表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
509/592

戦場の魔人です1


 エルメラさんの打った俺の新しい武器、魔剣グラウコスを受け取り、俺は最後の戦場への転移を待つ冒険者たちの元へ向かった。

 今回の転移で向かう冒険者たちは俺を含めて6人。全員が杖を持った魔法使いで、そのうち2人は白の修道服に身を包んだ『白き御旗』の修道士だ。ここに来るまでに案内してくれたエルフに軽く話を聞いたが前線で暴れている魔人が近接型らしく、この戦争で招集された戦士系の上位クラスの冒険者は既に軒並み送ったとのことだ。その戦場に向かう者たちで残っているのは武器を取りに来た俺という例外を除けば負傷により下がっている奴らと彼らのような後方支援がメインとなる冒険者たち。負傷者を下げるのではなく回復役を前線に送るというのはよほどその魔人が大暴れしているのだろう。


 遅れたことを軽く詫びながら部屋に入ると、すぐに転移が始まった。本当にあとは俺が来るのを待っているだけだったようだ。今日何度目かになる光に包まれ、俺は最後の戦場へ転移した。




「来たか! すまないが4人はすぐに向こうの負傷者に回復魔法を頼む。『金の軍団』のパーティが半壊してから負傷者のでるペースが上がっているんだ」


「わかりました。神のご加護で一人でも多く救いますよ」


「はい!」


 転移してきてすぐに幹部クラスと思わしきエルフがそれぞれの行き先と役割を伝える。『白き御旗』のメンバーと他にも2人が負傷者の元へ。残る2人の魔法使いたちは回り込もうと動く敵の別働部隊の対処へ。そして俺は前線で暴れている魔人の元へだ。

 動き出す前にちらりと横目で負傷者の方を見ると、腕や足を落とされたやつや包帯を巻かれて傷口を塞いでいるやつなどその傷跡はきれいな切り傷がほとんどのように見えた。そしてその中には半壊したという『金の軍団』のパーティ、クリステラ卿が率いてたパーティにいた戦士の姿もあった。やはりあのゴールドさんのギルドというだけあって守りを得意とするやつらが多かったのだろう。そしてそんな守手が抜けたことによる影響は大きいようだ。


「実際の戦場は500mほど行ったところだ。今は10人ほどで魔人の進軍を抑えている。後ろからきていたモンスターたちは左右に割れているから横やりは入らないはずだ」


 連絡用の水晶で上空にいる観測手に確認を入れながら俺への指示が出る。魔法使い数人が交代でフライを使って浮かせているようだ。なかなか贅沢な方法だが、魔人を見失わないように考えた苦肉の策なのかもしれない。距離的に飛んだ方がとも思ったが、ここで『龍化』していくのは邪魔になりかねないな。


「了解した。『スピードエンチャント』『獣化』『パワーエンチャント』」


 自身にバフをかけ、すぐに移動用に『魔力盾』を展開する。『グラビティプレス』が横方向にも効果を発揮できればいい加速器になったのだがグラビティ、重力というだけあってそれは無理だった。であれば『マジックハンマー』でいくよりも『シールドバッシュ』で飛ばす方が早い。


「『シールドバッシュ』」


 細かい調整は『空蹴り』で後からやるとして、俺は『魔力盾』に弾き飛ばされるように前線に急いだ。






「斬雨時雨」


「離れろ、斬撃の雨だ!」


「ポイズンアロー! ちっ、膜が抜けん」


 前線に近づくと、魔人と思わしき男が飛び上がり、周囲に無数の斬撃を降らせているところだった。空中で刀を振るうそいつめがけて複数の矢が飛ぶが斬撃で作られた盾の前に防がれてしまっている。


「援軍に来た! 挨拶変わりだ『ダークランス』」


 斬撃を前に近接武器を持った冒険者たちが下がったのを見計らって俺も槍を放った。数より威力を重視した闇の槍は斬撃の盾を貫くが、その先で魔人に直接切られてダメージにはつながっていない。

 援軍として現れた俺のいきなりの攻撃に驚く様子も見えるハイエルフと冒険者たちだが、そこは敵の幹部もしくは首領級の敵の相手を任されるだけのことはあり、すぐに切り替えて敵への攻撃に備える。


「メイ殿、周りから来ようとする雑魚、それに守りは『金の軍団(うち)』と『ソルダード』に任せて攻撃に集中を!」


 この中で数少ない、俺を知っている人間であるクリステラ卿からの指示がとぶ。ある程度敵の攻撃に対する防御と周りの雑魚からのちょっかいを防ぐ役割として計6人、弓使いと魔法使いが3人のハイエルフ達、そして龍人(ドラゴニュート)の剣士が1人。『金の軍団』も『ソルダード』も盾全員が盾と近接武器の組み合わせの戦士たちで、他の面々も含めて戦い方にもよるかもしれないが、この中に攻撃力に特化した者が少なかった結果なのだろう。彼らのランクがどれくらいなのかは知らないが、俺よりも下ということはないんだろうな。


『アインヘッズ・クローバー・クローン(魔人族、クローン)』


 『鑑定』した結果はなかなかにツッコミどころ満載の内容だった。魔人であることはそもそも疑っていなかったが、まさかクローンだとは。その存在自体は風龍様とジョーさんから聞いたし、そのための研究施設は俺たちが対処したからその存在については知っていた。でもまさか闇ギルドではなく魔族との戦争の中で見るとは思わなかった。すべてがそうであるとは限らないが、闇ギルドの一部が魔族とつながっているということが白日の下にされされた形になるな。

 敵の魔人は大量の斬撃の雨を振らすのをやめ、地面に降り立つと近くにいた『ソルダード』の戦士たちに向かって走り出した。


 走り出した魔人は加速しながらまっすぐに突きを繰り出した。重装備とまではいかないが、全身を鎧で固めた戦士の男が狙われた女戦士と魔人の間に入り、突き出された刀に盾を合わせて受け流す。魔人が通り過ぎる前に庇われた女戦士が目の前の魔人にシールドバッシュで盾を突き出したが、その盾を蹴る形で横に逃げられた。

 蹴られた女戦士は吹き飛ばされたところを他のメンバーに支えられて完全に離脱とはならず、味方から距離の開いた魔人めがけて弓が放たれる。魔人はやってくる弓矢を空中で身をよじって躱す。そこを狙って龍人(ドラゴニュート)が斬撃を飛ばしたが、それに向かって突き出した刀で突き崩された。


「『黒槍の雨』」


 俺も上から『黒槍の雨』を振らせて魔人を襲う。すると魔人は飛びながら地面を手で押して方飛ぶ方向を変えて何らかの突きを放つスキルで垂直に動いて槍の隙間を縫って躱した。何本かはかすっているようだが、空中でのあの機動力はなかなか厄介だ。


「やっこさんの攻撃は突きと斬撃の雨だけ。でもあの自由自在に動き回るのが厄介だ。お前さんあれを止められないだろうか?」


 近接武器を使う唯一の攻撃役である龍人(ドラゴニュート)の戦士が声をかけてくる。防御役がいるとはいえ、間近で魔人と切りあう以上彼にも少なくない切り傷ができていた。


「魔法を使えるハイエルフもいるんだ。ウィード系の魔法はどうだ?」


「地面の揺れにも敏感なようでな。かすめ取る前に除けられてしまうか切り落とされる」


「揺れがなければいけるか?」


「生半可な拘束だとやはり切られちまう。突きを捌ききれなくて下がったが鎖鎌で拘束をかけた時もあったからな。向こうも動きを止めるのはまずいと理解してるんだろう。そういう系統の動きができるやつは優先して狙われよる」


「魔法は通るってことでいいんだよな? なら落としてチェーン系の魔法で縛る」


「おお心強い。止めてくれれば首を落とすのは任せてくれ。頼んだぞい」


 そう言うと龍人(ドラゴニュート)は刀を構えて腰を落とす。一撃にかけるために研ぎ澄ましているようだ。

 俺は捉えるチャンスを待つため、至近距離で切りあう魔人と冒険者たちの元へ走り出した。


どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 神官  (50) 剣闘士(60) 重戦士(70)

 龍人  (20) 死龍人(20) ローグ(70)

 魔導士 (90)

有効職業

 聖魔??の勇者Lv23/?? 精霊使いLv32/40

 舞闘家 Lv69/70   大鬼人 Lv24/40

 上級獣人Lv17/30   魔人  Lv14/20 

 探究者 Lv34/99   狙撃王 Lv7/90

 上級薬師Lv4/80    上級龍人Lv1/30

 死霊術師Lv1/100

非有効職業

 アーマーナイトLv1/99 剣闘騎士Lv1/99

 呪術師 Lv1/80    死龍王Lv1/30

 盗賊王Lv1/100    大魔導士Lv1/100』

後書き書かずに投稿押してしまったのに気づけてよかった…(裏話)

いや、書かなきゃばれへんか?


ではまた次回

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ