表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
541/592

平和な戦争後です3


 冒険者ギルドの訓練所で模擬戦を続けてしばらく、ここに俺がいることを聞きつけたギルドマスターの使いとして職員さんがやってきた。模擬戦の取り仕切りをしてくれていた『コウテツ』に礼を言い、俺は自身に『クリーン』だけかけて職員さんの後に続いた。




 職員さんの案内に従ってギルドマスターの部屋までやってきた。


「訓練中にすまない。うちのギルドでは君が最後でな。他のパーティと比べてもギルドにいる時間も短いから不安だったんだが、ちょうど今日ギルドにいるということを聞いたから呼んでもらったってわけだ」


「まあ受けられるような依頼もないですし、訓練所も使えるような状態じゃなかったので」


「だろうな。報告を聞く限り君の活躍がかなり大きかったようだ。冒険者ギルドを代表して改めて礼を」


「どうも」


「残念ながら個別に報酬をということはできないけれど、そのあたりはエンシェントエルフ様から何かいただいているだろう。それでよしとしてくれ」


「俺は冒険者ギルド所属の冒険者として参加したわけじゃないですしね」


「そのあたりは実は曖昧でな。こうして連絡とかは冒険者ギルドに任されているけれど報酬などは里長経由だったりするし、仮にこの戦争の中で君に絡んだ問題が起きた場合に君のバックにつくのはこの国の女王、エンシェントエルフ様といった具合で」


「実際に問題を起こしたのはエルフ側でしたけどね」


「あまり言わんでくれよ? かの戦術とやらははっきり言って納得はしていない。だが冒険者ギルドとして正式に国から謝罪を受け入れたのだ。一度受け入れたそれを冒険者側が原因で反故にするようなことは許さん」


「俺もエンシェントエルフ様から個別に謝罪を受けましたし、処罰の内容も聞いてますから。ここだけの話ということは理解しているつもりです」


「ここでもできる限りするなってことだ。あの戦場を終わらせた君だからこそなおさらな。たしか今日も飲んでいた連中の中にあの戦場で仲間や身内を失ったやつもいる。中途半端に聞こえて、難癖付けられるのも嫌だろう? まあともかくだ。本日をもってこの戦争は終結ということになった。冒険者ギルドとしてこれ以上この里に留まれと言うことはなくなり、一般冒険者も含めて森へ入ることも解禁された。しばらくは溜まっていた依頼が大量に出されることになるだろうから高難易度の物で受け手がいないようなのがあればぜひ受けてほしい。低いのは受け手がいっぱいいるからな」


「以前ここは兵士たちも訓練でモンスターの討伐とかに出るから高ランクの依頼はほぼないと聞きましたが……」


「しばらくはその訓練での討伐は行われないだろうからね。兵士たちだってかなり消耗している。順番にはなるだろうけどお休みだってとるはずだから簡単にはいかないさ。それに、戦場から逃げ出したモンスターたちのせいで生態系が変わってしまったところも多いはずだ全容の把握のためにも時間がかかるから」


「そういえばその問題もありましたね。ただ、すみませんがその役目はクリステラ卿あたりにお願いしてください」


「……となると近いうちに里を出るのか? というよりは戦争で足止めをくっただけで実は目的地があったりしたパターンか、エルメラの工房がお目当てで、それが終わったってところか?」


「ここに来たのがそもそも予定外だったんで、館に戻るってのが正しいですね。戦争の報酬でエンシェントエルフ様の助力を得られたので」


「一国のトップになかなかなことを頼むな。冒険者なら国境を超えるのもそうそう難しくはないだろ?」


「そうもいかない事情がありまして」


「詳しくは聞かんよ。下手に首を突っ込んだらそのまま体から飛んで行ってしまいそうだ」


 冗談とも本気ともとれるギルドマスターの言葉に苦笑いを浮かべながらこっそりと同意した。その後、仕事が残っているというというギルドマスターと分かれ、そのまま訓練場ではなく、森の方に向かうことにした。




 門のところから出て、街道から外れて森の奥の方へ入っていく。さすがにすぐに見えるような場所でやるのはちょっとよろしくないだろう。

 『探知』には少なくない数の人と、数は少ないがモンスターの反応もあった。今のところ反応のあるモンスターたちはもとから見かけていたような種族しかいない。戦場から逃げたモンスターたちでこの辺りまで来ているのもいるかと思ったがまだここまでは来ていないようだ。


 『探知』の反応を頼りに人がいる方から離れ、ある程度森の中を進んできた。ここまでこれば確実に里からも街道からも見えないだろう。


「『クエイク』」


 死霊術師のレベルアップによって覚えたスキルの実験をとここまで来たが、念には念をいれて囲むように四方に土壁を形成する。上は開いているがこれで何らかの理由でこっちの方まで来た人がいても何をしているのかは見られないだろう。ただ、怪しい土壁があるってぶっ壊されても困るので一応外側に「スキルの実験中です」と書いておいた。


 死霊術師のスキルで試しておきたいものの筆頭は『死霊認識』なんだが、少なくともこの辺りには今いないようだし、下手にずっとオンにしておいたら『精霊眼』を得た時と同じように視界が死霊で埋め尽くされるとかそんなことになりかねないだろう。戦場とか墓地とか特に。実際にオンにした状態で見たことがないからわからないが、ゴースト系のモンスターがいる場でやってしまったらまだ倒していない敵か、既に死んだモンスターの死霊かわからずに混乱しそうだ。実際の場面が訪れる前に余裕があるところで試しておこう。


「とりあえずは『骨死体操作』だな。ちょうどいい骨の死体も見つけてあるし」


 俺はアイテムボックスから用意してあった骨を取り出す。寄せ集めではあるがこれでウルフ一体分くらいにはなるだろう。

 これ自体はだいぶ前に解体したモンスターの骨で、ウルフの物が比較的全身が作れそうなくらい残っていたのを先日整理した際に見つけていたのだ。実際にはただのウルフ以外に他のモンスターの骨も混ざってはいるが、あくまでも実験に使うために全身に近くなるように揃えただけの物。これではだめならば適当なモンスターを狩ってきてそれを使おう。解体については半ば戦力外通告を受けている俺がどのように狩ってきたモンスターを骨だけにするのかという大きすぎる問題がないわけでもないがここは考えないことにしておこう。いざとなったら骨になるまで燃やすだけだ。

 とりあえず必要な分を取り出し終え、骨にくっついていた小さな肉片などで汚れた地面を『フレイムスロアー』で焼いた後、俺は『骨死体操作』の実験を始めた。





 説明を読んで調べるのと実際にスキルを使用するのでは大きな差があるのはわかっていたが、実験はある意味失敗と言える結果に終わった。

 『骨死体操作』は説明では「死体となった骨を操作することができる」とあったが、本当に操作できるというだけだった。だいたいウルフ一体分集めてあった骨の山に対して使っても自動的にウルフのような形になるわけではなく、そこにある骨の山を動かすことができるだけ。なんとか山をばらし、ウルフのような形に仕上げてみてもそれをその形をした骨として動かすことはできるがウルフのような動きをさせるのは今の状態では無理だった。


 まあ骨を操作するとは言っても別にスケルトン化させたというわけではないということを考えるとそれも仕方ないと自分を納得させ、今後死霊術師のレベルを上げていけばいずれはそうしたスキルが手に入るかもしれないと期待に胸を膨らませながら後片付けにはいった。


どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 神官  (50) 剣闘士(60) 重戦士(70)

 龍人  (20) 死龍人(20) ローグ(70)

 魔導士 (90) 精霊使い(40)舞闘家(70)

有効職業

 聖魔??の勇者Lv23/?? 大鬼人 Lv26/40

 上級獣人Lv18/30   魔人  Lv15/20 

 探究者 Lv42/99   狙撃王 Lv15/90

 上級薬師Lv10/80    上級龍人Lv4/30

 死霊術師Lv24/100   アーマーナイトLv1/99

 剣闘騎士Lv1/99

非有効職業

 呪術師 Lv1/80    死龍王Lv1/30

 盗賊王Lv1/100    大魔導士Lv1/100

 上級精霊使いLv1/50』

新年早々の一週飛ばしで申し訳ないです。

ブラックベジター君が全然来てくれなくて…


ではまた次回

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ