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戦場の魔人です2

 グラウコスを構えて前線に走る。現在魔人と切りあっているのはクリステラ卿とそのパーティの一人だ。残りの4人はどうやら奥に見えたはぐれ、いや遊撃部隊に対処しに行ったらしい。分配がおかしくないかとも思ったが『探知』にひっかかった遊撃部隊の数はそれなりに多い。それらが一切こちらにちょっかいをかけてくることがないようにするとなるとむしろ向こうの人員が少ないと感じるレベルだ。


 人数が減った影響がどうなるか、それを思うよりも前に結果が出る形になった。

 クリステラ卿と入れ替わる形で魔人の剣を受けた男が受流しに失敗して盾ごと左腕を切り落とされた。両手に盾を構える特殊な装備構成の男で、その2つの盾を絶妙に動かすことで軌道を逸らし、攻撃を防いでいたのだが、魔人の技量が上をいったようだ。

 ごとりと両断された盾とともにその腕が地面に落ちた。おびただしい量の血がその切断面からこぼれる中、追撃を放たんと剣を切り返す魔人に、全身を使ったクリステラ卿のタックルが突き刺さる。盾面のみのシールドバッシュよりも重量を増し、破壊力の上がったそれでも魔人は軽々と吹き飛ぶようなことはなく、その場で体をくるりと回してその突進の勢いを殺す。

 回転の勢いを利用してそのままクリステラ卿に斬りかかる魔人だが、腕を落とされた男の首元を掴んでそのままスキルで後ろに下がったクリステラ卿は既にその場におらず、剣は空を切った。


「『ダークチェーン』」


 少しではあるが前線の2人と距離ができた魔人に後方から弓が飛ぶ。それに合わせて大量の鎖を伸ばした。襲い来る弓と鎖を前に、魔人は高速で剣を振るい斬撃の盾を作り出した。弓も鎖も触れた端から切られていき、魔人にまでは届きそうにない。だが、一方的に切られているわけでもなく、こちらもその斬撃を砕く。追加の斬撃により盾としては間が空いたりはしないが、他に気を割くほどの余裕はなさそうだ。追加の鎖を大量に放つ俺を見て、先ほどの龍人(ドラゴニュート)との会話もあわせて意図を察してくれたのか、数を重視した弓と魔法の攻撃が魔人に飛ぶ。1人は腕を落とされた男の回復に向かったがそれでも十分な弾幕と言えよう。


「『マジックエンチャント』『グラビティプレス』」


 数に押されて斬撃の密度を上げるために相手も手一杯になってきた。それを斬撃の盾の範囲も含めてまとめて上から『グラビティプレス』で押しつぶす。弓矢も一緒に潰してしまうが斬撃の盾を消し去ること、そして魔人を地面に叩きつけることに成功した。


「『シャドウハンド』『ダークネスチェーン』」


 レベルがまだ1ということもあるのか、魔人は重そうにはしつつも体を少しずつ上げ始める。だが、その前に重力の中を突っ切って『ダークネスチェーン』が魔人を包み込む。こめた多量の魔力によってなんとか重力で落ちるのに耐えながら鎖を操り、手足を縛っていく。体を起こすのをやめてまで剣で自身を縛る鎖を切り裂きに来るが、その剣と腕を優先的に縛り上げ、動かれる前に重力の影響を受けない『シャドウハンド』でさらに締め上げ、『グラビティプレス』の解除と同時に空中に浮かせた。


「すまぬな。一刀居合・刀破」


 俺が縛り上げる間に、研ぎ澄ましながらも射程内まで移動を完了していた龍人(ドラゴニュート)の剣士がそのスキルでもって敵の首を刈り取った。


「『黒槍の雨』」


 首が落ちたと言うのに、鎖に抵抗する動きが感じられたため、追い打ちとして上から槍を降らせた。先ほどはその身のこなしによって避けられた『黒槍の雨』ではあったが、ぐるぐる巻きにしてある今回は面積的な都合で当たらなかった部分を除いてすべてがその体に突き刺さった。体中を貫通する槍が増えるにつれて鎖から感じる抵抗も感じなくなっていった。


「随分徹底して叩いたな。メイ殿」


 向こうへの警戒は怠らないまま、部下の男の治療をエルフに任せてこちらに下がってきたクリステラ卿から声がかかった。


「鎖からまだまだ抵抗の意思を感じたからな。それにあれはクローン。あの状態から動く可能性は否定できないさ」


「クローンだと!? 部下が解析をかけた時はそんなこと言ってなかったぞ?」


「俺は後から来たし、戦闘の中で情報の隠蔽に割くだけの余裕がなくなっていたのかもしれないな」


 『鑑定』で普通に見えていたから油断していた。解析だとクローンであることは見えていなかったのか。しかし、俺の適当に考えた言い訳でクリステラ卿も納得してくれたようだ。


「うまいこと止めてくれて助かった。おかげできれいに首を狩れたわい」


 龍人(ドラゴニュート)の剣士もこちらにやってきた。


「少し話が聞こえておったがあれはクローンとな? 首を狩るのにもどうにも切りづらいとは思ったがなにやら仕掛けでもあったのやもしれんな」


「あんな魔人そうやすやすと出てこられても困る。量産されでもしたらなかなか厄介なことになるぞ」


「クローンとは言うがあれが量産できると思うか? 何を素材とする?」


「魔王軍であれば魔物の調達などいくらでもできるだろうよ。この戦争でもいったいどれほどの数の魔物がいたことか。少なくとも数カ所の戦場があり、ここと同程度の数がいたと考えるといくらでも犠牲にできようよ」


「質という点では各地にヤバめなやつがいたが、あれを使い潰すほど使えるとは思えないぞ? オリハルコンゴーレムとか堕ちた精霊とか」


「オリハルコンゴーレムか……私のいた戦場にいなくて助かったよ」


「お前さんあれを切ったのか? わいの居合でも刀がまったく通らんというのに」


「いや、殴り殺した。かなり痛かったけどな」


「なぐ? ……魔法剣士ではないのか?」


「今ならともかくその時に武器がなかったんだ。自分でもかなり無理をしたと思ってるよ」


「武器がないからと殴り殺すとかわけがわからんぞ」


 呆れたという表情を浮かべる両者をよそに『探知』で探ってみるが、遊撃部隊として動いていたやつらもきちんとあの4人に殺され尽くしたようだ。というかあの数を少しもこちらに向けさせずに殺しきるというのはやはりこの魔人との戦いに送られるだけあるということか。


「お三方、怪我はありませんか? 余裕があればあの魔人の死体の回収と守護をお任せしたいのですが」


「怪我については大丈夫だ。クリステラ卿、お主は休んだ方がよいだろう? 部下の様子も心配だろうしの」


「そうだな。メイ殿、カルム殿、済まぬが先に失礼する」


 クリステラ卿はそれまで気をはっていたのが解けたのか顔色を悪くしてエルフたちの元へ向かった。というかこの龍人(ドラゴニュート)カルムって名前だったのか。


 俺たちは彼らの言葉に従い、魔人の死体を回収すべく死体のもとへむかった。

どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 神官  (50) 剣闘士(60) 重戦士(70)

 龍人  (20) 死龍人(20) ローグ(70)

 魔導士 (90)

有効職業

 聖魔??の勇者Lv23/?? 精霊使いLv32/40

 舞闘家 Lv69/70   大鬼人 Lv24/40

 上級獣人Lv17/30   魔人  Lv14/20 

 探究者 Lv34/99   狙撃王 Lv7/90

 上級薬師Lv4/80    上級龍人Lv1/30

 死霊術師Lv1/100

非有効職業

 アーマーナイトLv1/99 剣闘騎士Lv1/99

 呪術師 Lv1/80    死龍王Lv1/30

 盗賊王Lv1/100    大魔導士Lv1/100』

いやー、先週忘れたからと後書きちゃんと書いてたら日付超えてました…おかしいな…

しかしWBC日本すごいですね。さすがはメジャーリーガー。


ではまた次回

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