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最奥の主です3


 真剣な眼差しで俺を見つめる青龍。自分たちが封印の要となっているとはいえ、その封印された何かを狙った連中の卑劣な手によって殺された玄武。殺された際に使われた方法が災いしてその亡骸、そして魂は行き場を失って1000年近く経った今でも封印を守るという生前己に課せられたただ一つの役割に縛られている。大切な仲間がそんな状態になっているにも関わらず自身がこの場を離れるわけにはいかず、部下に任せることもできない。そんな歯痒さを1000年もの間味わい続ける辛さは俺には理解できない。だが、なんの根拠もなく、延々と手掛かりの一つすら見つからない状態で探し続ける辛さはわかる。青龍が探し続けた期間の約200分の1。両親とは違い、俺と真那の場合はそれくらいの年月で完全に折れてしまった。もちろん探していなかったわけではないが、もう見つからないんだと半ば諦めてしまっていた。結果的にこの世界に呼ばれたことで見つかったわけだが。


「えっと、心情としてはその依頼を受けたいところなんですができれば保留でお願いします」


「なんだと?」


「かう?」


 え? マジで? とでも言いたげなヒメが小脇に抱えられたままペシペシと俺のお腹を叩く。理由はよ。とも言っていそうだ。


「いくつかあるんですが、そもそもその玄武のダンジョン『ショワンウー』ってどこにあるんですかね?」


「ダンジョン自体の場所は海の底であるな。ああ、心配していることは何となくわかるぞ。完全に水没しているところもあるがすべての場所がそうというわけではない。玄武がアンデッドとして守っている最奥は水没しておらん。水はあるがな」


「まあ確かに完全に水没してたら息もできないし心配な点ではあったんですが、問題はそこに行くまでの方ですね。ここから転移できるわけでもないでしょうし、広い海を延々と探すことも難しい、というか無理です」


「今もあやつが守っておるかは知らんが、ヤマト大国の端にある島国から転移できる。ダンジョンとも呼べん洞窟だ」


「玄武の部下とかですか?」


「八頭龍王マドラ。大元をたどれば我のところで生まれたただの小さな龍だったのだがな。白虎が起きておった頃の『パイフー』で森に住むモンスターどもを。まだ8つのダンジョンによる封を作る前の『チューチエ』で空を舞うモンスターどもを。そして『ショワンウー』で水棲のモンスターどもを喰らい、この『チンロン』で7体の龍王種を喰らった結果進化を果たした変わり者だ」


「……各地のダンジョンを大いに荒らしまわって、罰として『ショワンウー』へ繋がる転移陣を守る役割を与えられたってところですか?」


「なぜあの転移陣を守るようになったのか我は知らん。進化を果たした後で世界に飛び出したあやつを速攻で叩き潰したのは朱雀のやつだ。部下のガルーダが対応していたと思うがどんなやり取りがあったのだろうな」


「ダンジョンでもないならそもそもその転移陣ってなんであるんですか?」


「我が知るわけがないだろう。生前に玄武が作ったものだ。今となっては聞くこともできん」


 生前の玄武がダンジョンからわざわざその島に転移していく理由。それはもうわからないが何かしらの意味があるかもしれない。あるいはアンデッドになってしまった玄武を討伐するためにダンジョンへの道として確保されているのだろう。


「行き方についてはわかりました。後の問題は俺もう少ししたらこの国から出てくんですよね」


「ああ、その話は聞いている。使用制限は設けるがお主の本拠にこことつながる転移陣は守護龍に用意させよう。上に控える龍たちもお主の従える黄龍に用があるらしいからな」


「え……それってエンシェントエルフ様のところに作ることになりますよね?」


「協力関係を結んでいる娘のことか? 『チンロン』に直接来させるわけにはいかんからそうなるであろうな」


「なら転移陣についてはエンシェントエルフ様が許可を出したらでお願いします。さすがに無断で作るのはまずいので……」


「別に構わんだろう。文句を言うようであれば我が配下の手で潰してしまおう」


「絶対にやめて!? このダンジョン自体のことは知らないかもしれない。本人はこの国を守ることが最優先だろうし、意図としてはそっちの方が強いはず。でもエンシェントエルフ様も守護龍様と協力して、物理的結界によるな遮断。それから森を使った迷いの結界。転移できる場所自体を限られただけにしたり様々な手でこの場を守ってきた。それなのにわざわざ転移できる場所を、しかも管理もできない国外の町の外に作るのはリスクが高すぎる」


「ふむ。一理あるな。ならばそのエンシェントエルフが断った場合は我のところから連絡役の龍をよこそう。まあ断ればであるが」


「それはそれで目立つ気がしなくもないですがそれで」


「他に何を懸念しておったのだ? 我の手で潰せるものであれば潰してやろう。そして我が依頼を受けよ」


 だんだんと青龍がなりふり構わなくなってきた。というかエンシェントエルフ様の存在を無視して進めようとするとは思わなかった。説得には成功した……と思いたい。守護龍様がエンシェントエルフ様にどこまで説明するのかはわからない。『チンロン』のことは説明しないのだろうなという確信はあるが、奥にいる龍たちのことは話すかもしれない。そうでもなければ表向きの理由が用意できないしな。まさか俺がヤカリ森国、ひいてはエンシェントエルフ様の下へ来やすいようになんて理由で許可を出すとは思わないし。


「かうかう!」


 青龍に対し、「落ち着け。やりすぎだ」と言わんばかりにヒメも声を上げた。もう口の中のお肉は無事に食べきったようだ。それが今週最後のお肉にならないように頑張ってくれ。


「貴様に言ったところで仕方のない話だろうが、貴様がそやつに敗れて管理が疎らになった『パイフー』周辺の龍脈の管理は今や我が行っておる。新たなる白虎の守手となったからにはその礼をしてくれてもよいのではないか? 我が介入しなければ今頃あの周辺では大惨事になっておったのだぞ?」


「かうかうかう、かうかうかう」


「『それはそれ、これはこれ』だと? 今からでも殺してやろうか?」


「やめてください。ヒメ、お前も喧嘩を売るな」


 青龍の口の端からチロチロと青白い炎が漏れ出していた。ブレスそのものとしては『喰らう瞳』のおかげで平気だろうが、それにより地面を焼いて発生した熱はとても生身で耐えられるレベルではないだろう。本気の殺し合いにならないようにヒメの頭に軽くチョップを落とした。


「いろいろと言っておいてなんですが、三四手、いや細かいのも含めたらもっとですが、かなり先くらいまでやらないといけないことが詰まっていまして、それを順番にこなして空になるのですぐに動くと言うわけにはいかないんです。それが一番の理由ですね」


「ふむ、先約があるということか」


「はい。とりあえずここから拠点に戻る手はずは整いましたので仲間と合流して俺と同じように飛ばされただろうマナを探す。そして」


 ヒメを抱える腕に無意識に力が入り、かうぅと短い声が漏れた。ごめんて。


「正直なところどういう理由から魔王軍の幹部なんてものになっているのかは知りません。そもそも俺や真那たちの前からいなくなってからの冒険を知りませんので、そこで何かあったんだろうとは思ってますが……。こうしてチャンスができたんだ。何が何でも姉さんを元の世界に連れ帰る。そんで、父さんと母さんにごめんなさいと。そしてただいまって言わせるんだ。だから姉さんをぶん殴ってでも取り戻す。それまでは保留でお願いします」


 青龍様に向かって頭を下げた。連れ戻すまで長い時間をかけるつもりはない。もう少しだけ待ってほしいとそう思いながら。


どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 神官  (50) 剣闘士(60) 重戦士(70)

 龍人  (20) 死龍人(20) ローグ(70)

 魔導士 (90) 精霊使い(40)舞闘家(70)

有効職業

 聖魔??の勇者Lv23/?? 大鬼人 Lv26/40

 上級獣人Lv18/30   魔人  Lv15/20 

 探究者 Lv42/99   狙撃王 Lv15/90

 上級薬師Lv10/80    上級龍人Lv4/30

 死霊術師Lv24/100   アーマーナイトLv1/99

 剣闘騎士Lv1/99

非有効職業

 呪術師 Lv1/80    死龍王Lv1/30

 盗賊王Lv1/100    大魔導士Lv1/100

 上級精霊使いLv1/50』

2週ほどあいてしまいすみませんでした。来週からは阪神戦もないので書くはず…


そんなわけで阪神タイガース日本一達成おめでとうございます!

6戦までで得失点互角とかもう激熱な試合でした!オリックス強かった!


ではまた次回

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