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最奥の主です5


 青龍のいた広場に入ってきた時と同じように若に手を引かれて地上まで転移してきた。さすがに時間がかかったこともあってエンシェントエルフ様は一旦戻って仕事をしているようだった。


「これは若、お久しぶりでございます」


「あなたこそ壮健で何より」


「若がこちらまでこられるとは珍しい。もしや直接来られたのですか?」


「ええ。あなたにお願いもありましたからね」


「少々お待ちを」


 守護龍様はエンシェントエルフ様が入ってこれないように外に繋がる穴を根を生やして塞いだ。エンシェントエルフ様にも関わることではあるのだがこの龍を見せないという意味では必要なのだろう。


「これでよし」


「彼女がいても別に構わないのですが」


「下に龍がおることは知ってますがあなた様のことは知らないのであまり無茶を言わんでください」


「『チンロン』のことを伝えずにこの地の守護をさせるとはなかなか思い切ったことをしたものですね」


「わしが管理しているダンジョンのさらに奥、そこに何かがあるということは知ってますな。薄々何かがあると言うのは察しているでしょう」


「俺を最奥に連れて行くように伝えたの守護龍様ですけど、特に何も言ってませんでしたしね」


「まあこちらはこの後お願いをする立場ですし伝えてもいいかもしれませんね。メイから見ても彼女は信頼に値する者ですか?」


「いや、一月も一緒にいたことがない俺よりも超長期間一緒にいた守護龍様の方がよくご存じなんじゃないですか?」


「一緒にいた期間などというものはこと長命種に対しては意味がない。ただの人が一生であれば一生と言えるだけの期間をかけたとしてもそれがだますための罠であったという例が実際にあったという話を聞いたことがある。魔王軍に魂を売ったダークエルフにが百年をかけて町に溶け込み、そこからその町を滅ぼしたとな」


「エンシェントエルフ様に限ってはそれはないと思いますよ?」


「わしとしてもそう思いたいところだな。それくらいの情は移っておる」


「そうは言いつつもあなたは必要があったら国ごとだろうと消すのでしょう?」


「わしはあなた様を含めた『チンロン』の守護ですから」


 守護龍様はかっかっかと笑いながら言うが俺は苦笑いを浮かべるしかなかった。エンシェントエルフ様には悪いがこの龍が本気となった時に抗える存在は『ヤカリ森国』にはいない。文字通り死力を尽くして盾となり、エンシェントエルフ様が魔法攻撃のみに専念し続けるのであれば多少ダメージを与えることはできるだろうが討伐するまでは無理だ。俺も対龍チートとでも言える『死龍装甲』と『龍殺しのブレス』の2つがあるから渡り合えると思えるだけで、それらがない場合を考えたらあの圧力をかける攻撃から抜け出せる気がしない。


「『チンロン』のことは、今はまだ秘密にしといてもいいでしょう。別に無理に伝える必要性はないのですから。知らぬが仏ということもあるでしょう」


「そうですな。エンシェントエルフにはいろいろとさせてますから、かけなくてもよい苦労はかけないようにしてもらえると助かりますな」


「まあ『チンロン』の話とは別の苦労をかけるんですけどね。この地と彼の拠点をつなぐ転移陣を作りたいんですよ。我々としてはあなたが『はい』と言えばそれでよかったんですが、彼の説得に負けちゃいました。エンシェントエルフに『はい』と言わせてください」


「いや強制的に言わせるんじゃなくて許可をもらえたらって話でしたよね!? 完全に脅しじゃないですか」


「えー」


「お主の拠点はたしか別の国だったか?」


「はい。『デルフィナ』のグリムの町ですね」


「転移できるところを絞っていると聞いています。その転移先を増やす。しかも国外となるとどうだという話ですね」


「わしとしては構わんと思いますがの。転移できる者は限るということでよいのですかな?」


「彼とその従魔たち。あとはお仲間くらいでしょうか?」


「そうですね。仲間も頼めるならお願いしたいです。黄龍がここの龍たちに鍛えてもらっているみたいですし従魔だけでこれるならそれも助かります」


「魔力を個別に設定すればそれでいいでしょう。最初はメイと一緒に転移してもらう必要がありますが、それで転移してきた相手の魔力を登録する形ならば変な輩がやってくるようなことはないでしょう。メイと一緒に来た者だけを登録するようにしてしまえば死んでからはもうこれ以上増えないですしね」


「完全に許可をもらえる想定で話を進めてますけどエンシェントエルフ様に聞いてないですよね?」


「む? ああ、そのことであれば念話を飛ばしておいた。お主の拠点だけであれば問題はないとのことだ。対象を絞ることも条件として付けてほしいとは言っておったが先ほどの話の通りでいいじゃろう。さすがにエンシェントエルフがそちらに行くようなことはないだろうがお主にはまだまだいろいろと聞かねばならぬこともあるそうだからの。お代だと思って覚悟しておくようにと」


 エンシェントエルフ様ガン無視で話が進んでいると思っていたら守護龍様によって既に話が通っていた。おそらくエンシェントエルフ様が知らないひつ姉の話を聞きたいと言うことなのだろう。まさかそのために転移陣敷設の許可を出すとはエンシェントエルフ様のひつ姉への執念を甘く見ていたようだ。だがその大役は同じ女性である真那にお任せしよう。下手な話をして後で怒られるのは御免だ!


「えー……」


「ほう。話が早くて助かりましたね。では森林龍王、できますね?」


「承知。では」


 守護龍様が俺のすぐそばの地面に爪を突き刺すと、そう時間をおかずに穴から小さな芽が生えてくる。そこにふっと魔力を込めた息を吹きかけると芽はあっという間に俺の膝くらいのサイズの苗へと成長した。ここから次はどうなるんだと期待していたが、さらに成長させるわけではなく、周囲の地面ごとぼこりとその苗が浮き上がった。


「これを持っていけ。転移陣を敷きたい場所に埋めてもらえばそこを印としてわしが陣を敷く」


「これってアイテムボックスに入れても?」


「その程度でどうこうなるものではない。壊すなよ」


 手で持っていくには邪魔だなとか考えていたがそこは問題なかったようだ。アンナに森の中にいい場所がないか聞いておこう。守りはあいつとその配下に任せることになっちゃうし。


 守護龍様が浮かせたままだった木の苗をアイテムボックスにしまう様子を見届けた若は「またいずれ」と言葉を残して地下の『チンロン』に戻っていった。いなくなったことを確認した守護龍様は緊張から解放されたとばかりに大きなため息がこぼしていた。



どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 神官  (50) 剣闘士(60) 重戦士(70)

 龍人  (20) 死龍人(20) ローグ(70)

 魔導士 (90) 精霊使い(40)舞闘家(70)

有効職業

 聖魔??の勇者Lv23/?? 大鬼人 Lv26/40

 上級獣人Lv18/30   魔人  Lv15/20 

 探究者 Lv42/99   狙撃王 Lv15/90

 上級薬師Lv10/80    上級龍人Lv4/30

 死霊術師Lv24/100   アーマーナイトLv1/99

 剣闘騎士Lv1/99

非有効職業

 呪術師 Lv1/80    死龍王Lv1/30

 盗賊王Lv1/100    大魔導士Lv1/100

 上級精霊使いLv1/50』

少し間に合わなかった気がしなくもないですがきっと気のせいです。今はまだ日曜の25時ですから……


急激に寒くなるのに加えて夜勤が続くので体調管理が大変ですが電気ストーブを出したので私は元気です(遠い目)


ではまた次回

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