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エンシェントエルフへの報告です2

ちょっぴりグロ注意です。


 俺のセリフにピクリと眉を反応させたエンシェントエルフ様。口元に手を当てて思考を巡らし、数秒後、深いため息とともに話を続けた。


「……あまりにも考えの外でしたが柩様、そして他のメンバーも敵の幹部であるということを考えると可能性としては0ではないのでしょう。しかも柩様やセン・グーテンらが魔王軍の幹部として君臨しているのを知っているのは今この場にいる私たちだけ。正直想像もしていませんでした」


「セン・グーテンが来ているなら他の、それこそ憤怒(ラース)とかが来るんじゃないかとは思ってましたが彼女というのは俺も想像してませんでした」


「魔王が命令を下したと仮定してもセン・グーテンの供回りをするのであればエルでしょう。基本誰も一緒には行きたがりません。バカですから」


「……無駄に戦闘能力は高いのが厄介ですね」


「たんなる脳筋であればよかったんですがね。あれはそういう手合いではありませんから。ちなみに、その死霊術師と名乗った元4代目勇者の幽霊でしたか? その人物は幹部と見ていいのですか?」


「大罪の名を冠する7人には含まれませんけど、たぶん幹部クラスではあると思います。かなり自由度は高そうですけどね」


「それが聞ければ十分です。あなたの内容を伏せた判断は正しい。しかし4代目の勇者、情報が残っているかどうかこちらでも調べてみます」


「お願いします。いずれにせよ彼女ならばその巨体を入れることができるアイテムボックスもあるでしょうし、高ランクモンスターの死体ならばそれを回収する理由もある。可能性としてはありえるかなと」


「そうですね。その推測はおそらく正しいと思います。死体がいったいいつまであったことを確認しているのか、それを調べさせましょう。敵の死霊術師が回収した可能性があることもあわせて伝えます。勇者であることは引き続き伏せるようにしてください。正直にかつての勇者が敵であることを明らかにしてしまえばさらなる裏切り者を生む危険もあります。それ以上すらも」


「勇者がそう言ったからと集団ごと敵に回るってことですよね」


「ええ。勇者を神聖視する集団は少なくありません。特に『デルフィナ』ではそれが顕著です。敵もそれは理解しているでしょうし、どの場面でその勇者のことを公表するのか。そこは注意が必要でしょうね。それと同時に公表された時に発生する動揺をどう抑え込むのか」


「そのあたりは俺はよくわかりませんね」


「簡単ではないですがそこは私たちの考えることです。能力としてはともかく単に一般人のあなたに任せることではありませんよ」


 エンシェントエルフ様のこれ以上は不要だという言葉にしない圧を感じ、話を変えることにした。


「そういえば報告にもあったと思いますがゴーレムに取り込まれた転移魔法使いはどうなりましたか?」


「彼女は身元は判明しましたよ。残念ながら五体満足で送り届けると言うことはできませんが」


「……」


 あの無茶苦茶な転移魔法を使ったことによる負荷でかなりのダメージは負っていた。それこそもはや手遅れだと思う程度には。しかし、間違いなくトドメを刺したのは俺の拳だった。『黒槍の雨』で降り注いだ槍はそのゴーレムの体を砕く過程で何発かは突き刺さっていただろう。そして最後、オリハルコンゴーレムが致命傷となる威力の攻撃が叩きつけられた。耐えられるはずもない。

 俺の表情が曇っていく様子がわかったのかは知らないが、エンシェントエルフ様は手を横に振りながらわからないとでも言いたそうに言った。


「何を後悔しているのか知りませんが彼女はあのゴーレムに取り込まれた時点で死んでいましたよ。この3日の間に調べさせましたがなかなか胸糞悪い結果でした」


 エンシェントエルフ様はそう言うとアイテムボックスから書類を取り出して読み上げ始めた。全部が全部話してくれているわけではないが、ゴーレムに埋め込まれていたと思っていた彼女には人として生きるために必要な臓器がいくつかなくなっていたとのことだった。手足は完全にゴーレムの体と一体化しており既にその形はなく、最もえげつないと感じさせる内容だったのは頭蓋骨の内側、脳が取り除かれていたということだ。脳を取り除くことでヒトのリミッターを外し、思うがままに魔法を使わせるための道具に作り替えていたのではないかというのが報告書を書いた『ヤカリ森国』お抱え研究者の見解らしい。


「人を殺すことに対する忌避、いや恐怖でしょうか。いかにも転生者らしいお悩みですね。……かつての柩様もそうでした。生きてきた世界が違うとそうおっしゃるのは自由ですが、その悩みが原因で大切なものを取りこぼさぬように。どこかで覚悟を決めた方がよろしいかと」


「……分かりたくなくてもわかってますよ。ただ、自分の中でどこかにラインを引いておくことは忘れないようにします」


「そうですね。モンスターのワーウルフと狼獣人の区別がつかなくなったなんて馬鹿な話をする輩は尽きませんし、獣人やエルフ、ドワーフのような亜人とも呼べる種族を人と呼ばなくなる愚か者もいます。あなたはそうならないように」


「幸い俺にはキャラビーっていう大事な奴隷がいますからね。あいつを人と呼ばなくなる日はこないですよ」


「頼もしいことですね」


「それで、結局彼女はどこの誰だったんですか?」


「『青き空』所属の転移魔法使いです。腰のあたりにギルドの文様の入れ墨があったので調べてもらったら以前起きたSランク冒険者たちへの襲撃事件の際に姿を消したメンバーの一人だったみたいですね。こんな形で見つかるのは不本意だったでしょう」


 ユウカはそんな話は一言も言っていなかったがそんな襲撃があったのか。俺たちと出会う前かな?


「『青き空』も4大ギルドの一つ。こういう形で自分たちのところの元メンバーが関わっていたということを受けて、もし再び『ヤカリ森国』が狙われることがあれば『青き空』からも高ランクの冒険者パーティを送ると、そう契約書を送ってきました。メンツを潰されたと思っているのでしょうね」


 大手ギルドから有事に期待のできる戦力を送ってくれるという確約を得たことは『ヤカリ森国』としては間違いなくプラスに働くだろうな。


「彼女のことはこれくらいでしょう。もう少ししっかり知りたければこの書類を読むといいわ」


「いえ、やめときます」


「そうですか。なら次ですね。あなたとしてはこれが本題じゃないでしょうか?」


「報酬の話ですよね?」


「ええ。冒険者ギルドとしては別で報酬を受け取ったと聞いていますが、私からの依頼で動いていたという形になっていますから。まあそうでなくとも国のトップとしてこの戦争においてトップクラスの働きをしてくれたあなたには報いねばなりませんから」


「俺から望むことはグリムの町への帰還のための助力と必要な手続き諸々です。できれば先に連絡を取りたいところですが」


「……やはりですか。手続きについては既に進めさせてますよ。直接グリムに飛ぶことはできませんが伝手があるミラであれば飛ばすことも可能です」


「本当ですか!?」


「そこで嘘をつく必要はありませんから。ミラとの伝手は私ではなく守護龍様ですがね」


「ありがとうございます!」


 最悪『龍化』して国境から全力で飛んでいこうと思っていたがミラの町であればグリムの町までは馬車で1週間程度だ。行ったこともあるから『探知』のマップにも残っている。

 予定よりもかなり早く帰れるかもしれないという状況に喜ぶ俺に対し、エンシェントエルフ様は続ける。


「ただし、その前に! 守護龍様からあなたを最奥(・・)に連れていくとそう指令がありました。私はそこには立ち入れませんのでこの後、守護龍様の下へ向かいなさい」


 これまで以上に真剣な表情で、エンシェントエルフ様は俺に1枚の紙を渡した。


どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 神官  (50) 剣闘士(60) 重戦士(70)

 龍人  (20) 死龍人(20) ローグ(70)

 魔導士 (90) 精霊使い(40)舞闘家(70)

有効職業

 聖魔??の勇者Lv23/?? 大鬼人 Lv26/40

 上級獣人Lv18/30   魔人  Lv15/20 

 探究者 Lv42/99   狙撃王 Lv15/90

 上級薬師Lv10/80    上級龍人Lv4/30

 死霊術師Lv24/100   アーマーナイトLv1/99

 剣闘騎士Lv1/99

非有効職業

 呪術師 Lv1/80    死龍王Lv1/30

 盗賊王Lv1/100    大魔導士Lv1/100

 上級精霊使いLv1/50』

先週一旦区切って正解だったくらいの文字数になりました。ナゼコウナッタ。

ようやく祠全部まわれたので次は根だな。ピクミンはまだ遠い…


ではまた次回

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