帰ってきました8
「すぐにはこっちにやってこれんそうじゃからこの場にはおらんがちゃんと生きておる。今は『ベスティア獣神国』にある『魔法学園』の本拠地にいるそうじゃ」
ユウカからマナの無事、そしてその居場所もわかっていると伝えられ、安心感から一気に力が抜けた。俺が『ヤカリ森国』にいたようにマナもまた国境を越え、『ベスティア獣神国』にいるという。『魔法学園』というとユウカと同じくSランク冒険者がいるところだったか? 魔法をメインに扱うところであればマナ無双してるんじゃないかな……。
「そうか! よかった、無事なんだな」
「今のところではあるがの。『魔法学園』経由で『ベスティア獣神国』の国王から依頼を受けるような立場になっておるようじゃ。トーチと共に研究にも励んでるそうじゃし、すぐに出られるような状況にはないじゃろう」
「国王様から依頼されるなんて何やらかしたんだ?」
「本人もトーチも話さんかったからわからん。なんぞ事件にでも巻き込まれたか、『魔法学園』が抱えておった国からの塩漬け依頼でも片付けたのじゃろう」
「魔法を作る系統の物であればマナ様ならなんとかしてしまいそうな気はしますね」
「まあ要りそうだったから作っておいたよって作りそうな気はするな……」
マナの持つ『力』は、こと魔法については他の追随を許さない。本人も勉強を苦にしないタイプだし、この世界に来てからもかなりいろいろと魔法のことを勉強していた。暇があるときに既に覚えている魔法の分析をしている光景も何度も目にしていたし、それが新しい魔法の構築にも活きているだろう。
「俺たちの方から向こうに迎えに行くのはやっぱり厳しいか?」
「簡単ではないじゃろうな。お主も知っての通り、つい先日まで『ヤカリ森国』が魔王軍の襲撃を受けておった。それが解決したと思えば、今『ベスティア獣神国』では氾濫の兆候があがっておるそうじゃ。複数、同時にの」
「複数同時に?」
「不思議じゃろう? 何者かが糸を引いて居るとしか思えん。そして、そんなことができるとすれば……」
「魔王か」
「ギルド、そして国はそう見ておる」
「ユウカ様、それ言ってしまっていいのですか?」
「どうせ無関係とは言っておられんじゃろうて。そもそもあんな話、各自が自身のギルドに共有しておるわ。一人二人知っているだけじゃと何かあっても何もできんからの。わしもその例にもれず『マツノキ』に情報を共有しているだけじゃよ」
「そういうものですか?」
「考えてもみよ。例えばじゃが、ゴールド一人がそういう情報を持っていたとしたらどうじゃ? できることは限られておるから、あやつは何がなんでも周りを守り続けるはずじゃ。しかし、『金の軍団』がそういう情報を持っておったとしよう。さすればとにかくあやつが守り、他のメンバーが攻める。そうしてやれば敵の殲滅だって可能じゃ。それを許さんほどギルドも国も愚かではないわ」
「そうは言っても話せない物もあるだろ?」
「もちろんじゃな。じゃが、そういう時はそういう契約であったり、機密としてつめられるわ」
「だろうな。勇者が敵に堕ちたとか言えないだろ?」
「ああ、その話もあったの。と言っても我らにとってはその話は今更じゃろ?」
「実際にその敵から話を聞いてるからな。でもスタンピード対策なら戦力が少しでもあった方がいいんじゃないか? それこそ少人数ですぐにでも動ける俺たちなら適任だろ」
「同じことが他の国で起こらんという保証がない以上、下手に戦力をまわせんのじゃよ」
「魔王軍が他のダンジョンでもスタンピードを起こそうとしているということか?」
「可能性があるという感じじゃの。既に攻略されているダンジョンであれば心配はないが、未攻略のダンジョンはすべて警戒対象と言える状態じゃ。恐ろしいことにの」
「ここの第二段階、その4つも当てはまるのか?」
「わしとしてはあの朱雀という大ボスから簡単に制御を奪えるとは思えんが、ここのダンジョンがどれか一つでも氾濫してしまえば滅ぶ町は一つ二つではないじゃろうな。半分程度までしか到達できておらんのにAランククラスのモンスターたちがうじゃうじゃ出てくるんじゃから」
「でも、氾濫させるにもダンジョンの奥まで行かないといけないんじゃないか? 入ってすぐの場所からダンジョンそのものを支配できるならもっと多くのダンジョンが溢れてるだろ」
「そういう意味ではこの辺りは大丈夫なんじゃがな。魔王軍がここのダンジョンを攻略できるなら話は別じゃが」
「戦闘力だけならできそうだが、ダンジョンはそれだけじゃないからな」
「ま、そうじゃな。まあ専用のやつらもいるかもしれんが」
「……私のご先祖様がいますよね」
「エルギウス・ファントムだな。あいつも何らかの物語になってるのかな?」
「名もなき物語はまだまだあるからの。既に失われた物もあれば、どこかの口伝として内々だけで伝わっている物もある。そういう類であればもはやわからん」
「多少は弱点になりそうな話がないかと思ったんだが厳しいか」
「糸口にはなるかもしれんが、厳しいじゃろうな。というか、過去英雄として国や民を守った者たちが人類の敵になるとはままならんの」
「そうだな……」
その後、何とか行けないかと提案する俺に対して、二人そろって厳しいからマナからの連絡を待てと苦言を呈される時間が続いた。残念ながら説得材料も底をつき、すぐにマナを迎えに行くことは諦めるのだった。
どうもコクトーです。
『刈谷鳴』
職業
『最大
ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)
盗賊 (50) 剣士 (50) 戦士 (50)
魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)
冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)
狂人 (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)
神官 (50) 剣闘士(60) 重戦士(70)
龍人 (20) 死龍人(20) ローグ(70)
魔導士 (90) 精霊使い(40)舞闘家(70)
有効職業
聖魔??の勇者Lv23/?? 大鬼人 Lv26/40
上級獣人Lv18/30 魔人 Lv15/20
探究者 Lv42/99 狙撃王 Lv15/90
上級薬師Lv10/80 上級龍人Lv4/30
死霊術師Lv24/100 アーマーナイトLv1/99
剣闘騎士Lv1/99
非有効職業
呪術師 Lv1/80 死龍王Lv1/30
盗賊王Lv1/100 大魔導士Lv1/100
上級精霊使いLv1/50』
先週はすみませんでした。久しぶりの友人たち、ひっっっじょうに楽しかったです。
ではまた次回