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最奥への道です1


「あ、また来ましたね。正面なので避けられないです」


「避けられないです、じゃねえ! 『魔力盾』『シールドバッシュ』『グラビティプレス』『サンダーレーザー』」


 最奥に案内するからと金剛龍にまたがって名も知れぬダンジョンを走り始めてこれで3層目。既に二桁に達しようかというモンスターによる襲撃。


 きっかけは第一層に入ってすぐだった。


「あ、龍種ならともかく知性のないモンスターたちはこちらを襲ってきますのでなんとかしてくださいね。私は手を出しませんから」


「は?」


 金剛龍が走り始めてしばらく、多少は入り口よりも広くなった通路。既に幾度かの分かれ道を迷うことなく進む金剛龍の背から遠巻きにモンスターたちが見えてきた。そんな時に金剛龍が何でもないように発した内容についつい息が漏れた。


「そりゃ主より私があなたを送ることは伝わってますけどね。そんなことを理解できるやつらばかりではないですから。もちろんその群れのトップともなれば違うでしょうが、外からの客? よし餌だ! なんて考える脳無しも多いですよ。まあその外からの客なんて来ないんですけどね」


「いや、そこはそいつらを統べる群れのトップが止めないんです?」


「すべてが群れってわけでもないですからね。それにおもしろそうだからむしろ襲えとそう命令する個体もいるでしょう」


「えぇ……」


「まあ殺してしまっていいので頑張ってください。あ、走りに集中しますから私も守ってくださいね」


 金剛龍がそう言ってすぐ、遠巻きに見えていたモンスターたちの一部がこちらに駆け出してきた。それから金剛龍への敬意を払うことが無くなるまではそう時間がかからなかった。





「『ダークチェーン』。あ、血垂れてないか?」


 仕留めたストレングススネークを手元に引っ張り込んでアイテムボックスにしまう。その際に傷口から垂れた血はなんとか金剛龍の体にあたることなく地面に落ちた。

 ここのダンジョンに来てから襲ってくるモンスターたちだが、そのすべてが雑魚モンスターというわけでもなかった。最初の第一層こそウルフやポイズンバットなどの鎧袖一触にできるやつらしかいなかったから、仕留めてもその場に捨て置いてきた。そいつらはおそらく息絶えた後で周りのモンスターの餌として終わっただろう。しかし、少し洞窟の幅が広くなり、分かれ道に広場などができ始めた第二層に入ると捨て置くにはもったいないと思う程度には上位種にその種類が変わってきた。いやお前知性十分だろうと言いたくなるような個体もいたが金剛龍の言葉を思い出して諦めることにした。

 ただし、いくら龍が相手とは言えど下手に周りにも影響が出てしまうようなスキルを得てしまった時のことを考えるとその場で喰らうわけにはいかず、アイテムボックスにしまうという結論に至った。もちろんのこと金剛龍は戦闘中、回収中にも足を止めることはない。自然とその回収方法は限られる。一応『魔力盾』や『全方位結界』を悪用、もとい駆使して血が金剛龍に垂れないようにしてはいるが完全にはいかない。


「大丈夫ですよ。垂れてないです」


 幸い最初の一回以降は防ぐことに成功していたがまあ油断はできまい。


「そろそろ第四層です。次の広場が最後ですね」


「了解した」


 最後だと言った金剛龍は、入り口からここまでずっと止めずに動かし続けてきた足を広場に入った瞬間に止めた。


「あれま。さすがにこれはだめですね」


 入った広場にいたのは巨大な蛇のモンスターだった。広場の外周を囲うようにしてその身を倒して気持ちよさそうに眠っている。


「うーん、目的地はこの先なんですが……待ちますか」


「起こすという選択肢は?」


「私じゃ勝てないですからやってもらっていいですか? 寝起きはかなり機嫌悪くなる方ですよ」


「仮にも龍たるあんたでも勝てないってここの広場を守るボスかなにかか?」


「ここのボスはまあ今では姿こそ見えないですがちゃんといましたよ。ほら、あそこ」


 金剛龍が前足で指差した先にはこの寝ている大蛇しかない。そもそも姿が見えず、そこに『いた』という過去形の時点で判断のしようもない。


「あそこですよ、あそこ。お腹膨れてるでしょう? この方ここの広場にリポップするボスの味が気に入っているらしく、ちょくちょくここに沸いたボスを食べに来るのですよ」


「いや腹の中かよ」


「でなければ下層からわざわざ体を縮めてまでこんな浅い層まで上がってきませんよ。まだ消化してないとなると寝たのはさっきというところでしょうか。まあ我々も休みましょう。何か月くらいかかりますかね」


「いや、そんなに待ってられるか。他に道はないのか?」


「ないこともないですが、仮にもここボス部屋ですからね。ほら、入り口消えてるでしょう?」


 金剛龍の言葉にぱっと振り返ってみるとさっきまで一緒にやってきた洞窟はなくなっていた。周りの壁と何ら変わりない岩壁が続いているのみである。


「……ダンジョンの入り口の時みたく破壊することは?」


「難しいでしょうね。そもそも私もここのダンジョンに住む魔物の一体。好き好んで住処を壊そうなどとは思いませんよ」


「となると、あの腹の中にいるボスが消化されるか、目の前の大蛇が起きるまで足止めだってか?」


「そうなりますね。それはそうと一つ訂正を。この方はダイダロン。努力の末に蛇から昇華を果たし龍になった方です。見た目が蛇なのは間違いないですが、種族的には私と同じ、そして経験値や強さは私の遥か上をいく龍ですよ」


 金剛龍の指摘を受けて『鑑定』を向けてみると『大蛇龍(龍種)』と紛れもなく龍だった。鬼龍王(ゼルセ)のように龍の力を得た(オーガ)ではなく、実際に龍になった蛇。よく見てみると寝そべってこちらに向けられている腹には無数の傷が刻まれており、その努力を物語っているようだ。


「……蛇じゃなくて龍なのか」


「ええ。私のように生まれつきの龍であれば間違いなく龍王になっていただろう方ですよ。我々の中でもこの方を尊敬している龍は多いです」


 そんな尊敬される龍ともあろう方がこんなところで腹出して寝転んでいるのか。まあ、でも龍であり、努力を重ねてきた存在でもあるならば危機察知能力も相当強いはずだろう。


「金剛龍、少し暴れる。危害を加えるつもりはないから安心してくれ」


「ん? まあ死んでもなんとか蘇られますが何をするのです?」


「ちょっと危機意識を煽ろうかと」


 金剛龍から降りて大蛇龍と金剛龍それぞれと同じくらいの距離になるまで離れる。


「『死龍装甲』」


 龍を殺す力を纏う。その瞬間、気持ちよさそうに寝ていた大蛇龍が敵意を剥き出しにしてはね起きた。

どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 神官  (50) 剣闘士(60) 重戦士(70)

 龍人  (20) 死龍人(20) ローグ(70)

 魔導士 (90) 精霊使い(40)舞闘家(70)

有効職業

 聖魔??の勇者Lv23/?? 大鬼人 Lv26/40

 上級獣人Lv18/30   魔人  Lv15/20 

 探究者 Lv42/99   狙撃王 Lv15/90

 上級薬師Lv10/80    上級龍人Lv4/30

 死霊術師Lv24/100   アーマーナイトLv1/99

 剣闘騎士Lv1/99

非有効職業

 呪術師 Lv1/80    死龍王Lv1/30

 盗賊王Lv1/100    大魔導士Lv1/100

 上級精霊使いLv1/50』

少し日付をまたいでしまいましたが間に合ったと言うことで。

木久扇師匠が3月でついに笑点を引退なさるそうですね。長い間笑いを届けてくれた木久扇さん…お疲れさまでした!


ではまた次回

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