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最奥の主です2


 青龍の話が説明から切り替わる。


「悪魔たちが中心となった破滅主義者たちによる扇動とは比べ物にならんほどに厄介な者共がおる。この我らを用いた封印を直接どうにかしようとする輩がな」


「直接というのは実物がある『タイラン』を攻略するってことですか?」


 『タイラン』というダンジョン自体は王都のすぐ近くにあると聞いている。俺はもちろんとして、マナも王都にいた間には行かなかったそうだが天上院あたりはモンスターと戦う訓練として赴いていたかもしれないな。踏破はされておらず、途中の階層から敵の強さが異常に跳ね上がるとのことだ。ダンジョンコアのある最深部に青龍たちが鍵となる封印があると考えるとそのモンスターの強化はその影響なのだろう。


「『タイラン』のダンジョンへの挑戦自体は別に何も問題はない。あれを攻略できるレベルの冒険者であれば我らの守るダンジョンも攻略できるだろうよ」


「それほどのダンジョンなんですか?」


「お主が踏破した『パイフー』の状態がどの程度まで弱っておったのかは聞かん。白虎の最後を聞いてしまえば手が出てしまわぬとも限らないからな」


 はっはっはと笑う青龍だがその瞳は笑っていなかった。俺の脇に抱えられたお肉を口に詰め切ったヒメにロックオンされたまま動かない。これでもう取られることはないと両前足を口に当ててもぐもぐしているが今晩は野菜パーティな。


「リソースを集中させるためにもかつてテイマーと死霊術師の二人組に踏破された25層までは下位のモンスターしかおらんが、真の『タイラン』は特殊な術でその姿を偽っておる。かつてそやつの配下にもいたキングスプリガンやクイーンエレファントらの群れに匹敵、もしくは上回るランクのモンスター共だ。そやつらが配下の精鋭とともに守っている」


「はぁ」


 残念ながら名前を挙げた両モンスターともに戦ったことはない。だがキングクラスのモンスターが弱いわけはないだろうし、そんなやつらの群れを上回るとなると相当やばそうだ。


「話を戻すが直接と言っても封印されている大元に何かをするというわけではない。そもそもそこへ行けないのだからな。やつらが目を付けたのは封印の要である我々を通じて封印を解くことができるのではないかということだ」


「4つのダンジョンから封印先へ働きかけようということですか?」


「そういうことだ。我々4体をすべて相手にするのは厳しくとも主のいないダンジョン1カ所であればどうとでもなるとそう考えたのであろうな」


「……『パイフー』が危ない?」


 攻略しようと思っていたわけではなかったが結果として手前を守っていたオーガたちのダンジョンも含めて攻略し、今となってはボスである白虎も守護者であるオーガキングもいない。どれほどの高さがあるのかもわからない谷底にあり、最低限ではあるが自然発生したと思われるモンスターたちはいる。あの森の階層に行ったのであればランクは高くなくても数が多いモンスターたちもいる。なんならコアは何もしてないし一般オーガたちならば復活しているかもしれない。

 しかし、最も肝心な白虎だけは絶対にいないことは間違いない。ボスがいないのであればやりようはあるだろう。ボスでないのであれば逃げてしまえばいいし。


「依頼というのは『パイフー』を守れってことですか?」


 守りを固めるのであれば適任はアンナだ。アンナ自身がボスとして『パイフー』を守ってくれるのであればヒメも安心だろうし、アンナ自身もかつて自分が守っていたダンジョンだ。絶対に嫌とは言わないだろう。アンナ自身でなくても配下のアントたちの中で戦闘力に特化した個体がいればそいつに任せるのも手だな。

 アンナの配下のアントたちの中には、ある程度の条件はあるらしいが様々な種類のアントを作り出すモデルクイーンアントがいる。彼女らのうちの1体を『パイフー』の守りにおいておけばいずれは『アントホーム』級のダンジョンが出来上がるだろう。オーガたちの代わりとなる新たなダンジョンというわけだ。


「む、『パイフー』? ……ああ、勘違いしておるのだな。そやつら自体は既に死んでおる。組織としては細々と今も残っておるかもしれんが人の世に広がっているという話は上のからは聞いたことがない」


「へ?」


 青龍の言葉で思わず息が漏れた。頭が理解を拒んでいるのか言葉がうまく入ってこない。


「封印をなんとかしようと直接行動を起こしたやつらがいたのは1000年近く前のことだ。その組織の名は『輝きの白』。我も完全に把握しているわけではないが、次代の教育が進んでいた玄武の子を操り玄武を殺害。その死体をも操ろうとし、望まぬ死をトリガーとした玄武の反撃で壊滅したと聞いておる」


「いやいやいや、壊滅しているならもう何もすることないのでは?」


「そう話を急ぐな。当代の玄武の死後、操られた次代の玄武も繰り手を失った結果暴走。『ショワンウー』を捨てて地上へ侵攻を始めた。それも討伐されたがな」


 この世界に呼ばれた当時の柩によって倒された玄武。『名もなき物語(ネームレス・テイル)』『深淵よりの死を語る勇者』として後世に伝わり、エンシェントエルフ様が語ってくれた物語の元。突如として地上への侵攻を始めたとされていたが、その背景にはそんな話があったのか。


「地上へ出た玄武が討伐されたこと自体は事実としてそのまま受け止めるしかない。しかし、残った玄武の方は屑どもを殲滅した後、そのまま朽ちることができなかった」


「できなかった、ですか?」


「呪いを基本とした呪術を得意とする種族である玄武を操るほどの呪術の使い手集団。中途半端に死した玄武へも影響を与えていたのだ。死した玄武はアンデッドとなり、その地を守るためだけに生き続ける化物へと変容してしまった。すぐに我と朱雀の手で封印への影響が及ばぬようにしたが今も玄武は死んだまま『ショワンウー』へと縛られておる。既に次代へと継ぐこともできず、ただ『封印を守る』という呪いに蝕まれた我が友(玄武)。あやつを解放することこそが我の依頼だ」


 封印の関係もあって下手に話を広げることもできず、かといって自身は動けない。元となる素体から配下の連中では相手にもならない可能性が高く、1000年近い間待ち続けてようやく訪れた、弱っていたとはいえ同格である白虎を倒してのけて、玄武を解放できる可能性を秘めた存在()。これを逃したくはないと青龍の真剣な眼差しはいつからかヒメから俺へと移っていた。


どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 神官  (50) 剣闘士(60) 重戦士(70)

 龍人  (20) 死龍人(20) ローグ(70)

 魔導士 (90) 精霊使い(40)舞闘家(70)

有効職業

 聖魔??の勇者Lv23/?? 大鬼人 Lv26/40

 上級獣人Lv18/30   魔人  Lv15/20 

 探究者 Lv42/99   狙撃王 Lv15/90

 上級薬師Lv10/80    上級龍人Lv4/30

 死霊術師Lv24/100   アーマーナイトLv1/99

 剣闘騎士Lv1/99

非有効職業

 呪術師 Lv1/80    死龍王Lv1/30

 盗賊王Lv1/100    大魔導士Lv1/100

 上級精霊使いLv1/50』

ちょっとだけ間に合いませんでしたが何とか更新です。

csファイナルの阪神の相手も決まりましたね。あの新井さんが有能な監督であるという現実を受け止めることができずにいます(メソラシ)


ではまた次回。

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