戦争の翌日です
エルメラさんの工房をあとにして宿に戻った。途中酒場の前を通りすぎる際に大いに盛り上がっている様子が見えたがこの戦争で勝利したと言うのがすぐに伝わっていたようだ。セン・グーテンの目的がエンシェントエルフ様の勧誘だったと言うのがこの戦争が長期化しなかった一番の要因だろう。まあもちろん『ヤカリ森国』の守りが弱く、そのまま押し切ることができるのであれば押し切ってたんだろうがエンシェントエルフ様に守護龍様を倒せるような戦力ではないしほんとについでだったのかもしれないな。
次の日になり、エンシェントエルフ様の下へ向かうべく里長の館に向かった。
「あ、メイさんですね。里長から伝言を預かっております」
里長の館につくと、門番に声をかけられた。
昨日の今日でまだまだ警戒は続いているからか兵士の往来がかなり活発で、館に入ることはできずに門のところでやり取りしては戻っていくような形ではあるが。
「おはようございます。伝言とは?」
「今回の件の対応などもありますので、三日ほど転移陣の使用は控えてほしいとのことです。エンシェントエルフ様もお忙しい方ですし、里長も各地との連携も含めて働きどおしです。どうかご配慮を」
「あー……了解です。一応里長とエンシェントエルフ様に四日後に行きますと伝えてもらえます?」
「伝言承知しました」
「お願いします」
エンシェントエルフ様への伝言を頼んで里長の館を後にした。エンシェントエルフ様や里長が忙しいのは想像していたが三日間は転移陣すら使えないと言うのは想定外だった。できればエンシェントエルフ様には早めに報告して報酬としてグリムの町に戻るために必要な手続きとかいろいろとやってもらおうと思っていたけどさすがにこの状態でそれは無理か。もしかしたら守護龍様なら直接転移させることもできるかもしれないけど今の状況であそこに追加で転移陣をつなぐのはエンシェントエルフ様が許可しないだろうな。
思わぬ形で空き時間ができてしまったが、エルメラさんのところに向かってみたら臨時休業となっていた。さすがに昨日の今日ということで疲労とかいろいろあるのだろう。
仕方なく冒険者ギルドの方に向かってみたが、里長のところが忙しい中でここだけが忙しくないなどということはなく、冒険者ギルドも忙しいようだった。受付にいる職員の数がいつもよりも少なく、普段よりも冒険者も明らかに少ないがそれでも受付を待つ冒険者たちで列ができていた。本当はスキルの試し打ちをするためな場所がないかと相談をしたかったのだが、これだけ混んでいるし諦めよう。あの裏切り者たちから回収したアイテムの買取金額も決まっているかわからないし、今は三日も時間があるからな。もう少し空いている時に聞きに行こう。
エルフの兵士たちも忙しそうに行ったり来たりしている様子が見えており、詰所の方に聞きに行くのは諦めた。里の外の森であればよいだろうかと普通に里から出ていこうとしたところ入り口で兵士に止められてしまった。今は依頼とかで必要な状況以外では出入りを禁止しているとのことだ。結局仕方なしに宿に戻ることにした。
その後、さすがに里の中で下手なスキルを試す気にもなれず、部屋の中でスキルの内容を『鑑定』で確認して時間を過ごすことにした。すぐに試すことはできない死霊術師のレベルアップによって手に入れたスキルなども内容を確認するだけならしておいた方がいいだろうし、『オーガスキン』などおそらく有用なんだろうけどタイミングを逃した結果使っていないスキルなどもある。いろいろと調べて試したい内容をまとめておいて四日後に向かったエンシェントエルフ様のところのダンジョンで試させてもらおう。
スキルの確認はかなり時間をつぶすのにはちょうどよかった。モンスターをたくさん喰らい、レベルもかなりあがったことで新しいスキルも増えているし強化されたスキルも数多くある。説明を見るだけですべてが理解できるわけではないから実際に試してみるまでは推測の域をでないというところがもどかしい。
いろいろと調べているうちに気が付いたが、ヒメと黄龍が召喚できない状態になっていた。感覚的には以前ヒメがゼルセを改造していたために召喚できなかった時とは様子が異なり、単に疲労で召喚できないという感じだった。これ以上きゅうりだけ生活を強いるような自体が発生しなくてよかった。次はヒメが苦手なピーマンだけ生活にしないといけないところだったからな。
結局部屋の中で過ごしていたのは初日だけで、二日目、三日目にもなると冒険者ギルドの職員たちの忙しさもピークを過ぎたのか多少は落ち着いていた。ただ、戦争の後で休息のために冒険者としての動きを止めていたやつらも少しずつ戻り始めており、混雑自体は続いていた。それでも受付を担当する職員が増えたことで多少はましになっており、ギルドでやろうと思っていた裏切り者たちの捕縛の報酬の受け取りはできていた。依頼の報酬と成功報酬を合わせて金貨60枚。そしてそれに追加して買い取ってもらった魔道具の代金としてかなり太っ腹に追加で合計60枚。エルメラさんに支払った魔剣グラウコスの代金には届かなかったが金貨120枚ともなればかなり大きいかな。『金の軍団』に払ってもらうことになっている40枚と合わせれば4割は回収できたことになる。そういえばあの代金の回収はいつになるのだろうか? 一週間以内にはなんとかすると言っていたがまあさすがに戦争があったし無理にとは言わないでおこう。
さすがに新しく依頼を受ける気にはなれなかったので結局里の中で過ごすことにはなったが冒険者ギルドの多少の混雑の緩和と同じくらいのタイミングでエルメラさんの工房も再開しており、改めてあいさつに行っておいた。例の守護龍様の鱗を使った武具の製作依頼に向けて体力温存だと個別の依頼は受けていなかった。残念。
暇な間に里の店で買い物も済ませ、アイテムボックスの中の食料はかなり充実した。調理された物はそれほど多くないけど森の中にある里だからなのか果物とか茸のような森の恵みの充実具合はかなりのものだった。ピーマンと同じく茸も苦手な小さいのが嫌そうな顔をする様子が頭に浮かんだが気のせいだろう。今晩は野菜茸炒めにしてあげよう。
そうして戦闘もない、これまでと比べて非常にゆったりとした三日間を過ごし、エンシェントエルフ様のところに行く日がやってきた。
どうもコクトーです。
『刈谷鳴』
職業
『最大
ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)
盗賊 (50) 剣士 (50) 戦士 (50)
魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)
冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)
狂人 (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)
神官 (50) 剣闘士(60) 重戦士(70)
龍人 (20) 死龍人(20) ローグ(70)
魔導士 (90) 精霊使い(40)舞闘家(70)
有効職業
聖魔??の勇者Lv23/?? 大鬼人 Lv26/40
上級獣人Lv18/30 魔人 Lv15/20
探究者 Lv42/99 狙撃王 Lv15/90
上級薬師Lv10/80 上級龍人Lv4/30
死霊術師Lv24/100 アーマーナイトLv1/99
剣闘騎士Lv1/99
非有効職業
呪術師 Lv1/80 死龍王Lv1/30
盗賊王Lv1/100 大魔導士Lv1/100
上級精霊使いLv1/50』
先週はすみませんでした。久しぶりのお酒の後月曜日は死んでいました…
ではまた次回




