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キャラビーとユウカの物語です13

今回もキャラビー視点です。ご注意ください。


 フレアさんと話しながら先導するユウカ様に続いて私たちは客間に向かいました。ユウカ様としては勝手知ったる我が家でもあるでしょうからわざわざ案内されるまでもないですね。

 外から見ているとそこまでではないように思いましたが、こうして通路を歩いてみると、グリムの町にあるお屋敷以上にこの屋敷は大きいように感じます。なんというか、何度か入ったこともあるご主人様のテントと同じような感じがしますね。


「あの、ユウカ様、このお屋敷についてなんですが」


「ん? お主なら知っておるじゃろう? わしがまだ王都におった頃の物じゃよ。管理は今はシーラに一任しておるが」


「それはもちろん知っております。そうではなく、何か見た目よりも広いなと」


「そりゃ王都に場所は限られておるからな。中を広くしたいと思ったらそういう加工が必要なんじゃよ」


「庭はそう簡単にはいきませんが、お屋敷については既に魔道具技術として確立しておりますからな。ここら一帯のお屋敷にはほとんどに適用されております。まあお安いものではないですし、できない場所があるのは仕方ありませんな」


「メイが持っておるテントが量産されていないのもそのあたりが原因じゃな。わしも持っておらんし。もう少しあれが出回ってくれたら物資なんかの面で大いに活躍してくれるははずじゃし、各地のダンジョンの攻略ももう少し進むとおもうのじゃが」


「それは難しいでしょうな。固定され、もともとある程度のサイズを持つ館だからこそというのもあるでしょうし、持ち運びできるサイズのものが量産できたらできたで冒険者ではなく騎士団や衛兵の詰所など各国の設備に優先して回されるでしょう。それだけのものですから」


「っと、話しておったらついたようじゃの」


 フレアさんの真剣な表情で語る姿は単なる庭師ではないと思わされますが、話している間に行き先についたようです。客間の扉を開けると机やソファ、棚などの最低限の家具が用意された部屋が広がっていました。

 かつてバラーガ様の奴隷であった時、あの天上院という勇者パーティの奴隷であった時に行った別の貴族のお屋敷にあったような高級品と一目でわかる調度品は置かれておらず、商人が使っていそうなといいますか、貴族として最低限の品質は担保されているのでしょうが、割と質素な調度品が飾られています。


「ここは変わりないようじゃの……いや、少し物が増えたか?」


「倉庫にしまわれていた贈り物を持ち出しましたからな。見目麗しい、いわゆるお貴族様向けの物品は別の部屋に固めてありますのでこちらは一般用ですぞ」


「普通に使ってしまえばいいじゃろ。あそこの大皿など皆で食事をとるのにちょうどよさそうじゃ」


「もちろん必要な物は使っていますとも。それでもまだ倉庫に残っているからこうして使ってるのですよ。今使っている物が壊れるか足りなくなれば使うでしょうな。ですがアレフもユウカ様にそのお仲間までいらっしゃるとなればお昼も今晩も張り切ってくれるでしょう。もしかしたらそちらのお皿も使うことになるかもしれませんな」


「それは楽しみじゃの。キャラビー、アレフの飯は絶品じゃからお主も楽しみにしておるといい」


「ありがとうございます。冒険者ギルドに向かうのは昼食後ということですか?」


「そうじゃな。シーラに頼んで昼過ぎに向かうと伝えてもらう。ギルドから何か言伝があればその時に聞いてきてもらおうかの。他のやつらもそうじゃが、わしらが直接行ってもよいかという話もあるからの」


「連絡のとれるところにいてほしいと言っていましたし、向こうから迎えが来ると言うことですか?」


「王都にも近くに『タイラン』があるからの。それなりに冒険者はおる。そんなところに召集がかけられたSランクの冒険者が2人も3人も集まってもみよ」


「ふむ。大騒ぎになりますな! しかしまた全員招集とはまた大事……。まあそうでなくばユウカ様がこうして王都へ急遽来られるようなことはないでしょう」


「頻繁に様子を見に来られんですまんの。さすがに今の拠点からここは遠すぎるのじゃ」


「いえいえ、困らせてしまい申し訳ない。『タイラン』という例外はあれど本来国の首都たる王都は戦闘力に秀でた冒険者が活動するような地域ではありませんからな。冒険者を引退した後で帰ってくる場所としてここをご利用くだされ」


「怪我によるものでなければお主ら全員もうおらんじゃろ。年を考えんか」


「これは手厳しい! 鍛えておりますからそこらの一般人よりは長生きするつもりですがユウカ様より長生きできる自身はありませんなぁ……。まあだからこそ老後の楽しみとしてこうして働いているのですよ」


「ハンナとハンスはまだまだ若いのでその理屈には当てはまらなくなりますよ。エスタなどは我々より遥かに長命。私も含めユウカ様への恩義と忠誠が働く意義となっています。今も時々手紙をいただいておりますし、それで十分すぎますよ」


 話をしていると、開いたままになっていた入り口からシーラさんがやってきました。


「シーラ、急な帰宅で済まんの。王都で用事じゃ。数日世話になりたいがかまわんか?」


「はい。何の問題もございません。ここに来る前にアレフにはユウカ様とキャラビー様、お二人の分の食事の用意を指示してきました。お部屋もユウカ様の自室とお客人用の部屋の掃除は常に行っております。いつでもお使いいただけますよ」


「助かるのじゃ。わしも詳細をまだ聞けておらんが『ヤカリ森国』が魔人の率いた軍勢に襲われたそうじゃ。既に撃退したそうじゃが、これからのことについて話を聞きたいと招集が入った。全員呼ばれてるから、もしかしたらわしがここに滞在していることを聞けばやってくるかもしれん」


「ふむ……アレフ、どなたか王都に入っているという情報はありますか?」


「いや、私は聞いてないですな。フレッドならば何か聞いているかもしれませんし呼んできましょう」


「彼女なら今頃離れにいるでしょう。猫好きですから」


「あ、みぃちゃん」


「ユウカ様のお仲間やその従魔に手を出すようなことはないでしょうが、やりすぎないように釘をさしておきましょう」


「頼むのじゃ。それと、冒険者ギルドに昼過ぎに向かって問題ないか確認をとってくれるかの?」


「承知しました。既に来られている方がいるかどうか、その情報収集もあわせてフレッドに行ってもらいましょう」


 それからこの館で生活する上で必要となるちょっとした注意事項をシーラさんから教えていただき、私の寝泊りする部屋に案内されました。


どうもコクトーです。


今回もキャラビー視点のため職業レベルは無です。

先週はすみませんでした。普通に体調崩しました。急に寒くなったせいかなぁ…

それはそれとしてベイスターズ日本一おめでとうございます!


ではまた次回

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