アントホームです 1
俺たちはダンジョンに向かうため、南門から出ることにした。南門からでてすぐって話だし、他の門から出る理由はない。
そして南門のところまで来て、門から出ようとしたら門番に声をかけられた。
「あー、あんたたちダンジョンに行くのか? ならこの紙に記入をしといてくれ」
いきなり渡された紙に書かれていたのはかなりの人数の名前。いわゆる名簿だった。
「一応人数の確認だけやってるんだ。名前は任意でかまわん。冒険者とだけ書いてくやつもいるしな」
そう言われてもう一度見直してみると、たしかにところどころに冒険者だの騎士志望だの色々書いてあった。
俺たちも『冒険者』とだけ書いておこう。
「……よし。もういいぞ。精々死なないように」
「まあ気を付けるさ」
あっさりと終わってダンジョンに向かった。
道は一本道で獣道はあっても分岐はなく、まっすぐ道なりに進んでいき、5分足らずで目的のダンジョンについた。
迷宮都市イリアスの町のダンジョン、『アントホーム』
名前の通りアント系のモンスターの巣窟になっており、ダンジョンコアは健在。ワープ装置は5,10,15層しかなく、その層にいるボスを倒せなければ、毎回一層からのチャレンジとなる。ギルドの定めたダンジョンランクとしては、ボスを除けばD-そこそこ。
ダンジョンランクとは、そのランクの一般的な冒険者7人のパーティならば怪我の有無、大小はあっても、犠牲者を出さずに攻略可能だと判断されたものだ。あくまで基準であるのであまり気にされていないことも多いが、中にはその基準より3つランクが下がると入れないダンジョンもある。と、マナが言っていた。
ここはそんなことはないダンジョンなので問題はない。
ダンジョンの入り口は見た感じ洞窟のそれで、大きな岩に穴が開いているようにも見えた。大きさは高さが3mほどで、横幅は4mくらい。人が数人なら余裕で歩ける大きさだ。
そしてその入り口の手前はやたら込み合っていた。
「アイテムの買い忘れはないかい? 回復薬1こ銅貨80枚だよ!」
「ポーターはいらないか? アイテムボックス持ちだからかなり持てるぞ」
「当方戦士! 魔法をつかえるものはいないか? 一緒に参ろうではないか!」
「罠の解除なら任せてくれ! 誰かパーティ組まないか?」
そんな感じで多くの人が勧誘をしていた。商人は多少高くしても買ってもらえることの多い稼ぎ場として。一芸特化の者は他の部分を補える相手を探して。俺たちはそんなことする気もないが、やはりそういうことは多くあるのだろう。今も目の前で3人組が声掛けをしていたうちの一人に声をかけてダンジョンに入っていった。
「よおあんちゃんたち。見るところ前衛がいなさそうだな。俺と組まないか?」
「バッグとかもないみたいだし俺がポーターをしようか?」
それを見ていた俺たちにも声がかかる。いらないんだが……。
「あー、生憎とそういうのは間に合ってるんだ。別の奴に行ってくれ」
「そうかい。ま、用があったら呼んどくれ」
「ポーターは便利なのになー」
割とあっさりとひいてくれた。まああんまりやりすぎて他の奴にも嫌われたら元も子もないから当然か。
そして俺たちはダンジョンに入っていった。
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私たちは、昔はあるダンジョンの4層を任されていた。
餌がなかった。
主は何もしなかった。
獲物が全く来なかった。
主は何もしなかった。
4層が3層へと変わった。
主は何もしなかった。
3層が2層へと変わった。
主は何もしなかった。
私たちの層が地上とつながった。
主は何もしなかった。
下の階層が次々なくなっていった。
主は何もしなかった。
私たちもついには見捨てた。
それでも主は何もしなかった。
私たちはこの地に根を生やした。
餌は十分にある。
しばらくして獲物も多く入るようになった。
その分やられる数も多くなった。
それでもこちらが仕留める獲物も少なくなかった。
それによる利潤で十分に賄えた。
つい最近、ずっと感じていた主の魔力も消失した。
私は奥に潜り、卵を産んで、兵士を育てる。
上はともに来た彼ら任せて私はひたすらそれに専念する。
すでに数はそろった。
質も十分に高いのがいる。
それこそ私に匹敵するものも数体現れた。
新種の兵士も現れた。
魔法をつかえるものも出始めた。
それらもコアで呼び出していけるようになった。
多くを倒したものは進化を果たした。
上位種が生まれた。
コアで呼び出せるようになった。
私も進化を果たした。
彼と同じ種もコアから出るようになった。
長く待った。
ついに彼を倒したものが現れた。
先には進まなかった。
私たちはまだ耐えることにしよう。
ほら、また一組、獲物が入ってきた。
今度の獲物はどうだろうか?
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「えっと、地図によればこの先を右に行けば次の層に行けるんだな」
俺たちは今ダンジョンの1層に入っていた。あと少しで2層へと行けるってところまで来たが戦闘は今のところ0。なんか気に喰わない。
普通なら団体さんとかがいそうな大きな広場とか、後ろからいきなり襲い掛かってきそうな穴もいくつも見かけた。しかし、そのすべてからモンスターは現れなかった。なぜだ……強くなるためにいろんなモンスターを多く喰おうとダンジョンに入ったのにこれではだめではないか!
「左にはたしかモンスタ-ハウスの罠があるんだよね。『注意!』ってでっかく書いてある」
「どうする? 俺としてはそっちに行ってみたいんだが……」
「まあ1戦もせずに2層に行くのもなんだしね。行ってもいいんじゃない?」
「じゃあそっちだな。できるだけ喰ったりヒツギの棺桶で吸収したいから炎の魔法はなしで頼む。俺も使わないから」
「私は問題ないね。むしろやられないように気をつけなくちゃ」
「まあその辺は問題ないんじゃないか?」
「ひどーい。なにかあったら助けてね」
「当然」
俺たちはのんびりと話しながら左に曲がっていった。
どうもコクトーです
忙しい ああ忙しい 忙しい
コクトー心の一句
『刈谷鳴』
職業
『冒険者 Lv48/99
格闘家 Lv48/50
狙撃手 Lv37/50
盗賊 Lv34/50
剣士 Lv34/50
武闘家 Lv30/60
戦士 Lv31/50
魔法使いLv38/50
薬剤師 Lv33/60
鬼人 Lv7/20
????の勇者Lv8/??
狙撃主 Lv1/70
獣人 Lv1/20
狂人 Lv1/50 』
ちょっとあとがきでふざけてみました
すいませんでした
ほんとにすいませんでした
次は戦闘回!
ではまた次回




