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イリアスのギルドです

「ちょっと待てあんたら」


 ダンジョンを出てすぐ、冒険者ではなく、兵士のような人に話しかけられた。視線は俺の上に向いている。まあ用件はこの3人組のことだろうな。


「その3人はどうした? 生きてはいるようだが……」


「ちょっと問題があってな、気絶させた。まあそこに放っておくよりは、ほかにもなんかやってるかもしれないから連れていこうってことで持ってきたんだ」


「どんな問題が? そいつらは数か月以上前からここに潜ってる冒険者だ。当然この町の住民とも関わりがある。きちんとした理由がなければ敵が多くなるぞ」


「いや、実は1層で力試しにモンスターハウスに挑んでみたんだ。なんとかあらかた殲滅したんだが、最後の1体が他のとは格が違いそうで、強そうだったから2人に無理言って俺だけでやらせてもらったんだ。そしたらそいつをしとめるために撃った魔法が一部こいつらの近くに着弾したらしくてな」


「それは共闘していたということか? そんなときに範囲魔法を?」


「いや、こいつら俺が戦ってて、2人が休憩してるときに俺らが倒したモンスターを勝手に解体して、売れるところを持っていこうとしてたんだよ」


「だがそれではそいつらが襲ってきたというのは無理があるんじゃないか? やはり……」


「違うんだよ。話には続きがあって、モンスターの死体はとりあえずアイテムボックスにしまっといて、先に倒したモンスターについてギルドに聞きに行こうと思ったんだ。モンスターハウスに入ったのは自分たちが悪いんだけど、どうにも1層ででてくるような強さじゃない気がして……」


「モンスターハウスでは強い奴が出てもおかしくないだろ? ダンジョンに潜るならその程度の知識はあると思うが」


「それは承知の上だったよ。でも念のためにな。もし本来出るような奴じゃなかったら、他の新人(ルーキー)が危ないだろ? なら早いほうがいいと思ったんだ。そしたら急にこいつらが武器を抜いた状態でやってきてな」


「自分たちがメイから被害を受けたんだから、ここにあるモンスターの死体は全て自分たちのものだみたいなことを言い出して怒鳴ってきたんです」


「挙句俺の大事な仲間の2人まで寄こせとか言い始めたんだぞ。その時にさっきも言ったけど、俺たちの倒したモンスターを勝手に解体して持ってこうとしてたことを問いただしたんだ。そしたら自分たちに従えばいいんだ! とか怒鳴って剣を振りかぶってきたから気絶させたんだ」


 少し声のトーンを落とす。


「考えても見てくれよ。自分たちが必死に多くのモンスターと戦ってる最中に最初のほうに倒した奴を盗人(・・)にもっていかれるんだぞ? しかもこっちの攻撃で被害を受けたから全部俺たちのだって脅してきて、さらに仲間にまで手を出そうとして、正論を言ったら攻撃されかけたんだぞ? こっちは疲れてるのにさ」


「……うむ。わかった。念のためそいつらはこちらで預かってもいいか? 調べ上げるから。幸いここで待機してる兵士は俺だけじゃない。そいつらに出てきた冒険者からも話を聞いとくように言っとくから。獲物をこいつらに横取りされたりしたことはないか? ってな。他に2、3人でもいればこいつらは確実に奴隷いきだ。迷宮都市は自分たちの必死に戦った証を奪う輩を許さない。取引とかだったらあるが、迷宮内でのキラー行為や窃盗には重い罰が与えられる。あんたらも一応覚えておいてくれよ?」


「当然だ。こいつらに手を出されて黙ってはいねえよ」


 後半は兵士の耳元で呟くように告げる。

 そのあとはずっとにやにやしながら話しかけてきた。殴りたくなった俺を誰が責められるだろうか。むしろ殴らなかったことを褒めてくれ。


 3人組を引き渡した後、少し急ぎめにギルドへと向かった。




---------------------------------------------

 獲物を取り逃がした

 だが収穫はあった

 彼は進化をしていたことがわかった

 それも新種だ

 倒される直前、新たな種へと生まれ変わった

 その力は私が引き継いだ

 進化こそしなかったが強くなった

 先の戦闘で新たな種の出現もわかった

 攻撃を受けて生まれた変異種

 それらはまだコアから生まれてはいない

 だがそれも時間の問題だろう

 能力だけが変わっていて名はかわっていなかった

 だからこその変異種だ

 あの獲物に多くぶつければそれは早くなるだろう

 あれは魔力の質がいい

 量も多い

 それだけに影響も大きい

 現にあの場で変異したのは3種

 火、風、闇

 そのすべてはアントだ

 なら次はすべてアントにすればいい

 魔力が足りなくなってもかまわない

 質が量へと変わるだけだから

 そうなれば量は元に戻る

 あ、違う獲物が

 彼らはどんな変化をなしてくれるだろうか?

---------------------------------------------




 町の中に入ってギルドに向けて歩き出す。そして特に絡まれることもなくギルドに到着した。

 中に入って勇者大好き受付嬢のところにいく。他の人は冒険者の対応してたし。本音を言えば他の人がよかった……。


「本日はどんなご用件で? 依頼は受けてませんし……あ、またダンジョンのことを聞きに……いや、もしかして勇者様のことを聞きに来たんですか!? これは私も全力で勇者様の魅力を」


「いや、ダンジョンのことだ。勇者の話は他の人にしてやってくれ」


 少なくとも俺たちはもう聞きたくない。


「ダンジョンですか? もしかしてもう購入した5層まで攻略したから続きをとか言わないでくださいよ?」


「いや、一層だから大丈夫だ」


「よかったです。一層でなにか問題が?」


「いや、気まぐれでモンスターハウスに挑んだんだけどな」


「なにやってるんですか!?」


「実力を見たいってのもあったんだよ。無事返り討ちにできたし」


「なんという無茶を……」


「そのモンスターハウスなんですが、キングアントが混じってたんですけどこれはもとからですか?」


「は、はぁ。キングアントですか……ってキングアント!?」


「はい。一層のモンスターハウスで出るにはどうもおかしい気がしたんで」


「今すぐギルドマスターを呼んできます!!」


 受付嬢さんは慌てた様子で奥にいってしまった。

 取り残された俺たちはとりあえず雑談して待つことにした。しかし、それほど待たずに受付嬢さんが戻ってきた。さっきより慌ててるように見えるんだが……。


「3人とも今すぐマスタールームに来てください。ギルドマスターがお待ちです」


「わかりました」


 俺たちは受付の端のほうについている扉から中に入り、ギルドの奥へと入っていった。

 ギルドの一番奥の部屋までくると、ほかの扉よりなんか頑丈そうに作られた扉があり、そこにはギルドマスターの部屋と書かれていた。そのまんまか。


「失礼します。ギルドマスター、3人を連れてきました」


「おう。入れ」


 中から低い男の声が聞こえる。俺たちはその声に従って、扉を開けて中に入った。


「よく来たな。俺がイリアスの町のギルドマスター、ガラハムだ」


 筋骨隆々の、ムサイ男がそこにいた。



どうもコクトーです


『刈谷鳴』

職業

『ビギナーLvMAX

 格闘家 LvMAX

 冒険者 Lv49/99

 狙撃手 Lv38/50

 盗賊  Lv34/50

 剣士  Lv35/50

 武闘家 Lv31/60

 戦士  Lv33/50

 魔法使いLv40/50

 薬剤師 Lv34/60

 鬼人  Lv7/20

 ????の勇者Lv8/??

 狙撃主 Lv1/70

 獣人  Lv1/20

 狂人  Lv1/50

 魔術師 Lv1/60 』


1話あげる毎に順調に(?)ブックマークが下がってます!

……これが現実だよね…


ガラハムさんは次回本格的に出てきます

お楽しみに!?


ではまた次回

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― 新着の感想 ―
[一言] 多分、理由が有れば我慢しない系主人公の方が、遠慮なくて爽快感があって人気出ると思います。時に少し怖い主人公でもむしろやるときはやる感じがして良いかと
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