悪の洞穴です1
次の日の朝、俺たちは『善の洞穴』の第二段階、『悪の洞穴』へ向かった。
昨日ユウカたちと確認しなおしたが、『悪の洞穴』は各階層ごとに広場とそれぞれをつなぐ通路からなる洞窟型のダンジョンだ。『善の洞穴』と比べてもダンジョン全体で罠が多くなっており、罠を察知する力、そしてそれを解除する力が重要になってくる。
ただ、このダンジョンで最も重要な変化はモンスターが壁を抜けて強襲してくるということだ。通路にもモンスターがでてくること自体は別に変なことではない。だが、気配察知系統のスキルにも反応せず、壁の向こうから急に跳び出して襲ってくるのは対処が難しい。しかも第二段階のダンジョンということもあり、一体一帯のモンスターが強く、上位種のモンスターが当たり前のように出てくるとのことだ。対アンデッド用のスキルは増えているし、個々の能力も上がっているからなんとかなるとは思うが、壁付近の罠解除中のキャラビーが襲われたりすると対処も難しそうだ。可能な限り近くで俺たちが構えておくことを決めてはいるが、実際に起きてみないとなんとも言えないな。
『悪の洞穴』にやってくると、ちょうど2つのパーティが準備を整えているところだった。
「おや、これは珍しいお方が……」
「あっれーユウカさんと猫っ子、とー……『マツノキ』の!」
「メイだ。ユウカの知り合いか?」
「『白き御旗』のソレイユと申します」
「『アーキテクト』パラボラよ。『悪の洞穴』のボス待ちの時にちょっとね。噂のSランクとお話できて光栄ってね」
「お主らか。メイよ、こ奴らがここの最前線パーティたちじゃぞ?」
「ユウカさん、ソレさんとこだけっすよ。うちはまだ4層を突破できてないから」
「ほぼ踏破手前までは行ったと聞いておるぞ? ボス戦で止まっておるとなれば追いつくのもそう遠くない話じゃろうて」
「そうですわ。私たちはあまり奇襲を受けることなくたまたまたどり着いただけ。ボスに一当てはしましたがまるで通じず、力不足を感じているところですもの」
「ソレさんたちを疑う気はないっすけど、情報の通りならソレさんたちが初見で勝つのは無理っしょ。相性が悪すぎて」
「今日は合同で潜るところじゃったのか? なんにせよ邪魔しているようじゃからほどほどにしようかの」
「『アーキテクト』の方々とたまたま挑むタイミングがかぶってしまっただけですわ」
「そーそ。今日は泊まり込みじゃないし1層ぐるぐるりして帰るよ。時間的余裕はばっちりあっから気にしないで。遠征はまた来週かな」
「私たちも今日は1層に挑んで終わりですわね。『マツノキ』の皆さまもそうですの?」
「『悪の洞穴』は初体験じゃからな。深くまではいかんと思うぞ。のう、メイ」
「罠が多いって話だしキャラビーの負担も多そうだからな。ここの感覚をつかむためにもある程度は長居するかもだが、今日は奥までは行かないって言ったのユウカだろ?」
「最前線を行くパーティを紹介されて対抗意識でも持つかと思っておったが、案外冷静じゃったの」
「よーし帰ったらゆっくり話そうか」
「ベッドの上でじゃな。よろこんで」
「私もお供します、ご主人様!」
「おーモテモテじゃん! 噂のユウカさんの彼ピも目に焼き付けたし、オジャマムシはここらで退散ってことで。奥で困ってたら助けてね」
「ふふ。大司教様にいいお土産話ができましたわ。私たちもどうやらメンバーが呼んでいるようですのでここらで失礼します」
どちらもわずかににやけた表情のまま、素早い動きでパーティメンバーのところに戻っていった。ダンジョンから出た後で何もないところで転んでしまえばいいんだ!
「さて、わしらも行こうかの」
「ああいうタイプの冗談はやめないか? 道中の冒険者の中に俺を恨みがましい感じににらんでくるやつがいた理由が分かった気がするから」
「有名税とでも思っておれ。わしの伴侶になるには十分すぎる実力は持っておるじゃろう? いい加減腹をくくらんと、『魔法学園』から帰ってきたマナはきっと新たな魔法でお主を食べにくるぞ?」
「『喰らう瞳』をなめんな。転移がなくても逃げきってやる」
軽口をたたき合いながら2パーティがダンジョンの通路に消えていくのを見送る。そして俺たちもそれぞれの武器を取り出して『悪の洞穴』一層へと足を踏み入れた。
どうもコクトーです。
『刈谷鳴』
職業
『最大
ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)
盗賊 (50) 剣士 (50) 戦士 (50)
魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)
冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)
狂人 (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)
神官 (50) 剣闘士(60) 重戦士(70)
龍人 (20) 死龍人(20) ローグ(70)
魔導士 (90) 精霊使い(40)舞闘家(70)
有効職業
聖魔??の勇者Lv23/?? 大鬼人 Lv26/40
上級獣人Lv18/30 魔人 Lv15/20
探究者 Lv42/99 狙撃王 Lv15/90
上級薬師Lv10/80 上級龍人Lv4/30
死霊術師Lv24/100 アーマーナイトLv1/99
剣闘騎士Lv1/99
非有効職業
呪術師 Lv1/80 死龍王Lv1/30
盗賊王Lv1/100 大魔導士Lv1/100
上級精霊使いLv1/50』
ちょい短めですがキニシナイキニシナイ。
ではまた次回