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帰ってきました7


 再開の喜びを分かち合い、謎の戦闘を勝ち上がった後、シャワーで汗を流しに行った二人のため、食事の用意をしにリビングに向かった。食事の用意とは言ってもがっつりではなくサンドイッチやおにぎりなんかの軽食だけだ。大皿に並べるだけでいいかな。



 10分と経たずに出てきた二人とともに席についた。二人ともまずはと言わんばかりに食事に手を付け始めた。泊まり込みでのダンジョンから帰ったばかりではあるし、もう少し用意した方がよかったかもしれない。


「急ぐことはないからゆっくり食べな」


「子供扱いするでないわ。じゃが、もう少し肉類はあるかの?」


「ああ、肉系は豊富にあるよ。チビどもとゼルセが手元にいたからなおさらな」


 ユウカのご要望に応えて肉串やサイコロ肉を皿ごと用意する。半ば冗談でゼルセ用の大きめステーキも出してみたら、ナイフで切り分けて食べ始めた。なんか俺もお腹空いてきたしちょっと食べよう。


「ご主人様、こちらもおいしいですよ」


「俺のアイテムボックスに入ってたものだし知ってるよ。おいしくいただいてる」


「『ヤカリ森国』で買った物かの?」


「ああ。都合よく持ち帰り可の店があったから買い込んだんだ」


「簡単に行ける場所ではないからの。少しでも味を盗むとするのじゃ」


「頑張ります!」


 キャラビーはふんすと拳を握りしめて真剣な表情で食事にのぞむ。


「そんな気張らなくていいって。頻繁にはいけないけど二度と行けないわけじゃないし、こっちにだっておいしい店は山ほどある。野菜類はアンナがいろいろ育ててくれてるし、またみんなで飯を作ろう」


 俺の言葉に、今ここにいない二人のことが浮かんだのか、どことなくキャラビーの表情は浮かない様子だ。


「飯は食いながらでいいから、情報共有といかないか? 2人とも無事ってことは魔王たちは引いてったってことだとは思うけど……」


「そうじゃの。もう広場はアンナの配下たちが直してくれておるが、グリム卿がスカイ、アーカイブ、ドレアムの3人を使って砲撃を落としおってな。わしもその直前に回収され、なんとか生きておるわけじゃ」


「魔法特化のSランク冒険者3人使った砲撃ってよく魔王にばれなかったな」


「カラスを作る個体のうちの一対二体の効果でばれない距離からの攻撃を届けたと言っておったな。実際わしも攻撃が行われるまで気づけんかったし」


「その感じだと戦闘の途中から見てたんだろ? 攻撃を打ち込むタイミングを計って」


「終盤らしいぞ? なにがあったかわからんかったからと説明にわしらも呼ばれたしの。キャラビーの啖呵、お主にも見せてやりたかったわ」


「や、やめてくださいユウカ様」


「その結果、こんなに頑張って鍛えたんだろう? さすがキャラビーだな」


「えへへ……」


 頭を撫でてやると笑顔でぐりぐりと手に頭をこすりつけてくる。前より押しが強くなったな。


「こちらのことはよいじゃろう。がんばった。ちょっと王都に呼び出された。また頑張った。これくらいじゃ」


「いや王都まで行ってたの?」


「お主が暴れた戦争の話で招集されたんじゃよ。向こうに行って何があったのじゃ? 先にも少し話しておったが、エンシェントエルフ様の客将などそうそうなれるものではないのじゃぞ?」


「さっきも言ったけど、俺じゃなくてもともとはヒメがきっかけなんだよ。エンシェントエルフ様と共に国を守ってる守護龍様がヒメのもとになったモンスターの知り合いで、助けてもらえることになったってわけだ」


「いきなり守護龍様やエンシェントエルフ様のところに飛ばされたんですか?」


「いや、最初は里の近くの森に飛ばされた。エルメラさんっていうエルフの鍛冶師に助けられて、警備隊のエルフたちを呼んでもらって、里長、エンシェントエルフ様と順番に送られた感じかな」


「あの龍狂いがの……。お主その間死にかけておったんじゃよな?」


「意識はなかったけど、黄龍曰くエルメラさんに助けてもらった時点で浸食自体はゆっくりになってたらしい。回復系の『リジェネレイト』がレベルアップしてな。まあでも取り除いてもらえなければ完治まではいかなかったから助かった」


「起きた時にはもう完治した後というわけじゃな」


「まあな。起きたら知らないベッドで寝てて、歩き出せばお偉いさんと来たもんだ。ほんとびっくりしたよ」


「エンシェントエルフ様の下でしばらく療養を?」


「どうも昔のひつ姉のパーティメンバーだったらしくって、本人はそのつもりだったようだよ。いろいろ話を聞く代わりに場所を提供するって。でも、ヒメ、引いては次代の白虎の守り手にふさわしいか見極めるってすぐに守護龍様の試練を受けさせられたからそうもいかなかった。『再生』で肉体的には疲労もダメージも残ってなかったし、精神的な疲労はあったけどいろいろ整理する暇もなかったよ」


「転移能力を失い、絶対的な武器も失った状態でか?」


「幸い魔法はそのままだったからな。死にかけたけど何とか乗り越えられた」


「どんな試練だったのですか?」


「守護龍様が管理するダンジョンでひたすらモンスターと連戦だよ。乗り越えたおかげでいい防具も手に入ったし、転移のない状態での戦い方もある程度固まった。一発殴る代わりに素材ももらったし、もう怒ってないよ」


「国の守護者たる龍を相手に何たることか……。まあお主らしいといえばお主らしいか」


 話が進むうちに次第に食べ物をとる手も止まりだす。気をきかせたブラウニーたちに空いたお皿の片づけを頼みながら俺たちの話は続いた。


「守護龍様の試練を越えた後は里に戻った。そこで鍛冶師のエルメラさんに新しい武器を依頼したり、今度はエンシェントエルフ様の課す試練をこなしてたよ。戦争が起きたのはしばらく経ってからだ」


「かの龍狂いの武器とはわしも興味があるから後で見せてほしいのじゃ。噂にたがわぬ凄腕なのじゃろう?」


「魔剣ステュラを生まれ変わらせることには成功したよ。本当にありがたかった……。戦争については詳細はいらんだろ? もう聞いてるみたいだし」


「お主の活躍も、敵と一部のエルフの胸糞悪い話も、じゃの。報告としてあげられんような話はあったか?」


「エンシェントエルフ様には報告を上げたけど、敵にかつての勇者がいたよ。ブラウニーたちの主だった幽霊が」


「なんと!?」


「この子たちのですか!?」


「ただでさえ現勇者一行が魔王の手に落ちてるのに、昔の勇者まで敵に回ってるなんて報告は上げられないって」


「幽霊となると魔王軍におる死霊使いに操られてでもいるのじゃろうか? いずれにせよ厄介じゃ」


「多分マナなら解析できると思うんだけど、俺じゃどうにもな。そうだ、マナの情報は入ってるか? 向こうじゃ調べられなかったんだ」


 俺のこともなんだかんだ『ヤカリ森国』にいることを突き止めてはいたらしいし、マナのことも伝手で把握しているかもしれない。そう期待を込めてユウカに尋ねると、キャラビーと二人そろって笑みを浮かべた。


「ふっふっふ、安心せい。すぐにはこっちにやってこれんそうじゃからこの場にはおらんがちゃんと生きておる。今は『ベスティア獣神国』にある『魔法学園』の本拠地にいるそうじゃ」


「そうか! よかった、無事なんだな」


 仲間全員の無事がわかり、ふっと体の力が抜けた。倒れるように椅子に深く腰掛け、俺は大きく息を吐いた。




どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 神官  (50) 剣闘士(60) 重戦士(70)

 龍人  (20) 死龍人(20) ローグ(70)

 魔導士 (90) 精霊使い(40)舞闘家(70)

有効職業

 聖魔??の勇者Lv23/?? 大鬼人 Lv26/40

 上級獣人Lv18/30   魔人  Lv15/20 

 探究者 Lv42/99   狙撃王 Lv15/90

 上級薬師Lv10/80    上級龍人Lv4/30

 死霊術師Lv24/100   アーマーナイトLv1/99

 剣闘騎士Lv1/99

非有効職業

 呪術師 Lv1/80    死龍王Lv1/30

 盗賊王Lv1/100    大魔導士Lv1/100

 上級精霊使いLv1/50』

夜勤明けた後の3連休はマジで助かりますね…体調整える時間ができる…


ではまた次回

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