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最奥への道です2


 『死龍装甲』を纏った瞬間に気持ちよさそうに寝ていた大蛇龍が敵意を剥き出しにしてはね起きた。鋭い剣呑な視線を向けられ、それに合わせて持ち上げられた尻尾の先端に魔力が集まっていく。


「起きたようだな。悪いが奥に用事があるんだ。そこをどいてくれ」


「……賊めが。死ね」


 集まった魔力が炎へと変貌し、そのままこちらへ突き出された。


「ダイダロン!」


 大蛇龍の有無を言わさぬ攻撃に金剛龍から悲鳴じみた声があがった。いくら『死龍装甲』を纏っているとは言えどあれを直接喰らいたくはない。攻撃を逸らすために申し訳程度に『魔力盾』と『ダークネスシールド』を展開しつつ、『不動明王』『全方位結界』で防御を固める。その上でグラウコスにも『ダークネスソード』を纏わせて強化し、空いた手にも『鬼の一撃』を構えた。

 向かってくる炎を纏った尻尾が斜めに配置した多量の盾を易々と破壊する。少しも軌道が変わっているようには見えないが多少は勢いを殺せたのだろうか?

 『不動明王』の効果で移動はできないため、心臓目掛けて進んでくる尻尾をグラウコスで受けて自身の体をその先端の範囲から無理矢理外す。脇腹をかすめるようにして抜けていく尻尾が戻る前に捕まえた。相手が龍であると言うことも災いして攻撃力を上回る防御力を発揮した『死龍装甲』と『不動明王』の効果のおかげで大蛇龍の尻尾は完全に止まる。

 『死龍装甲』の龍殺しの力が大蛇龍を蝕んでいく中、この尻尾を伝ってこの力が取り返しのつかないところまで到達する前に『一刀両断』で切断をはかった。尻尾を離せと暴れるのを力で無理矢理抑えながらグラウコスを叩きつけると激しい抵抗にあいながらも少しずつ尻尾に食い込んでいく。追加で炎が噴き出してきて熱いが『再生』に任せて攻撃を優先する。

 表面を切り裂いて肉を割いていくが最後まで剣を振り切ることはできず、大蛇龍の尻尾の半ばあたりで『一刀両断』の振り下ろしが完全に止まってしまった。龍殺しの力がこのまま浸食を続けていけば断ち切れるんだろうが、そこまで待っていては切り落としたところでさらに先にも影響はあるだろうし、そもそもそこまでに振りほどかれる可能性もある。現時点ではこのまま剣に力を込めたところで意味はないと判断して剣をいったん振り上げた。


「離せ!」


 実際にはかなり熱いのだが炎が効かないと判断したのか大蛇龍は力任せに尻尾を振るい始めた。しかし、再生を始めてはいるものの半ばまで切り込みの入った尻尾では先ほどよりも力は落ちている。上下左右に暴れさせる中で少しピンと張られたタイミングを見計らってグラウコスを『一刀両断』で振り下ろした。

 先ほどの一撃と同じではぎりぎり切れない可能性も考えて『鬼の一撃・付与』をかけた攻撃は抵抗を受けつつもなんとか尻尾を切り落とした。


「ぐぁ!」


 痛みにその体をぐねらせる大蛇龍。俺は『不動明王』を解除して、切り口から飛び散る血を躱す。切り取った尻尾はまだ生きている判定なのかまだ喰らうことはできず、脇に抱えていたせいでかなり龍殺しの力が浸食してしまっており、放り捨てた先でそのまま朽ちていった。


「ふむ、龍殺しの力を自在に操り我が尾を切り裂くほどの剣術。そして敵の血をしっかりと躱すその冷静さただの賊ではないと言うことか」


 俺が躱したことで疎らに地面に落ちた血は、そのまま地面に目で見てわかる程度には窪みを作って消えていた。アンナの使う蟻酸のようなものか、それとも単に強力な毒か。どちらにせよ切られた時の動きの違和感を信じて血を浴びないようにしたのは正解だったようだ。


「ダイダロン! この者は主より呼ばれた客人だ。襲うのはやめてもらえぬか?」


「ぬ? 客人だと? 龍を殺す存在が龍を訪ねてくるなど何事だ?」


 大蛇龍がゆらゆらと切れた尻尾を揺らすとポンと切れ端から先が生えてきた。それをこちらに向けて警戒はそのままにしつつも金剛龍の言葉に耳を傾ける。


「奥に用事があるからどいてほしいと会話しようとしたのに襲ってきたのはそちらだぞ?」


「そのような力を振りかざしながら話がしたいなどと信じられるわけがなかろう。客人であると聞いた今であっても貴様を殺せと我が本能はささやき続けておるぞ?」


「主の言葉に逆らうと言うのか?」


「そう猛るな金剛龍。我が尾を切り落としてくれた強者とのちょっとしたじゃれあいではないか。逆らう気などはない。大体逆らうのであれば会話になどならずにそのまま戦闘が続いておるわ」


「いつでも攻撃できるような状態で構えておいてよく言う」


「そっくりそのまま返してやろう。しかし何故このような真似を?」


「ダイダロン、あなたが通り道であるここを塞いでしまっていたからですよ。気が付かずにここの通路を選んだ私にも非はありますが、その腹のを消化しきらぬままどんと寝られてはね」


 金剛龍が前足で指し示した先は、先ほどの回復の影響なのか若干縮まってはいるもののまだ腹を膨らませるここの広場のボスだったものだ。あの感じならあと2回も切り落として回復させれば消えていきそう。


「ぬ、入り口は……あーそういうことだな。あまりみないサイズの個体がポップしていたものだからそのまま踊り食いしたんだった。どれほど待った?」


「私たちがここに来てからはすぐですよ。その状態で乗られるのは勘弁願いますし、小競り合いという意味でも戦闘が起きたのですからこの起こし方がどうだったのか疑問はあります」


「我のことを知っておるお主であればともかく客人には知ったことではなかったわけか。ならもう少し待て」


 大蛇龍が自身の体をばねのように縮めていく。圧縮された中心にいたボスだったものは、中で何が行われたのかはわからないが先ほどまでの膨らみが嘘だったかのように消え去った。

 広場を守るボスが倒された形になったことで大蛇龍の体に隠れてはいるが奥に続く通路ができた。俺たちが入ってきた入り口も隠していた岩壁が消えて元通りだ。


「これでよかろう金剛龍よ。だがその龍を殺す力は野放しにできるものではない。主の客人と認められている以上は殺すわけにはいかんが、我もついて行かせてもらうぞ」


「目的地はこの先ですから少しの間ですよ? そこで私の役目も交代ですので」


「そうか。……まあ行けるところまででよい。後ろからついて行く故気にせず走れ。我にも非があったから起こされたことも尾を切り落とされたことも不問とする」


「なんであんたが偉そうなんだよ……」


「事実偉いんですよ」


 俺のつぶやきに真面目な顔して応える金剛龍。しかしその目がどこか遠いところを見るような感じなのは気のせいだろうか。

 大蛇龍が攻撃の体勢を解いてその体を通路を通れるように縮めていくのを見て俺も『死龍装甲』を解除して金剛龍の背に乗った。諦めと安堵の間みたいな表情を浮かべる金剛龍は開かれた奥の通路に向かって歩き出した。




どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 神官  (50) 剣闘士(60) 重戦士(70)

 龍人  (20) 死龍人(20) ローグ(70)

 魔導士 (90) 精霊使い(40)舞闘家(70)

有効職業

 聖魔??の勇者Lv23/?? 大鬼人 Lv26/40

 上級獣人Lv18/30   魔人  Lv15/20 

 探究者 Lv42/99   狙撃王 Lv15/90

 上級薬師Lv10/80    上級龍人Lv4/30

 死霊術師Lv24/100   アーマーナイトLv1/99

 剣闘騎士Lv1/99

非有効職業

 呪術師 Lv1/80    死龍王Lv1/30

 盗賊王Lv1/100    大魔導士Lv1/100

 上級精霊使いLv1/50』

2週ほど飛ばしてしまいすみませんでした。夜勤、体調不良もあって書けませんでした…

Xの方ではひゃっはぁああ!してましたがここでも。

阪神タイガース優勝おめでとうございます!


ではまた次回

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