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最奥の主です1


「我は青龍(・・)。この『チンロン』を統べる者なり」


 目の前の巨大な龍は青龍と名乗った。マナが悪魔から聞いたと言う4つのダンジョンの内の1つ、『チンロン』の主だと。


 正直なところ、俺が直接悪魔にその話を聞いたわけではないし、白虎と直接戦った身としてはいまいちピンとくる話ではなかったのだが、以前マナから聞かされた4大ダンジョンの話。『パイフー』『チューチエ』『ショワンウー』『チンロン』という、古から続いているそれらのダンジョンが全ての他のダンジョンの大元であり、それらを踏破しない限りダンジョンは無限にできるというものだった。

 結果だけで見てみれば『パイフー』からは多くの種族がそれぞれ独立して世界へと旅立っていったと言うし、実際に今はアンナとして従魔になっているアンセスタークイーンアントも『アントホーム』のダンジョンを作っていた。『チューチエ』は封印のために8つものダンジョンを生み出しており、『ショワンウー』については場所も知らないが、そこの主である玄武が地上へ侵攻していて、ダンジョンどころの話ではない。


 だが、それら4つのダンジョンを攻略することによってすべてのダンジョンがなくなるのかと言われると疑問を抱かざるを得ない。というか信じられない。4つのダンジョンが踏破されることによってすべてのダンジョンコアが消え去るという可能性はあるが、それが無くてもモンスターが復活しないだけでダンジョン自体がなくなるわけじゃないしな。

 まあ御託を並べてみたところであれだが、俺が信じられない一番の理由はそのことをマナに伝えたというのが悪魔であるということだ。


 俺の元にやってきたあの悪魔が例外中の例外という可能性もあるが、死にかけている状態の俺の『喰らう瞳』の能力を瞳をえぐり取ることで奪おうとしてきたやつの仲間が言っていることが正しいとか思いたくない。そんな感情論もあるが、俺が喰らった暴食の悪魔であるグラトニーもそうだったように7体もの強力な悪魔が人類を滅ぼさんとする魔王の配下なのだ。どこまで関係あるかはわからないがあの悪魔たちと全く無関係というわけでもないだろう。それなのに人類の脅威となるダンジョンをなくす方法を伝えるとか意味が分からない。

 ただし、4つのダンジョンが何もないと言う話ではないのだろう。なんたって朱雀はあの夢の中ではっきりと地球に帰る方法について知っていると言っていた。あれが実は嘘だと言う可能性も0ではないが、どちらかというと咄嗟に出てしまったという感じだった。帰る方法を本当は知らなかったとしてもそれにつながる何かは知っているだろう。もしかしたらそれには4つのダンジョンを攻略する必要があるとかかもしれない。


「いろいろと考えているようだがひとまずは我の話を聞け」


 ついつい考えこんでいたら青龍からおしかりの声がかかる。


「あ、すみません」


「まあ混乱するのも無理はない。だが、我を殺そうなどと考えているのであればやめておいた方がよいぞ」


「かうかう!」


「なぜお前が驚く。主を疑うなとでも言いたかったのか?」


「かう!」


「何度もすみません。それ(ヒメ)は無視してください」


 不服そうな表情を浮かべるヒメを小脇に抱えてちょっと大きめの肉串をその口に突っ込んでおいた。これでしばらくはちゃちゃを入れられずに済むだろう。


「それでいいのか白虎よ……。えらくぞんざいな扱いであるな。なんとなく普段どんな様子であるか察せるところだな。魂にはどこかかつての白虎の面影は残っておるようだがまったくの別物ということか」


 両前足で器用に串部分を掴んで塩味の肉串を頬張るヒメを見て諦めたような納得したような表情を浮かべる青龍はここに俺を転移させてきた若と呼ばれていた龍へと目線を向けた後、俺の方に視線を戻した。


「お主をここへ呼んだのはいくらかの条件を満たした相手であり、この依頼をこなすことができる可能性が少なからずあると判断したからである」


「依頼ですか?」


 青龍の口から出てきたのは少々意外な話だった。必要な物があれば配下の龍たちが動くのだろうし、何ならおそらく今は青龍の配下なのであろう守護龍様を経由すればエンシェントエルフ様、ひいては『ヤカリ森国』を動かして手に入れられるだろうしな。あまり公に存在を明かすわけにはいかないだろうから守護龍様が望んだという形式にはするだろうが。


「実際に白虎自身と相対し、次代の白虎たるそれの守手であれば聞いておるやもしれんが、我や白虎の守るダンジョンは封印の役割を果たしておる」


「封印?」


 小脇に抱えたヒメがびくりと反応した。そんな話聞いてないもんな。まあこいつじゃ話せないけど。

 取られる前に頬に詰めてしまえと肉串を頬張るペースを上げたヒメ。それを見る俺の様子から察してくれた青龍が説明を続けた。


「お主がどこまで信じるかはわからぬが、我の守る『チンロン』、白虎が守ってきた『パイフー』、最近目覚めたと聞いておる朱雀の『チューチエ』、そしてもう1つ。その4つのダンジョンによって我らは『タイラン』に眠るある物を封印している。その正体まではわからんが、かつて我らに使命を与えし神曰く、『それが目覚めれば世界が終わる』と」


「その、俺、というか俺の仲間がこの世界に来てすぐの頃に悪魔からその4つのダンジョンを攻略すればすべてのダンジョンをなくすことができる。終わらせることができると言われたそうです」


 封印という時点でマナが悪魔から聞いた話とは違っていた。そのことを青龍に話して見ると、青龍は否定せずにさらりと答えた。


「すべてのダンジョンを終わらせる。うむ、間違いではない。世界のすべてが壊れればダンジョンもなくなるであろうからな。ただ、終わるのがダンジョンだけではないというだけだ」


 意図せずして俺が思っていた、『どうやって』ダンジョンを終わらせるのか。その答えが得られた。青龍の言葉が真実かどうかを探る術はないが、真実であるならば確かめてみることはできない。

 既に攻略してしまっている『パイフー』、地球に帰るためになんとしてでも朱雀に話を聞きに行かなければならない『チューチエ』はともかく、この『チンロン』の攻略はやめておこう。


「人の中にもいると聞いておるが悪魔信奉者、そして悪魔たちにも広がる破滅主義。それらが合わさり長い年月を経た結果、何も知らぬ、それでいて普通では得られぬ強大な『力』を持つ異世界人を使おうとなったのかもしれぬな」


「悪魔め……」


「ただの推察に過ぎんがな。ただ、それよりも厄介な者共もおる。我らの封印を直接なんとかしようとする輩がな」


 青龍の説明は終わり、話は核心に移り始めた。


どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 神官  (50) 剣闘士(60) 重戦士(70)

 龍人  (20) 死龍人(20) ローグ(70)

 魔導士 (90) 精霊使い(40)舞闘家(70)

有効職業

 聖魔??の勇者Lv23/?? 大鬼人 Lv26/40

 上級獣人Lv18/30   魔人  Lv15/20 

 探究者 Lv42/99   狙撃王 Lv15/90

 上級薬師Lv10/80    上級龍人Lv4/30

 死霊術師Lv24/100   アーマーナイトLv1/99

 剣闘騎士Lv1/99

非有効職業

 呪術師 Lv1/80    死龍王Lv1/30

 盗賊王Lv1/100    大魔導士Lv1/100

 上級精霊使いLv1/50』

先週は投稿できずすみませんでした。少し前まで暑かったのに急に寒くなりすぎじゃないですかね?普通に体調崩して戻らないんですが…


ではまた次回

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[一言] 鈍亀「俺の出番を増やさぬ地上など滅ぼしてくれるわ~~~~~~!!!」ドシーンドシーン
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