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転移の日へです7


『予定よりも早めね。少しかかるから休憩室で待っていなさい』


 里長の館からエンシェントエルフ様の下へ転移してくると、すぐに念話が届いた。昼過ぎ頃までに来いと言われて昼前に来ているわけだから自分でもさすがに早すぎるかとは思っていたが、案の定準備がまだのようだ。だがあれ以上エルメラさんのところで下手に時間を潰そうとすれば説得第三ラウンドが始まってしまいかねなかったし、買い物とかをするにも昨日すべて終わらせていたし、ここでヒメたち(チビーズ)と遊んでいた方がいい時間つぶしになるだろう。


 休憩室にやってきたがここにはベッドと机椅子と最低限の物しか置かれていない。何を隠そうここは俺が初めてここに来た時に目を覚ました部屋だ。入ったのはその時以来だけどな。

 あの時から結構な日数が経っていることもあり、俺が寝ていたベッドはきちんと整えられ、普段からエンシェントエルフ様が掃除しているのか部屋の隅まで埃一つ落ちていない。ここに下手な人員を連れてくることはできないとはいえエンシェントエルフ様が全部屋一人でやっているのであれば結構な重労働だろうに。いや、エンシェントエルフ様であれば魔法で何とかするか。


 部屋の高さ的にゼルセは呼べないため、ヒメと黄龍を呼んで時間を潰しているとちょうど一つ目の話題が終わろうかというタイミングでエンシェントエルフ様が部屋に入ってきた。


「お待たせしました。おや、盛り上がっている様子ですね」


「ちょっと変態から逃げるために早く里を出る必要がありまして。昨日諸事情で用事を済ませられなかったので今日も彼女のところに寄ることになったのが運の尽きでした」


「彼女はちゃんと里に残ってくれることになりましたか?」


「ああ話がいっていましたか。そのせいで怖い思いをすることになりましたけど、なんとか思いとどまってもらいました」


「彼女の龍に対する思いがすごいことはわかっていましたが、まさか今ある工房と守護龍様の素材を使った盾の製作チャンスを捨ててまで目の前にいる龍素材満載の男を優先しようとするとは思いませんでした」


「まあ大量の龍素材だけじゃなくて黄龍や龍鬼王(ゼルセ)っていうかなり特殊な龍もいれば、自分で言うのもなんですが『龍化』で龍に成れる存在なんてそうそういないでしょうし。俺自身いろいろ特殊なので実際のところどうかはわかりませんが、人の寿命なんてエルフである彼女からすれば短いものですから次があるかもしれないという判断でしょうね」


「長命種であるが故ということですか」


「工房についてもお金は持っているでしょうからやばい物とかだけ回収して後は人を雇って管理くらいすると思いますよ。いずれ戻ってこれるように」


「そう簡単に行ったり来たりできると思われても困るのですが、よくよく考えてみれば彼女はこの国の外で生まれ育ったエルフでしたね。ただ、有名になる前と後で違うと言うのをわかっているかどうか……」


 さらりと出てきたエルメラさんの新情報に若干驚きつつも、まあ俺には何の関係もない話だとすぐに切り替えた。


「ところでなんの話をしていたので?」


「昨日宿屋の主人が出してくれたステーキがとてもおいしかったって話ですよ」


「うむ! 焼き加減の絶妙さもさることながらかかっていたソースがとってもおいしかったのだ!」


「かうかーう!」


「もとになったお肉自体は俺が宿屋の主人に世話になった礼として渡したドラゴンの肉だったんですけどね。俺自身多少は料理をしますけどやっぱり本職には勝てませんね」


「まあ冒険者たちの中には本職を超えるような料理の腕を持つ者もいますがさすがのあなたたちでもそこまではいきませんか」


「俺は地球じゃ親の手伝いか授業でやるくらいしか料理はしてこなかったんで、本格的にやるようになったのはこっちに来てからでしたからね。それで越えられたらたまったもんじゃないでしょう?」


「それもそうですね。柩様もそうでしたが、我々の世界の都合で呼び出してしまっただけのただの学生。料理はもとより、ああしてあなたのように戦場に立つことができるということが不思議なくらいです」


「そこはもう慣れでしょうね。そもそもがなんの覚悟もできていない状態で底すら見えないほどの崖底まで叩き落されたわけですから。そこからほぼずっと戦い続けてきたわけですし、もうあれくらいは慣れましたよ」


「……それに慣れてしまうということがどれほどおかしなことかという話はしないでおきましょう」


 エンシェントエルフ様は沈痛な面持ちで視線を外し、昨日のおいしさを思い出しながらうっとりしている二体の頭を撫でる。


「先方からは昼以降であればいつでもいいと連絡を受けていますし、その気になればすぐにでも転移ができるように魔力を込めてもらいたいのですが準備はできていますか?」


「あ、はい。いつでも大丈夫です」


「実際に向かうのはこちらで昼食を食べてから直といったところですかね。では専用の転移陣を用意したのでこちらへ」


 俺はエンシェントエルフ様の案内に従い、俺は転移陣のある部屋に向かった。




 転移陣のある部屋は転移陣と魔力を注ぐための水晶のみが置かれている殺風景な部屋だった。まあこのために部屋の中身をすべて倉庫にどかしたらしいから仕方ないか。


「ではこちらに魔力を。私の魔法に反応して転移ができるようになってますから誤って起動してしまうようなことはないのでご安心を」


「了解です。じゃあ」


 水晶に手を当てて魔力を込め始める。普段から大量の魔法スキルを使いまくっていることもあり、ごっそりと持っていかれる魔力も特につらいと言った感じはない。『再生』や『リジェネレイト』などの回復系のスキルのおかげで減った端から回復できており、瞬間的に大きく減ることはあれど全体としてはやんわりと減少しているような状態だ。


 10分ほどかけて大量の魔力を持っていかれた結果、転移に必要な量の魔力の注ぎ込みが終わったようだ。途中で『リジェネレイト』のレベルが6になったことで注ぎ込む量を最大にしても回復が完全に追いつくようになった。しかし俺が10分も最大出力で魔力を注ぎ込み続けることでようやく発動可能になるほどの転移陣。そう考えるとあの渦の転移魔法を連発していたあの魔族、色欲(ラスト)は何者なのだろうか? 名もなき物語(ネームレス・テイル)に手掛かりがあればいいが……。


 その後、エンシェントエルフ様とともに昼食を食べ、いよいよミラの町への転移の時間がやってきた。

どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 神官  (50) 剣闘士(60) 重戦士(70)

 龍人  (20) 死龍人(20) ローグ(70)

 魔導士 (90) 精霊使い(40)舞闘家(70)

有効職業

 聖魔??の勇者Lv23/?? 大鬼人 Lv26/40

 上級獣人Lv18/30   魔人  Lv15/20 

 探究者 Lv42/99   狙撃王 Lv15/90

 上級薬師Lv10/80    上級龍人Lv4/30

 死霊術師Lv24/100   アーマーナイトLv1/99

 剣闘騎士Lv1/99

非有効職業

 呪術師 Lv1/80    死龍王Lv1/30

 盗賊王Lv1/100    大魔導士Lv1/100

 上級精霊使いLv1/50』

GW後半も終わってしまいましたね。自分は有休とってたので今日までがお休みでしたが今年のGW最後は体調不良でダウンしてました…ぐぬぬ


ではまた次回

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