメイのところに歩み寄って膝をついた。


「主よ、ご無事で何より」


「ああ、お前もな。マナを守ってくれてありがとうな。また頼むよ」


 切れていたメイとの繋がりを結びなおすためか、コルクの体が消えてメイの中に入っていく。最後に一言残して。


「申し訳ありませぬ。耐えてくださいませ」


「へ?」


 コルクがメイの中に戻っていた次の瞬間、メイの体から大量の血が弾け飛んだ。


どうもコクトーです。

マナ視点のため、職業レベルはなしとなります。


気づけば1月も終わり2月になってました。まだまだ寒すぎる日々が続きますね…


ではまた次回

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