平和な戦争後です5
守護龍様の下へやってくると、龍たちのいるダンジョンへの道は用意してあったが守護龍様自身はお休み中だった。この戦争中守護龍様も動いてくださっていたんだろうか?
ダンジョンの方へ転移してくるとヒメや黄龍も姿を現した。時間つぶしには付き合ってくれなかったが鍛錬にはきっちり参加するようだ。何をあんなに怒っていたのだろうか?
「久方ぶりですね。以前よりもかなり強くなっているご様子で」
そう言ってやってきたのは水竜だった。空中を優雅に泳ぎ、俺の目の前まで下りてくる。
「お久しぶりです。お元気そうで」
「あなた様こそ。最奥の主よりお話を承ったとお聞きしました。大変名誉なことですね。私のような龍にも至れぬ身には縁遠いお話で」
「まあ保留にしてもらいましたけどね」
「ふふっ、それはそれは。ではこのお話はここまでにしておきましょう。彼の森の守護者も眠りについているので、本日はあなた様に挑む用意はしてきておりませんがよろしかったでしょうか?」
「ええ。また場所を貸してもらえれば。ちょっと戦争で目立ちすぎてあんまり激しい鍛錬ができないんですよ」
「承知しました」
「じっちゃ、らいりゅーはいないのー?」
俺が水竜と話している最中にちびっこ2体で繰り広げられていた定位置戦争を勝ち上がり、離さないようにがっちりと俺の頭を抱える黄龍が水竜に問いかける。お前雷龍のことそんな風に呼んでたのか。
「雷龍様でしたら奥にいらっしゃいますが、本日は確かお役目をなさってるはずですね。他の龍たちでよければそちらへの転移陣を引きますよ?」
「ちちさまー行っていい?」
「いいよ。一緒にいてもやることあんまりないだろうしな。ヒメも連れていくか?」
「かうかう」
「んにゃ、いかないって言っているのだ」
「そうか。俺の鍛錬に付き合ってくれるって?」
「かうかーうかうかう!」
「ほっぺたのうらみはらさでおくべきか! だって。ちちさまなにしたの?」
「知らん」
よくわからないがヒメは俺の鍛錬に付き合ってくれるそうだ。ほっぺた、お肉、うっ頭が。
「それでは黄龍様、こちらへ」
「あーい! ちちさままたあとでねー」
定位置から浮かび上がり、そのまま水竜の指示した転移陣の方に飛んでいく黄龍。転移陣を使ってこの広場から飛び去るのを見送り、水竜も広場から出た。
こちらを見ながらぐるぐるとかわいらしく威嚇してくるヒメを前に豊??地のガントレットをはめ、『獣進化(虎)』によってその姿を変容させる。
「ヒメとやるのはいつ以来だ? 少し暴れ足りないんだ。悪いが相手を頼んだぞ」
「かうかうかうかうっかーう!」
噛みついてやると牙をカチカチ噛み鳴らすヒメ。開始の合図を出すわけではなかったが、俺たちはほぼ同じタイミングで動き出した。
ヒメとの鍛錬に熱中すること数時間。いつのまにかギャラリーになっていた黄龍と水竜に見守られながら白熱した戦いを繰り広げていたがその最後はヒメが爪を使って放った『剣閃』が俺の左足を切り落としたところでキリが付いた。大量にばらまかれた半透明な『ファングショット』。そのすべてを『獣の一撃』で殴り砕くことに集中しすぎたのが原因だ。牙のばらまき方によって意識が薄れていたのだろう。してやられた……。
「かうかーう!」
「すまんがちょっと待ってくれよ。すぐにくっつけるから。きれいに切ってくれちゃって……」
勝ち誇り、勝利の舞を踊るヒメをよそに、切れた足を掴んで切断面をくっつけて『再生』に使われる魔力を引き上げる。時間をかければくっついてくれることは既に証明済みだが、魔力を多めに使えばそれも早くなることもまた証明済みだ。
「……よしくっついた。動きも問題ないな」
「ちちさまだいじょうぶ?」
「ありがとな。それにしてもヒメ、あんな意識の隙をつくみたいな真似どこで覚えたんだ?」
「まりょくにものをいわせたほうわこうげきこそさいきょうである! って前におしえてくれたよ?」
「ああ、ここの龍たちの教えなのか。手強いわけだ」
「何度見てもその回復力は恐ろしいの一言ですね。この地に魂を縛られ、死ねば復活できる我々が言えた話ではありませんが部位欠損というのはそんな簡単に治せていいものではないでしょう」
「回復能力はこう見えて自信があるんだ。それ系のスキルが得られそうなら積極的に狙ってきたしな」
「再生能力を持つ相手というのは相手としては手ごわいと思うのですが、あなた様からすればただの餌というわけですか」
「絶対ってわけじゃないぞ? 実際試練の中でキングデーモンズスライムには殺されかけた。『再生』も得られなくて散々だったよ」
実際『暴食の王』を使ってなければ死んでいた可能性もある戦いだった。なんだったら『暴食の王』のせいで死にかけた戦いでもあった気がしなくもないがその話をするのは野暮だろう。
勝者の権利だと言わんばかりに肉をせがむヒメと、「われもたべたいのだ!」と一緒になってせがむ黄龍の2体に左右から揺らされながら水竜としばしの間雑談タイムを続け、ついには頭に取り付き始めた2体に、俺は串肉を差し出した。自分で持つことをせずにそのまま肉を頬張る2体が食べやすいように腕を下げ、俺は俺で今日の晩御飯を何にしようか思いをはせるのだった。
どうもコクトーです。
『刈谷鳴』
職業
『最大
ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)
盗賊 (50) 剣士 (50) 戦士 (50)
魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)
冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)
狂人 (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)
神官 (50) 剣闘士(60) 重戦士(70)
龍人 (20) 死龍人(20) ローグ(70)
魔導士 (90) 精霊使い(40)舞闘家(70)
有効職業
聖魔??の勇者Lv23/?? 大鬼人 Lv26/40
上級獣人Lv18/30 魔人 Lv15/20
探究者 Lv42/99 狙撃王 Lv15/90
上級薬師Lv10/80 上級龍人Lv4/30
死霊術師Lv24/100 アーマーナイトLv1/99
剣闘騎士Lv1/99
非有効職業
呪術師 Lv1/80 死龍王Lv1/30
盗賊王Lv1/100 大魔導士Lv1/100
上級精霊使いLv1/50』
今回も少し短めです。ちゃんと間に合ってるからユルシテ…ユルシテ…
2月に入ってもまだまだ寒い日が続いてますね。風邪などひかぬよう皆さまご自愛ください(n敗)
ではまた次回