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帰ってきました2



 大量に展開した『魔力盾』と『ダークネスシールド』にアントたちが放つ蟻酸が当たる。留守の間も日々館の警護などを担ってくれているアントたちを倒さないように反撃は極力しないつもりのため酸を防いで消えた端から次々に盾を生成していく。

 俺に攻撃を防がれたのを見るや否や隊長格のビッグガードアントの指示で一部のアントたちが背後に回ろうと動き始めた。


「ヒメ、遠距離攻撃は俺が盾で防ぐから下に潜ろうとするやつがいたら牽制してくれ。アント系なら地面を掘るのは得意だから」


「かうかう」


 ヒメが短い前足で指し示した先ではさっそくアースアントが潜ろうとしているのを半透明な牙が噛んで放り投げていた。初手で遠距離から攻撃をしかけつつ一部の個体は地面に潜って相手を強襲する準備。アンナの配下というだけあって訓練などもしているのだろうが遠くから牙で放り投げられるのは想定外だろう。


「早いな。『シャドウハンド』」


 『魔力盾』を周囲に増やしながら、回り込もうとしている奴らに影から手を伸ばした。アントたちも捕まらないように動き回ってくるがすぐにとらえてビッグガードアントたちのところに放り投げる。飛んでくる蟻酸にあたらないように少しは離すが思ったよりも軽くて予定より遠くまで飛んでしまった。


「ギギギ、ギギィ!」


 連続で放たれる蟻酸に紛れ、アースアントがアースニードルを飛ばしてきた。山なりに上から狙ってくる弾道だが盾は既に半球を描くように展開済だ。


 それからも次から次に攻撃が放たれては盾に防がれるのが続くこと五分。追加でやってきたアントたちも十体ほどいたがそいつらの攻撃も盾を超えることはなかった。一度スナイパーアントの攻撃が盾が消滅する瞬間を狙ってきてこちらに届きかけたが、すんでのところで『魔力盾』の再生成が間に合い攻撃が届くこともなかった。


「クワァアアア!」


「気づいてくれたみたいだな」


「かうあう」


 結界の内側から聞き覚えのある声が聞こえた。その声に反応してアントたちの動きも止まる。

 俺たちの側の風の結界にヒメとそれほど変わらない程度の大きさの穴が開き、風切り音とともにそこから声の主が弾丸のように盾を粉砕しながら突っ込んできた。


「ぐほぁ!?」


 咄嗟の『不動明王』も間に合わず、腹に嘴の先がめり込んで俺を吹き飛ばした。


「げほ、げほ……。カルア、待たせて悪かったな。ただいま」


「クワァアアアアアアアアアアア!」


 嘴の先を脇腹にぐりぐりと押し付けながら泣くカルア。痛みを堪えながらもその頭をそっと撫でた。視界の端でヒメもうんうんとうなずいている。


『ヒメ様、主様、お帰りなさいませ。お帰りを心よりお待ちしていました』


「アンナ、留守を守ってくれてありがとう。ただいま」


 カルアから少し遅れてアンナもやってきた。蟻の顔故に表情はわからないが声色から喜んでくれているのはわかる。


『転移で引き離された際に従魔としてのリンクも切れてしまいましたが、必ず生きていると信じておりました。ヒメ様の守手でもあられる主様がそんな簡単に死ぬはずがないと』


「信頼が厚くて何よりだよ。すぐにでも結びなおせるのか?」


「かうかう!」


『ヒメ様にかかれば容易いことですね。カルア、あなたもそろそろそのぐりぐりを辞めなさい』


「くわぁ……」


 涙と鼻水でぐちゃぐちゃになっているカルアが顔を上げてこちらを見上げた。ああ、服に鼻水がついてら。


「カルア、もう一回俺の従魔になってくれるか?」


「くわ!」


 片翼を上げて元気に返事するカルアは魔力となって俺の中に戻ってきた。


『スキル:眷属召喚(ガルーダロード:カルア)、眷属召喚(アンセスタークイーンアント:アンナ)が復活しました。 』


 出たままのアンナと違って一度帰ってきたカルアを召喚する。久しぶりに頭の上(定位置)は自分の物だとばかりにがっしりと頭を掴んできたがすぐにヒメが乱入して頭の上が重くなる。こら暴れるな。


『リンク成功ですね。これでまた多少無茶が効くようになります』


「だからと言ってあまりやんちゃはしないでくれよ。向こうじゃゼルセがかなり無茶なことをしてたんだ」


『だからでしょうか、かなりの強化を果たされたご様子。私たちも負けていられません』


「ほどほどにな。それでキャラビーとユウカは館の中か? 早く会いたいな」


『キャラビー様とユウカ様は今はダンジョンですね。昨日から泊まり込みで『善の洞穴』の37層を探索中です』


「随分半端な深さだな。ユウカ宛の指名依頼か何かか?」


『鍛冶師の方からお願いされて一緒に探索中です。キャラビー様が使用中の短剣を強化するのに必要な鉱石があるそうなのですが、判別がかなり難しいそうで、ユウカ様ならばわかると思いますが自分も同行すると』


「ガンダさんか。ありがたいな。なかなか濃いエルメラさんを相手にしてたせいかなんか名前を聞いただけで安心できる……」


『不思議なことをおっしゃいますね』


「悪い。みぃちゃんは一緒に行ってるのか?」


『はい。キャラビー様との連携は格段と強くなっていますよ』


「頑張ってたんだな。早く会いたいところだが、俺がダンジョンに行ったところで入れ違いになる可能性が高そうだし、待ってるとするわ。いろいろ整理したいこともあるし」


『承知しました。それでは私は少し失礼して』


 アンナが俺を攻撃してきていたアントたちの方に向かって歩いてくと、そのまま隊長のビッグガードアントの首をはねた。


「何してんの!?」


『彼の言葉は聞こえていましたから、さらなるやらかしをする前に処罰を。主様のことに気づいた上で下克上だと喚いていましたので』


 てっきり不審者扱いとして攻撃してきていたのだと思っていたがあのアントたちはどうも人間がボスであるアンナを。ひいては自分たちを従えているというのが我慢ならなかったらしい。今なら不審者だと判断したという完璧な言い訳もあるし、このチャンスに殺してしまえと。定期的にこういう個体が出てしまうそうだがその都度始末しているし、それ用の個体も生んであるそうだが間に合わなかったと謝られた。いやそうじゃないんだが……。


 アンナには守護龍様から頂いた木の苗のことも相談したかったのだがちょっと忙しそうだし後に回そうか。


 いつの間にか増えていた頭の上で争うちっこいの三体を『シャドウハンド』で強制的に持ち上げて館に向かって歩き出した。キャラビーたちに早く会いたいな。



どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 神官  (50) 剣闘士(60) 重戦士(70)

 龍人  (20) 死龍人(20) ローグ(70)

 魔導士 (90) 精霊使い(40)舞闘家(70)

有効職業

 聖魔??の勇者Lv23/?? 大鬼人 Lv26/40

 上級獣人Lv18/30   魔人  Lv15/20 

 探究者 Lv42/99   狙撃王 Lv15/90

 上級薬師Lv10/80    上級龍人Lv4/30

 死霊術師Lv24/100   アーマーナイトLv1/99

 剣闘騎士Lv1/99

非有効職業

 呪術師 Lv1/80    死龍王Lv1/30

 盗賊王Lv1/100    大魔導士Lv1/100

 上級精霊使いLv1/50』

ちょっとのんびりしすぎましたね。日付変わってた(遅)


ではまた次回

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