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帰ってきました4


 アンナの案内で森の中にある苗木を植える候補地へと向かった。

 館の裏側に回り、町の方角から離れるように歩き出す。この森の中で何を目印にしているのかはわからないが時々右に左にと進む方向を変えながら進んでいく。森の中を進む中でアンナがふと立ち止まった。


『ああ、そういえば主様、罠なども作ってますので注意してくださいね』


「お前の私室があるところって言ってなかったか?」


『畑や森で収穫した食料などはお屋敷の倉庫の方にしまっていますが、配下たちの分の食料などはそちらにしまってしまうと不便ですし、武器を使える個体に渡す在庫だったり、私個人の研究で使う物などはこちらの倉庫にしまっています。そういう物の管理もしようと考えると専用の警備網の構築、そして罠の設置は必須なのですよ』


「アイテムボックスは使えないんだよな? 魔法袋がゲットできたら渡そうか」


『いくつかは諸事情で森で拾った物がありますが、あって困る物ではないですしお願いします』


「お前……持ち主、は無理か。袋の中身はどうした」


『後ろ暗い証拠になるようなものはユウカ様にお渡しして役立てていただいていますよ』


「そんなことしてたの?」


『主様がいない間の話ですが、以前襲撃に来た人間と盗賊の持ち物にあった書類からどこかのギルドの上役と闇ギルドのつながりがわかって、粛清に繋がったということもありました』


「んーユウカなら下手なことにはならないと思うが、俺やマナを探すために少し無茶をって可能性もあるし、警戒は厳重にしてくれ」


『承知しました』


「ところで、俺の『罠察知』にヒットしないのは罠の設置方法が特殊だったりするのか? それとも単に罠の位置まで到達していないだけか?」


 話の流れで気になったことをアンナに聞いてみた。後者ならばいいんだが、前者ならもっとレベル上げに努めないと、これから先敵の本拠地に攻め込もうというのに心配だ。


『ここに来るまでにもいくつかありましたが……従魔である私の配下が仕掛けた物だからということじゃないでしょうか? 我々の魔法でスキルのレベル上げができないように、『罠察知』も経験値を稼げないように反応がないのかと』


「クソ、忘れてたよそれ。でもそれは少し困ったな。フレンドリーファイアとは言わんが罠を見逃したらアウトだろ? ちなみにどういう罠があるんだ?」


『もちろん敵を殺すための土槍を放つ罠などもありますが、侵入を伝える罠が大半です。伝わればどうとでもできるように蟻たちは配置済ですから』


「一時的に無効化できたりする?」


『魔法で用意した罠ならば無効化可能ですが、それ以外は無理ですね。よけながら行きますから何とかしてください』


 その後アンナから通路でかかる可能性のありそうな罠について軽く説明を受け、苗木を植える候補地へと再び歩きだした。しかしツタで足を引っかけて持ち上げたところに蟻酸連射はなかなかえぐすぎないか?




『あの階段を下った先が目的地です』


 アンナの指示に従って進み、罠に引っかかることなく目的地にたどり着いた。途中、警備担当と思わしきアントたちの姿も散見されたがアンナが一緒にいる以上は何もなく通り過ぎることができた。当然と言えば当然か。

 木々を切り開いて森の中に作られた広場にぽっかりと空いた穴と、奥が見えないようにらせん状に作られた階段。その奥にアンナが色んなものをしまう倉庫と私室があるとのことだ。ちょっと何が置かれているか気になるから帰りに倉庫も見ていこう。


「それじゃ行くか」


『はい』


 アンナについて階段をぐるぐると下っていくと、目的の地下広場に到着した。アンナが言うにはもともとここにはこんな地下空間も存在しなかったらしいが、俺も会ったことのあるアンナ直属のモデルクイーンアントが生んだ個体が秘密裏に作成していた空間なのだそうだ。先ほど経験したように、俺という人間がトップに君臨していることになっている状況、ひいては人間程度に従えられるアンナが気に入らないと考えを持った個体たちが結託し、自分たちの巣を作るために掘り始めた空間だ。頭の弱い個体が他のアントたちに手を出したことをきっかけに把握して接収。以降、アンナが倉庫と私室として使い始めたという。

 現在は中央の大きな空間か十メートルほどの短い通路を挟んで広場が3つあり、アンナの私室、倉庫、そして同じような地下空間を作らせないための探知部屋として特殊なキングレーダーアントという種を中心としたシステムを構築した場所がある。いずれは残る方角にも広場を作る予定だったそうだが、セキュリティの面から、今回はアンナの私室のさらに奥に潜る地下空間を作り、そこに苗木を植えるということだ。


「今更なんだが、ここには光も入ってこないし、木が育つのか?」


『はい。植物を操る魔法というのは様々ありますし、何よりあの方の生み出した物であればなんとなく傾向は理解できています。昔と変わらなければ大丈夫でしょう』


「『パイフー』にいた頃の記憶か」


『ええ。それでは早速空間を作っていきましょうか。主様、空間を守る子と管理を任せる子を生みますので魔力をいただけますか? あと、ヒメ様にもお力を貸していただきたいので呼んでいただきたく』


「わかった。ヒメ」


「かう!」


 話は聞かせてもらったと頭の上に現れたヒメがアンナの方へ跳びあがる。モデルクイーンアントたちを生んだ時にすら自身が使える範囲だけで俺の魔力は使わなかったのにいったいどんな個体を作ろうというのだろうか。


 楽しみなような恐ろしいような、そんな気持ちを胸に、俺はアンナの頭に手を置き、魔力を流し始めた。

どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 神官  (50) 剣闘士(60) 重戦士(70)

 龍人  (20) 死龍人(20) ローグ(70)

 魔導士 (90) 精霊使い(40)舞闘家(70)

有効職業

 聖魔??の勇者Lv23/?? 大鬼人 Lv26/40

 上級獣人Lv18/30   魔人  Lv15/20 

 探究者 Lv42/99   狙撃王 Lv15/90

 上級薬師Lv10/80    上級龍人Lv4/30

 死霊術師Lv24/100   アーマーナイトLv1/99

 剣闘騎士Lv1/99

非有効職業

 呪術師 Lv1/80    死龍王Lv1/30

 盗賊王Lv1/100    大魔導士Lv1/100

 上級精霊使いLv1/50』

先週はすみませんでした。(コクトー比)久しぶりの夜勤もあり体調を崩しました…。

あと過去トップレベルで書き直ししてました。むむむ


ではまた次回

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