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転移の日へです6


 変態に体を自由にしてもいいと言った過去の自分をぶん殴ってやりたい思いを抱えながら、この里で過ごす最後の夜を襲撃に備えて『全方位結界』を貼って襲撃に備える一夜になってしまったがついに転移の日を迎えることになった。

 宿で朝食をとり、宿のご主人に挨拶をした後、俺は昨日の今日で再びエルメラさんの工房に向かった。


 挨拶も済み、エルメラさんにもついてこさせないことの約束もさせたのになぜここに来ることになったのかと言えば、昨日もう一つの用事を完全に忘れて帰ってしまったからだ。工房じゃなくて騎士団の訓練場であんなことをやっていたというのが最大の要因ではあるのだが、あのまま工房で『龍化』などしてしまっては大変なことになっていただろうし仕方ない。そもそもエルメラさんが俺に『龍化』を求めなければよかったのではないかというのはまあこの際置いておこう。


「おおメイさんや! やっぱり私にもう一度チャンスをくれる気になったんだね!」


「違うから。昨日やり残したこと、というか用事を一つ忘れてたからそのために来たんだ。あんたの前では本当に必要な時以外は『龍化』するつもりはない」


「えー」


「そう決断させたのは他でもないあんただよ。別にこれが最後ってわけじゃないんだからおとなしく待っててくれ」


「でも国外に出るんでしょ? ならいつになるかわからないじゃないのさ」


「それはそうですが完全にこれなくなるわけじゃないですから。ゴールドさんの『金の軍団』が盾の製作を依頼しに来てたみたいにいい鍛冶師の元に、いい武器や防具を求めて冒険者がやってくるのはなんらおかしなことじゃない」


「それはそうだけど、私だっていつ忙しくなるかわからないからね。次に来てくれた時にじっくりみっちりねっちょりと応対できるとは限らないし、こういういい意味で暇な時じゃないと意味ないよ!」


「いやなんだその表現は。そんな暇なエルメラさんにお願いだ。この後ここを発つんだが、その前に魔剣グラウコスの手入れの方法を教えてほしい」


「ん? 魔剣グラウコスは不壊の魔剣。刃こぼれもなければ欠けることも折れることも基本ないよ」


「もともとステュラを使ってたんだ。武器屋のおっちゃんにも教えてもらってたし、最低限の手入れでいいってのはわかってる。戦闘でついてしまった血や脂をきちんと拭うとかのな」


「それがわかっているなら十分だけど?」


「ステュラを使ってた時にも感じてたけど切れ味が堕落ちることがあったんだ。と言ってもそんな気がするってだけだけどな。でも、これから戦わなくちゃいけない相手を考えるとそれは致命傷になりかねない」


「うーん、こればっかりは私にもどうしようもなさそうかなー。魔剣や聖剣と呼ばれるほどの武器となると生きていると評されることも多いくらいには我儘だったりするし、その一種ってことなんじゃないかな? 多くの武器を使い分けていたみたいだし、それに嫉妬したとか、扱いが雑だった時にむかっときたとか」


「普段から丁寧に扱うことを心がけて、可能な限りそれ以外の武器を使うなってことか?」


「いや、武器によっても違うから、自分が使う武器、魔剣グラウコスの特色を一日でも早く理解してねってことだね。どうしてもって言うなら不壊の能力を諦めて別の武器を使う……ってのは冗談として、せっかくパーティメンバーなんだから君のところのユウカ様を頼ってみてはどうかな?」


「ユウカを?」


「いやー昨日あの後で怒られてねー。その時にメイさんのパーティについて聞いたんだよ。あんまり迷惑かけるとSランクが敵にまわりかねないぞって。Sランクより敵にまわしたくない相手を前に何を言ってんだか」


 ヤレヤレと首を振るエルメラさんの頭の中に浮かんでいるのは俺の強さという点か、大量の龍素材ないし『龍化』目的かどちらだろうか。


「だがなんでユウカなんだ? あいつの使ってるのは刀であって剣とはまた別物だろう?」


 ユウカの持つ祖母から受け継いだという『力』のことを知っているとは思えないし、あいつそういう武器の真贋とかで有名だったのか?


「うんにゃ。凄腕の冒険者としてある程度良し悪しはわかるだろうけどそういうわけじゃないよ」


「ナチュラルに心を読むな」


「まぁまぁ。ユウカさんは魔剣や聖剣なんかとは比べ物にならない程の我儘ボーイを使ってるらしいじゃん? 刀には龍がベースになった業物は少ないし私はあんまり興味ないけど、そんな私でも知ってるあの有名な妖刀業堕。あんなもの使いこなしているくらいだし、そういう類の武器との付き合い方もよくわかってるんじゃないかな?」


「あーそういうことか。でも妖刀は明確に意思を持つって話を聞いたことあるし、少し違うんじゃないか?」


 ユウカの持つ妖刀業堕は下手な人間が使えばその人間の魔力やら生命力やらを食いつくす形で殺してしまうと聞いている。ユウカは正式な使い手としてあの刀に認められているからそういったことはないが、それでもかなりピーキーな性能だとは話していたな。でも『見透かす瞳』で見てもらえれば多少は何かわかるかもしれないし聞いてみるのはありだな。


「そのあたりはあんまり知らないけど、お手入れの時に気を付けることとかはそこまで変わるとは思わないし大丈夫じゃない? あ、でもグラウコスの手入れについては1こだけ気を付けないといけないことがあったや」


「聞きに来ておいてよかったよ」


「普通に使っていれば大丈夫だと思うけど、週に一度くらいは魔力を流してあげてね。設計図にそう書いてあったってだけだからどうしてかは知らないけど」


「案外魔剣グラウコスが不壊の性質を維持するのに必要とかなんかな」


「定期的に魔力を吸わなければ属性が消えるなんて魔剣は聞いたことないかな。でも大体の物は魔力をこめないとただの剣って代物だからそれに近い感じだとは思うよ」


「そうか。さすがに1週間全く戦闘も鍛錬もしないってことはないだろうし大丈夫だろう。でも思ったよりも早く予定が終わってしまったな」


「それなら私にもう一度チャンスを」


「あげねーよ」


「えー。私の体のあーんなところやこーんなところを自由にしていいから私もメイさん()の体を隙にするってのはどう?」


「やめろ変態」


 その後も俺の『龍化』の調査を熱望するエルメラさんとの押し問答が続いたが、最後にはエルメラさんが折れる形で事なきを得た。そして改めて再開を約束しつつ俺はエルメラさんの工房を後にして里長の館へ向かった。




 里長の館はいつも通り列ができていたが、それほど待つことなく里長の元へ案内された。一人一人の要件がそれほど長引くような物ではなかったのだろう。

 里長の部屋に案内されて中に入ってみると数日前までの疲労困憊という状態は抜けた里長はすっきりとした表情でのんびり飲み物を口にしていた。


「おや、昼頃までにはと聞いてましたが思ったより早かったですね」


「まあ昨日のうちに一通りは挨拶や用事を済ませてきましたので。あ、里長にもこちらをどうぞ。お世話になりました」


「おや、商店のお菓子ですね。私も好きなんですよ。ありがたくいただきましょう」


 里長は受け取ったお菓子を机の引き出しにしまうと、手にしていた飲み物を一息に飲み干すとそのまま席を立った。


「あまり長話をするのもなんでしょう。エンシェントエルフ様の下へ送りますよ」


 そうして俺は里を後にし、エンシェントエルフ様の下へむかった。



どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 神官  (50) 剣闘士(60) 重戦士(70)

 龍人  (20) 死龍人(20) ローグ(70)

 魔導士 (90) 精霊使い(40)舞闘家(70)

有効職業

 聖魔??の勇者Lv23/?? 大鬼人 Lv26/40

 上級獣人Lv18/30   魔人  Lv15/20 

 探究者 Lv42/99   狙撃王 Lv15/90

 上級薬師Lv10/80    上級龍人Lv4/30

 死霊術師Lv24/100   アーマーナイトLv1/99

 剣闘騎士Lv1/99

非有効職業

 呪術師 Lv1/80    死龍王Lv1/30

 盗賊王Lv1/100    大魔導士Lv1/100

 上級精霊使いLv1/50』

またもや先週はすみませんでした。日曜に夜勤があるとちょっと厳しいですね…。これからしばらくの間は休日夜勤が増える予定なので遅れがちになりそうです。うみゃー


ではまた次回

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