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転移してきました4

後半は第三者視点です。ご注意ください。


 黒龍オルフェウスを喰らい、手の上から重みが消えたと同時に周囲に広がっていた呪いが霧散した。一応『死龍装甲』を解除して龍の状態で問題ないことを確認してから『龍化』も解除する。


「メイ、よくやった」


「うむ。最初のブレスでも黒龍オルフェウスの遺体が残っていた時はだめかと思ったがお前の能力でならなんとかなったようだな」


 龍から人に戻るとすぐに土龍様と火龍様がこちらにやってきた。風龍様たちは通路に退避した人たちを守るための結界を解除した後、俺が撃ったブレスの余波でえぐった壁の方を確認しに行っているようだ。


「あれはどちらかというと囲っている岩とかを壊すためのものですし、もともとあれでなんとかなるとは思っていませんでしたよ」


「そうは言ってもあの死体の厄介さは我らはよく理解しているからもしやと思ったのだ。杞憂に終わったが」


「火龍、後任せるね。私疲れた」


 土龍様はアイテムボックスから寝袋を取り出すとその場でいそいそと着込んで眠り始めた。


「ほほほ。我々の中でも一番頑張ってくれていたのが彼女ですからね。後始末は私の方で何としましょう」


「風龍、いいのか?」


「ええ。とりあえずは彼女を休ませてあげましょう。幸いメイ様のブレスで消し飛ばされたところからも龍殺しの呪いは広がっていないようです。地面やこの空間に残っている呪いもなさそうですからそこまで大変なことはないでしょう」


「やっぱり結界にも影響出しちゃってましたか」


「あれもまた龍殺しの力だろう? であれば龍族の貼った結界は効果を発揮できんだろう」


「『死龍のブレス』ですね。事前に撃っていい方角を確認しておいてよかったです」


「死龍か……ダムドレアスの種族だったな。そのブレスともなれば相当強そうだ」


「俺の使える攻撃の中でも有数の威力を誇りますね。『龍化』も相まってですけど」


「いっそのこと人を辞めるか? 龍として生きると決めたのであればこの町はお前を歓迎するぞ?」


「俺は人を辞めるつもりはないですよ。それで、依頼はこれで完了でいいんですか?」


「ああ。本当に助かった。今更な話ではあるが報酬は何がよいのだ? 出せる物も限られてはいるが」


「できるならグリムの町まで送っていただけると助かるんですが、馬車の手配とかでもいいですか?」


 『ヤカリ森国』からここにやってくるのもそうだったけど、報酬として移動の手配というのは実際のところどうなんだろう?


「それくらいならばお安い御用だ。望むならば明日にでも出立できるように手配するがいつにする?」


「せっかくミラの町に来たんですからリュウマンジュウとか買っておきたい物もあるので明後日でお願いします。宿探さないと」


「風の館に泊まってもいいですよ。あの子も黄龍様とまだ遊びたいでしょうから」


「ぜひお願いします」


 こうして死龍王ダムドレアスの襲撃の後始末を終えた俺は今晩の寝床と、グリムの町へ帰るための足を手に入れたのであった。



---------------------------


「失礼いたします」


 ほんの半年ほど前、この町を襲った山の邪龍たちの長であり龍殺しの怪物、邪龍王ダムドレアス。そんな龍族の天敵を撃退した冒険者、『マツノキ』のメイの力を借りて黒龍オルフェウスの遺体から漏れ出る龍を殺す呪いの対処を行った。その日の夜、水の館の主である水龍の元に三体の龍たちが集まっていた。


「やはりお前が来たか。風龍は孫たちに捕まったか?」


「ご冗談を。本来であればこれは当代(自分)の仕事です。たまたま先代様の伝手で解決できそうな人物を招致できる状況が生まれたから活用させていただきましたが、いつまでも頼っていてはいけませんから」


 水龍の冗談に対し、己の力で今回の件を解決できなかったことを悔やむ空竜ガッフ。そんなガッフに向けられる視線は呆れを含んだものだった。


「どこまでも真面目だな」


「土龍もガッフの真面目さを少しは見習ってくれればよいのだがな……」


「今回は終始真面目だっただろう? 土龍だって必要な時には真面目に働くさ。ガッフ、気に病むなよ。我らとて先の襲撃に際してメイと知り合うことにはなったが、そもそもそれも偶然の産物だったのだから」


「その時は本人ではなく黄龍様の卵によるものだったが、ただの人が濃厚な龍の気配を放っていてな。水の館に呼びつけて問い詰めたものよ」


「先代様から聞き及んでいますよ。火龍様が試練を課したと」


「黄龍様の守り手となるのだから必要なことだったと今でも思ってるよ。結果的に堕ちたイフリートの処分ができてラッキーだった」


「火龍様であればイフリート程度いくらでも消し飛ばせるでしょうに。しかし、あの力、危険では?」


 冗談交じりに話す緩やかな雰囲気を打ち消すように、空竜の表情が変わる。その変わり様に火龍と水龍もまた真剣な表情を浮かべた。


「死龍王ダムドレアスや黒龍オルフェウスが持っていた能力と同じ龍殺しの力。我らの天敵とも呼べる力だな」


「はい。たかが人が持つには過ぎた力。と言いたいところですが、彼は既に私のような成り損ないをはるかに超えていた。生半可な龍ではあの力がなくとも敵わぬほど」


「本気を見たことがない故に断言はできんが勝てるのは土龍だけであろうよ。我や火龍も勝てん」


「だが、まあこちらが敵対しようと思わなければ我ら龍の敵となることはないであろうな。でなくばかの守護龍王様の加護など受けられるものか」


「古き森の守護者。風龍の既知とは言うが風龍ですら子供扱いできるほどの存在だぞ? そのようなお方が加護を与えようと思った人物だ。龍族としてとるべき道は友好だろうよ」


「既に龍に成れる人間だ。いずれ本物の龍となるかもしれん。そうなったときはこの龍の町で盛大に歓迎しようぞ」


 火龍、そして水龍の宣言とも言える言葉を受けて、三体が放っていた重々しい雰囲気は霧散していく。

 こうしてひっそりと行われた三体の長による会議は和やかに過ぎていくのであった。





どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 神官  (50) 剣闘士(60) 重戦士(70)

 龍人  (20) 死龍人(20) ローグ(70)

 魔導士 (90) 精霊使い(40)舞闘家(70)

有効職業

 聖魔??の勇者Lv23/?? 大鬼人 Lv26/40

 上級獣人Lv18/30   魔人  Lv15/20 

 探究者 Lv42/99   狙撃王 Lv15/90

 上級薬師Lv10/80    上級龍人Lv4/30

 死霊術師Lv24/100   アーマーナイトLv1/99

 剣闘騎士Lv1/99

非有効職業

 呪術師 Lv1/80    死龍王Lv1/30

 盗賊王Lv1/100    大魔導士Lv1/100

 上級精霊使いLv1/50』

先週はすみませんでした。前半部のキリまで書いたんですがさすがに短すぎたので続きをと思ったら間に合わなかったのです…


ではまた次回


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