表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
516/592

戦争の終結です2


 本部へ転移してくると、各戦場に参加していた冒険者たちが続々と戻ってきているようでかなり混雑しているようだった。やってきてすぐにそれぞれどこの里から来たのかによって別々の部屋に向かう。この『ヤカリ森国』にはたくさんの里があるが、冒険者ギルドがある里となれば多少は限られてくる。だからなのか、俺と共にここに戻ってきたパーティは6つあったがうち4つのパーティが同じ部屋に向かっていた。残りは俺も含めてばらばらだ。

 俺も元の里に戻ることになるのだが、その前にエルメラさんのところにゼルセを迎えに行こうかと思ったら既に里に戻った後だった。向かう途中で案内してくれたエルフに聞いてみたらそう教えてくれた。たまたま知っていたらしいが、まあさすがに従魔であるとわかっているとはいえゼルセみたいなモンスターがいたら目立つよな。鬼龍王になってさらに厳つくなったし、あまり街中に長時間いさせるのも変な恐怖を与えかねない。セン・グーテンに切られたダメージも癒えていないだろうし傷がついているのであれば余計に怖そうだ。


 部屋に入ると、最初にギルドで会った『コウテツ』のメンバーがいた。大きな怪我をしている様子はないがひどく疲れ切っているように見える。見たところすぐそばに剣を置いていることを考えると魔法使いというわけではなさそうだから魔力切れによるものではないだろうし、自分自身が死にかねない目にあったのか、それとも目の前で人が死ぬ光景を見てしまったのか。俺もあの4体の堕ちた精霊との戦いでかなり精神を削られた。『再生』で回復できるような物でもないし、なんとか切り替えるしかないのだがなんだかな……。

 『金の軍団』もおらず、辛うじて知っているやつも疲弊しきっている状態で雑談というような感じでもないし、従魔(ヒメ)たちを呼ぶようなこともできる雰囲気ではないから俺はそのままゆっくりと転移で戻るのを待っていた。



 10分ほど待っていると、追加で数人知らない冒険者がやってきて転移することになった。ようやく戦争が終わり、安全な里に戻れると言うことでほっとした表情を浮かべている冒険者も多い。実際にはまだエルフの兵士たちが構えているから終わっていないのかもしれないが、指揮官と思われるモンスターたちは軒並み死に、切り札として残しておいたのだろうあの魔人のクローンも倒してセン・グーテンも退却していった。これ以上攻めてくるという可能性は低いだろうな。



 転移で戻ってきてすぐに『探知』を行うが特にモンスターの反応とかはなかった。一応戻ってきたゼルセの魔力が『探知』にひっかかったが安定してその場で動くこともなく、場所もエルメラさんの工房のようだ。

 戻ってきた俺たちを迎えてくれたのは最初にも指示を出していたギルドマスターだった。


「皆本当によく戦ってくれた。疲れている者も多いだろう。豪華とは言わないが多少の食事も用意させてもらった。必要な人は食べて帰ってくれ」


「怪我や傷を負っている人はこちらに来てくださいね! 『白き御旗』の協力で無料で回復所を開いています」


 冒険者ギルドの職員がそれぞれ必要なサポートがどちらで受けることができるのかを矢継ぎ早に説明していく。ゼルセや頑張ってくれた黄龍とヒメにも上げたいし持ち帰りが可能か聞いてみようか。


「とりあえずは誰が戻ってきていて誰がまだ戻ってきていないのかを確認したい。パーティの代表者だけでも構わんからこちらでチェックを受けてくれ」


 ギルドマスターがそう話した瞬間、表情がぐっと暗くなる冒険者が数人いた。おそらく戦場で想像した通りのことが起きたのだろう。俺も参加した戦場か、参加しなかった戦場かはわからないが、今はまだ戦争という異常な環境に置かれていたのもあって気持ちが昂っていただろうが、戻ってきたことでその気持ちの昂りも収まってきて現実という物を理解した。いや、理解してしまった。そこにギルドマスターの言葉を受けて余計に自分たちの現状が見えてしまったのだろうな。


 下を向き、暗い表情を浮かべる彼らも、次の冒険者たちも転移してくるからいつまでもここにはいられないと言われてしまうと動かないわけにはいかず、重い足取りではあったがギルドマスターの指示に従って部屋を出ていった。


「あ、メイさん、あなたはこちらに。里長からあなたが戻ってきたら来るようにと言われております」


「了解です。その前に従魔を迎えに行っていいですか?」


「エルメラのところですよね。その程度であれば問題ないと思いますが、あまり時間をかけるようであれば先に里長のところへ向かっていただきたいですが」


「わかっていますよ。あ、あと食事をいただきたいんですが持って帰れますか? 里長の用事というのが何かはわからないですがどれくらい時間がかかるかわかりませんし」


「サンドイッチとかパンとかも用意してますから数個持っていくだけであれば大丈夫ですよ。さすがに従魔をしっかり食べさせられるほどの量はすぐに用意できませんが」


「ありがとうございます。ぱっと受け取ってすぐに向かいます」


 そして俺は手軽につまめそうなサンドイッチとパンを2,3個ずつアイテムボックスにしまってゼルセのいるエルメラさんの工房に向かった。




「……これはどういう状況だ?」


 エルメラさんの工房についてみると工房自体は無傷だが周りの地面はあちこちえぐれており、ここで戦闘が行われていたのがはっきりとわかる有様だった。

 工房全体を囲むようにゼルセの結界が貼られており、その周囲には攻撃を仕掛けてきたと思われる冒険者たちが数人積み重ねられており重し替わりなのかクエイクで作った壁を上からかぶせてあった。


「ゼルセ! 何があった?」


「ガァ」


 気絶している彼らが何者なのか聞こうとゼルセに声をかけるがゼルセにもよくわかっていないようだ。こいつからしたら攻撃を受けたから倒して逃げないようにしておいたということなんだろうがどうしたものか。


「エルメラさんはどうした? まさかこいつらの襲撃で怪我を?」


「ガァ」


 ゼルセは首を横に振って否定した。奥を指差したが、その後すぐに様子を見ようと近寄る俺を制止するように手のひらを突き出した。


「来るなって?」


 俺の問いにゼルセは無言でうなずく。すぐに顔を上げたゼルセはなぜか目を閉じていた。


「あ、もしかして寝てるのか?」


 その様子を見てふと思いついて聞いてみるとゼルセはまたも無言でうなずいた。考えて見れば剣の声を聞いた? とかで急ぎで魔剣グラウコスを打ってくれたんだった。少しのミスも許されない超高難易度の魔剣の製造なんてどれだけ疲れるかもわからない。そんな状態でゼルセに担いでもらってではあっても俺に剣を届けてくれたんだ。戻ってきて緊張が解けた瞬間にどっと疲れが出て寝てしまっても仕方がないか。


「……これが起きてまた暴れても困るし、ゼルセ、もうしばらくここで守っていてもらえるか?」


「ガァ」


 回収に来たはずだったがゼルセには引き続きエルメラさんの護衛を任せ、念のためにこの倒れている連中を『ダークチェーン』とかで縛り上げておくように指示を出した後里長の館へ向かった。

どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 神官  (50) 剣闘士(60) 重戦士(70)

 龍人  (20) 死龍人(20) ローグ(70)

 魔導士 (90)

有効職業

 聖魔??の勇者Lv23/?? 精霊使いLv32/40

 舞闘家 Lv69/70   大鬼人 Lv24/40

 上級獣人Lv17/30   魔人  Lv14/20 

 探究者 Lv34/99   狙撃王 Lv7/90

 上級薬師Lv4/80    上級龍人Lv1/30

 死霊術師Lv1/100

非有効職業

 アーマーナイトLv1/99 剣闘騎士Lv1/99

 呪術師 Lv1/80    死龍王Lv1/30

 盗賊王Lv1/100    大魔導士Lv1/100』

というわけでGW更新です。え?もう土曜だって?……まだGW中だからセーフ!

自分のところは被害もありませんでしたが地震は皆さま大丈夫でしたでしょうか?

余震にもご注意ください


ではまた次回。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ゼルセの腕がまだ治っていないのに愕然とした。 確か、メイが治癒した後、その体内に戻りメイの魔力で癒された、例え殺されてもメイの体内に戻ればリセットされる、リンクの切れた従魔はこれが出来なくなるのが心配…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ